政府新型コロナウイルス感染症対策分科会会長の尾身茂氏が10月7日、山梨県甲府市で開催された第81回公衆衛生学会総会で講演し、政府が整備を進める感染症危機管理の司令塔組織や日本版CDCについて「あくまで私見」と前置きした上で、「（新型コロナ対応における）意思決定プロセスは曖昧で、誰が責任を取って決めるのかも曖昧だった。司令塔組織を整備することには賛成だ」とコメント。その上で、「司令塔として看板を掲げ

京都大学大学院の西浦博教授が10月7日、甲府市で開催された第81回公���衛生学会総会で新型コロナウイルス感染症の中長期のリスク分析について講演を行った。

京都大学大学院医学研究科教授の西浦博氏は4月14日、日本内科学会総会・講演会のシンポジウムで3年間にわたる新型コロナウイルス感染症への対応の中で何が明らかとなってきたのかを振り返り、「数理モデルに基づくリアルタイム分析によると、ワクチン接種の直接的な効果によって第5波では1万8622人の死亡を防ぐことができた」と説明。仮にワクチン接種が存在していなかった場合を想定すると、「2021年8月時点で63

一般社団法人日本感染症学会と公益社団法人日本化学療法学会は9月2日、両学会の理事長の連名で「新型コロナウイルス感染症における喫緊の課題と解決策に関する提言」を厚生労働大臣に提出した 1)。提言の核心は、現在、薬事・食品衛生審議会で議論されている国産の新型コロナウイルス感染症治療薬ゾコーバ錠125mgを早期に緊急承認することを求める内容であるが、島田は薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会の委員として、

東北大学大学院教授の押谷仁氏が10月7日、甲府市で開催された第81回公衆衛生学会総会で講演し、療養期間の短縮や全数把握の見直し、1日当たりの入国者数の上限撤廃などを念頭に「この2カ月の（新型コロナウイルス感染症に対する）政府の対応は、リスク評価に基づくとは到底考えられない対策が次々に出てきているのが実態だ」と指摘した。

政府は1月27日の新型コロナウイルス感染症対策本部において、新型コロナの感染症法上の位置付けを5月8日に季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行する方針を決定した。医療費自己負担の公費負担のあり方などについても、今後検討が進む見通しだ。

日本医師会常任理事の松本吉郎氏は1月19日の定例記者会見で、「日本医師会Web研修システム」を都道府県医師会等の使用を可能とするとともに、3月末までには本人確認のための顔認証機能などを搭載し、日医認定定産業医の一部単位を取得できるようにする方針を説明した。

新型コロナウイルス感染症の第8波が始まった。報告体制が変更されているため単純比較はできないが、コロナ治療の現場で働く医師としては、第8波の波が立ち上がるスピードがかなり急激で、脅威を感じる。

神戸市東灘区の「甲南医療センター」で専攻医の高島晨伍さん（当時26歳）が過労自殺した問題で、遺族と弁護士が8月18日、大阪市で記者会見を行った。同じく医師の兄は「病院長の不誠実な対応にとても苦しめられた。家族の自死を誠実に受け止めているのか。弟の死を軽視しているのではないか」と憤りをあらわにした。

新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の5類移行を控え、日本環境感染学会が4月28日、移行後の医療機関での対応についての考え方を公表した。「社会全体が緩和の方向に向かっても、医療機関はある程度の感染対策は継続せざるを得ない」とし、感染した医療従事者の療養期間の短縮は「推奨できない」と明記した。濃厚接触者の休業も検討するよう求めた。吉田正樹理事長は「医療機関の中で（療養期間を）5日間とするは難

四病院団体協議会の各会長が3月23日に記者会見して「現状のままでは地域医療が非常に打撃を受けることが懸念される」（全日本病院協会会長の猪口雄二氏）などと述べて宿日直基準の緩和や罰則付き時間外労働時間規制の施行のさらなる猶予を求めた。3月18日には日本医師会、全国有床診療所連絡協議会とともに厚生労働大臣に要望書を提出していた。

　日本医師会、四病院団体協議会、全国有床診療所連絡協議会は3月18日、宿日直許可の基準緩和など、医師の業務の独自性を踏まえて対応することなどを要望した「医師の働き方改革に関する要望書」を後藤茂之厚労相に提出した。

新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の経口薬ラゲブリオカブセル200mg（一般名：モルヌピラビル）の薬価が1カプセル2537.80円に決まった。800mgを1日2回、5日間投与するため、1日薬価は1万8862.40円、5日間分の薬価は9万4312円となる。8月10日の中医協総会（会長：小塩隆士・一橋大学経済研究所教授）で、他の6成分8品目とともに薬価収載が了承された（資料は厚生労働省のホー

群馬大学医学部で演劇を採り入れた必修授業の単位を落とし留年する学生が相次いでいる問題で、大学側が3月中に再履修科目を設ける方針を固めたことが2月10日、複数の関係者への取材で分かった。前期に単位を落とした8人の3年生が受講することができる。再履修科目で合格すれば進級が認められ、事実上の救済措置となる。大学側は2023年度以降、授業の形式を見直すことも検討している。

柴田：法律では、十分に睡眠が取れる勤務を宿日直と認めるとされています。産科においては、時間をコントロールできないお産が夜間にもある中、分娩対応をどのような業務と考えるかが重要です。現場の実態としてはどのようにお考えですか。

【中嶋優子・MSF日本会長に聞く】（2022年7月22日にインタビュー） Vol.1 完全シフト制活用し2カ月間イラクへ Vol.2 「医局を辞めたからと言ってこの世の終わりではない」

新潟市民病院で後期研修医だった女性（当時37歳）が2016年1月に過労自殺し、遺族が病院開設者の新潟市に損害賠償を求めていた裁判は、新潟地方裁判所（篠原礼裁判長）が遺族側の主張をほぼ全面的に認め、市に約1億626万円を支払うよう命じる判決を3月25日に出し、原告被告双方が控訴せずに確定した。判決を、個人名や病院名など一部を加工し匿名化した上で、全7回にわたり掲載する。

薬剤師に処方権を――。医師や薬剤師の有志が今年6月、インターネット上で、疑義照会の簡素化など薬剤師の権限拡大を求める署名活動を始めた。7月●時点で●5400筆を超えており、SNS上では医師を名乗る賛同者もいる。発起人の一人で精神科医の東徹氏は「医師を敵に回してしまう活動かもしれないが、医師にもメリットはあるはずだ」と意義を語る。

中見出しを修正しました（2019/7/22）東京大学未来ビジョン研究センター、慶應義塾大学メディカルAIセンター、エムスリー株式会社m3.com編集部が2019年６月15日に開催した医療×AIセ...

スウェーデンのカロリンスカ研究所は10月2日、2023年のノーベル医学生理学賞を、カリコ・カタリン氏（BioNTech SE社上席副社長）と、ドリュー・ワイスマン氏（ペンシルベニア大学教授）に授与すると発表した。新型コロナウイルスのmRNAワクチン開発への貢献を評価した。

　新型コロナウイルス感染症関連の、エビデンスに基づく情報発信に努めた医師の一人が、峰宗太郎氏。2020年12月に上梓した『新型コロナとワクチン　知らないと不都合な真実』（日経BP）は、重版を重ね、販売部数は8万部近くに達したという。 　峰氏はこのほど、4年2カ月のNIH/NIAIDでの研究生活を終え、研究拠点を日本に移す。

卒業後の初期研修をどうするか、当時の私は非常に悩みました。私が医学部を卒業したのは、1988年のこと。ちょうどバブル期の真っ盛りの頃で、製薬企業の医師への接待もピークに達している時期でした。そうした過剰な接待を目の当たりにし、大学病院で研修を受けることにかなり嫌気が差していました。

――専門家による情報発信は、日米には差がありますか。 　アメリカは、基本的に自由です。「組織を代表する意見ではない」という断りはしますが、皆が自由闊達に情報を発信し、自由な討論をします。一方で、アメリカは格差社会であり、受け手のリテラシーの差が大きく改善の余地があるものの、情報を発信できることは貴重だと思います。

新型コロナウイルス感染症によるパンデミックは、改めて日本の公衆衛生分野におけるデジタル化が急務であることを浮き彫りにした。保健所業務の逼迫の背景には、さまざまな事務手続きがいまだに電話やファクスによって行われているという実態がある。「HER-SYS」や「COCOA」はじめ多様なシステムが誕生したものの、それらの評価はいずれも高くはない。

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が4月23日、第31回日本医学会総会学術集会の閉会講演で、「イギリスはパンデミックではなくエンデミックに向かっていると考えられる。日本は自然感染している人の割合が少なく、半年から1年ほどの時間差でイギリスのようなパターンになる可能性がある」との見通しを示した。

政府は9月１日、新型インフルエンザ等対策推進会議の体制を改めて、メンバーも刷新した。同会議の前身である新型インフルエンザ等対策有識者会議時代からトップを務めた尾身茂議長は退任した。尾身議長体制下での会議の評価をm3.com医師会員に尋ねたところ、開業医、勤務医共に「評価する」が約７割を占めた。「誰も先の分からない状況で、感情的にならず冷静に、長期間対応した」といった、未知の分野で奮闘したことを労う

静岡県富士市は4月2日より、現在、国の定期接種ワクチンに含まれない9価ヒトパピローマウイルス（HPV）ワクチンの接種費用の一部助成を開始すると発表した。助成の対象は、現在定期接種ワクチンとなっている2価または4価のHPVワクチン定期接種、およびキャッチアップ接種（2022年から3年間実施）の対象者。自治体による9価ワクチンの費用助成は全国初と見られる。（取材・まとめ：m3.com編集部・坂口恵）

東京医科大学入試で性差別を受けたとして、元受験生の女性28人が同大に対して慰謝料など損害賠償の支払いを求めた集団訴訟

竹田：お二人がキャリアを切り拓く上で、見本としてきたロールモデルとなる方々はいましたか。

卒後2年目、1989年のことです。私が担当したホジキンリンパ腫の患者さんをテューマーボードでプレゼンテーションしました。その際に、近藤誠先生からは次のように指導を受けました。

新型コロナウイルス感染症への対応が始まってから、丸3年が経過した。新型コロナワクチンの接種や経口治療薬の開発が進んだ今も、予断を許さない状況が続いている。日本国内においてはオミクロン株の亜系統であるBA.5が主流となって半年以上経つが、北米を中心に広がりを見せているのが、新たな亜系統「XBB.1.5」だ。

周 素蘇先生

――今後個人的な発信はしばらく抑えていくことになると伺いました。 　NIH時代も、基本的には自由でしたが、仕事に直接関わる学術的な発信については、組織の許可が必要であるなど、一定の制限はありました。 　確かに、今後、個人的な発信は難しくなりますが、僕自身が表に出なくても、人材を育てたり、ノウハウを提供したりすることはできます。

全国保険医団体連合会は９月22日に都内で緊急記者会見を開き、2023年4月からのマイナンバーカード等によるオンライン資格確認の原則義務化方針は、「現場の実情・状況を無視した、あまりに無理筋・非現実的な工程」であると問題視、撤回すべきと訴えた。医療機関にとってもコストや手間的に負担増である上に、メリットに乏しいことから、原則義務化を撤回し、医療機関の任意にとどめるべきと提言。神奈川県保険医協会の調査

この度、m3.comで忽那賢志先生がコロナ禍を振り返る「忽那賢志のコロナ戦記」の連載が始まりました。読み逃したという方のためにダイジェスト版を作るとともに、感想や意見などを募集しています。

メディアでも活躍する17年目の外科医、中山祐次郎氏が医療界内外の「憧れの人」に会いに行く対談企画「一介の外科医、憧れの人に会いに行く」。第38弾は医師で、日本初のオストメイトモデルとしても活躍するエマ・大辻・ピックルス先生に登場いただきました。鹿児島大学医学部の同級生でもある2人。病気になって見えたこと、オストメイトモデルとして活動するに至った思いなどをお聞きしました（2023年4月に対談。

人生の意味とは？ 木村：留学を目指す過程で「留学なんて意味ないよ」とか「米国の医療なんて」とか「お前には無理だ」と何度も飽きるほど聞きました。人生の意味なんて自分にもわからないですが、一つのエピソードを紹介させてください。

宮崎大学の丸山治彦氏

名古屋市立大学医学部公衆衛生学分野教授の鈴木貞夫氏は2022年12月3日、広島市で開催された日本看護科学学会の第42回学術集会で、同学会が出版する「日本看護科学学会誌」（JJNS）に、2019年に掲載されたHPVワクチン接種後に現れたさまざまな症状をめぐる論文、「日本におけるHPVワクチンの安全性に関する懸念：名古屋市による有害事象データの解析と評価」（筆者：八重ゆかり氏・椿広計氏 / 通称「八重

新型コロナウイルス感染症（COVID-19）に感染した受験生への対応をめぐり、文部科学省が大学入学共通テストの救済措置を発表、大学の個別試験についても再追試を設けるように要請する方針を示すなど、大学入試はコロナ対応に追われている。　一方、2月5、6日に控える医師国家試験について、厚生労働省は感染者の受験は認めないとする方針を示しており、追試も予定していない。今後も方針に変更はない予定といい、厚労省