坂本尚志 『バカロレアの哲学 「思考の型」で自ら考え、書く』発売中！
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京都薬科大学准教授（2022年9月にウィーンより帰国） 専門：20世紀フランス思想史、フランスの哲学教育 近著 ギヨーム・ルブラン『カンギレム『正常と病理』を読む 生命と規範の哲学』（以文社）翻訳 『バカロレアの哲学 「思考の型」で自ら考え、書く』（日本実業出版社)
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シャルル・ペパン著、永田千奈訳『フランスの高校生が学んでいる哲学の教科書』（草思社)の見本が届きました!
帯に名前まで入れていただいて恐縮ですが、いい本ですのでぜひお読みください。翻訳も前著に続き素晴らしいです。
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フランスの大学で日本語を教えているときにはいろいろあった
・会議が罵り合いになる
・学生に背後から飛び蹴りを食らう
・雇用書類が紛失し契約開始が1か月遅れる
・新任教員が授業拒否
・マスターの設置書類がライバル学科によって放置され学士だけの学科になりかける
濃い
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バカロレア哲学試験の問題が出ると「日本の高校生には絶対無理。さすがフランス」のようなコメントが出ますが、彼らは1年間哲学の授業を受けて問題の解法を身に付けて試験を受けるので不当な比較です。フランスの高校生で合格点の答案が書けるのは3割以下にすぎません。ゲームバランスがおかしい。
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2023年の普通バカロレア試験哲学科目の問題
1．幸福は理性の問題か？
2．平和を望むこととは正義を望むことか？
3．レヴィ=ストロース『野生の思考』（1962年）の一節を説明せよ。
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何年か前、社会契約論の話をする授業の導入で「もし社会がなかったら何が起きますか」という質問に「主要5教科が4教科になります」という回答が即返ってきてリヴァイアサンも秒殺されるかと思った
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フランスの指導教授が言っていたのは、本読む時はノートを取って、そのノートを最低2回は読み直して線引いたり書き込んだりしろということだった。そうすると議論の構造もクリアになるし自分の関心もよくわかる。時間はかかるが後々使う時に非常に役立つ。彼自身はノート取ってそうになかった。
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ひどい文章の書き方指導だが、これが「小論文指導」の主流なのか。
大学で学ぶ内容や方法の対極を自信満々に指導する「神」。
採点する大学教員がいちばん嫌いなジャンルの文章だと思うけど、なんでこれがまかり通ってしまうんだろう。
朝日のEduAに載っていた大学受験時の小論文の書き方。自分の主張の理由に自分の経験を噛ませろ、というのは小学校からこういう受験指導でも共通しているんだな。これが大学で学術的な論文を書くってなった途端、個人的な経験(のみ)は根拠にならない、と言われるんだから、混乱するだろうなと。
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バカロレアの哲学でこんな問題が出る、という紹介は別にいいんですが、生徒がぜんぜんできてない、ということも言っておかないと事実に基づかないフランス教育の賛美だけが増えてしまうと思います。
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2021年バカロレア哲学試験の問題（フランス本土）が出ました。
1．議論するとは、暴力を断念することか？
2．無意識はあらゆる認識の形式から逃れているか？
3．われわれは未来に責任を持っているか？
4．デュルケム『社会分業論』（1893年）の一節を説明せよ。
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・年度初めに事務がパンクし責任者が職場から逃走
・学部長は犬連れで出勤
・ストライキで大学が閉鎖され教員室の引き出しにいれていたサンドイッチ（ツナ）が1か月熟成される
・設置書類はライバル学科の内紛に乗じて取り返される
・別学部の教員が収賄で逮捕される
・学長選挙で不正
多いな
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バカロレアは「正解のない問い」ではなく、正しい「答え方」に従って解答できているかが重要。この文章の「思考の枠組み」がその「答え方」だけど、決まった型があることにはほとんど触れられていない。本を読まないと詳しいことは不明だが、他の書きようがあったのでは。
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・銀行振込の手続きを忘れたか予算がないかである月の給料が小切手で手渡しになる
・お金がないので授業期間が年26週から24週になった
・文房具を学科予算で注文すると6ヶ月後に頼んでいないものが来る
・コピーは1週間前までに専門部署へ依頼。ロシア語かイタリア語の資料が来る確率が約25%
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名古屋大学の渡邉雅子先生より『「論理的思考」の社会的構築-フランスの思考表現スタイルと言葉の教育』(岩波書店)をご恵投いただきました！
フランスの思考し表現する教育に関する研究においては、今後絶対に参照すべき重要な研究成果だと思います。
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今年も���日本の高校生には絶対無理！フランスの高校生すごい！」というコメントがあるのですが、一年間哲学を必修科目として受けて準備万端のはずのフランスの高校生も7割以上の受験者は合格点に達しない試験です。理念は立派ですがみんなそれほどできていないのがフランスの哲学教育です。
2024年普通バカロレア試験哲学科目の問題
1．科学はわれわれの真理の欲求を満足させるか？
2．国家はわれわれに何ものかを負っているのか？
3．シモーヌ・ヴェイユ『労働の条件（労働と人生についての省察』（1943年）の一節を説明せよ。
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以前話したバカロレア哲学試験4つの誤解
1．フランスの高校生は特別な準備なしで受験する
2．哲学的思考や創造性を評価する試験である
3．答えがない問題が出題される
4．バカロレアがあるからすべてのフランス人は哲学ができる
こういうことを言う人は実際には全然制度を理解してないです
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【バカロレア哲学試験2021まとめ】
普通バカロレア（フランス本土）
1．議論するとは、暴力を断念することか？
2．無意識はあらゆる認識の形式から逃れているか？
3．われわれは未来に責任を負っているか？
4．デュルケム『社会分業論』（1893年）の一節を説明せよ。
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2024年普通バカロレア試験哲学科目の問題
1．科学はわれわれの真理の欲求を満足させるか？
2．国家はわれわれに何ものかを負っているのか？
3．シモーヌ・ヴェイユ『労働の条件（労働と人生についての省察』（1943年）の一節を説明せよ。
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フランス人が哲学を勉強してみんな論理的に考えることができるのなら、フランスの生活があれほど不条理と矛盾にあふれているはずがないのではないのだろうか。フランスの哲学教育を手放しで礼賛する人は郵便局の窓口に並んで絶望するのがいいと思う。
バカロレア哲学試験の問題が出ると「日本の高校生には絶対無理。さすがフランス」のようなコメントが出ますが、彼らは1年間哲学の授業を受けて問題の解法を身に付けて試験を受けるので不当な比較です。フランスの高校生で合格点の答案が書けるのは3割以下にすぎません。ゲームバランスがおかしい。
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バカロレア哲学試験は決まった解答の型を守って書かないと高得点は取れないので、独創性が求められる試験ではありません。暗記した引用を適切に使えるかも好成績の決め手なので、暗記科目の側面もあります。
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チョークだけは文房具と別枠の注文で、チョーク専門職員がいた。だが注文してもすぐ来るわけではなく、何ヶ月かして忘れた頃にものすごく質の悪いのがやってくるので、チョークの調達には何か闇があるに違いないと思っていた
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フランスの大学で教えてた時も1年生から進級できるのは3割程度だった
大学入ってからの勉強時間の問題もあれば、そもそも学力的に厳しい学生もいた
入試がないというのは選抜の先送りでしかないことを痛感していた
バカロレアは素晴らしい！という人にはこうした現実も知った上で賞賛してほしい
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中等教育修了を認定する試験でこの難易度ということは、カリキュラムか試験のどちらか、あるいは両方に問題があるということなのでそこをどうにかしないといけないはずですができていない。哲学教育の理念は素晴らしいけれども現実との乖離が著しい。
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宣伝です。
ヨーロッパの入試改革も日本に負けず劣らず迷走しています、その理由も各国でまちまちですが、その背後には試験や資格に対する文化がある(らしい)ということを書いた本、『変動する入試改革』(大修館書店)発売中です！
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フーコーが1950年代に構想した博士論文の計画書『現象学と心理学』が11月4日に発売されました。
440ページというのはフーコーの講義録の中ではいちばん分厚い部類ではないかと思われます。
60年代の現象学批判とは異なるフーコーの思想を垣間見ることができます。
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バカロレア取得率が9割を超えているのに、7割以上が不合格になる必修科目というのは何かおかしいと思わないのだろうか。
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ギヨーム・ルブラン『カンギレム『正常と病理』を読む 生命と規範の哲学』（以文社）見本が到着しました。書店に並ぶのは4月初めになると思います。装丁が予想以上にかっこいい。
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この「答え方���については、渡邉雅子先生の『「論理的思考」の社会的構築』が詳細に明らかにしています。合わせて読むと「正解のない問い」みたいな言い方がどれほど不正確かわかるのではないかと思います。
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フルタイムの1年目、初めての1年生の会話の授業で絶望して、教員室に転がっていたミニーのパペットを持っていってかけ合いで授業をした
大ウケだった
それから6年にわたるパートナーシップの始まりだった
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世界でも日本でもフーコー研究がどんどん進んでいるのに邦訳だけが4、50年前のままというのは決定的にまずい
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日本の根拠なきバカロレア礼賛への批判にも通じる、必読のスレッドだと思います。
バカロレアと日本の大学入試を比較するのがそもそもの間違いで、選抜や競争に着目するならグランゼコール準備級と比較する方がよほど生産的ではないでしょうか。
フランスに受験がないって、誰が広めた嘘なんだろう。
プレパは、完全に日本の受験と大差ない。
ようするに、グランドゼコールの受験って、日本のトップ６大学と同じ感じ。
例えば、東大などの進学率が高い開成高校とラ・サール高校は、フランスでいうアンリ4世高校とルイ・ル・グラン高校
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京大人文研フーコー班の成果は『フーコー研究』だけではありません。
「本研究班の第二の成果報告書として、2021年3月にはさらに、佐藤嘉幸・立木康介編『ミシェル・フーコー『コレージュ・ド・フランス講義』を読む』（水声社）も刊行されます」
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にもかかわらず大いに学ぶべきことがある、というのが私の立場なのでひねくれてはいます。哲学教育の理念はすばらしいが実際にはその理念とは裏腹な状況が出来しているのは残念でもありますが当然でもあります。
バカロレアの哲学でこんな問題が出る、という紹介は別にいいんですが、生徒がぜんぜんできてない、ということも言っておかないと事実に基づかないフランス教育の賛美だけが増えてしまうと思います。
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以前フランス人同僚に「革命主義に関係する語彙だと思うが正確な意味がわからない」と言われてどれどれと見せてもらったら「革ジャン」だったことがある。略語難しい。
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『講義集成』『思考集成』はインフラだと思っているのでせめて再版してほしい。『フーコー研究』はその後の増刷のペースを見ているともう少し多く刷って価格を下げられたのではという気もする。主要著作の改訳はプレイヤードが出て10年が経とうとする現在では必須。最新の研究成果を反映したい。
『監獄の誕生』などの改訳も文庫化もしてくれない新潮社、『講義集成』『思考集成』の再版も文庫化もしてくれない筑摩書房、『フーコー研究』を2万円近い値段で出した岩波書店と、有名出版社のフーコーに対する仕打ちなんなんだろうとずっとおもっている、河出書房のことだけは愛している
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公開研究会「フーコーで博論を書く―研究の最前線をひらく」
日時：9月11日（日）16時～18時（zoom使用）
清水雄大氏『ミシェル・フーコーにおける技術と存在』（リール大学 2019年）
柴田秀樹氏『ミシェル・フーコーと文学』（京都大学 2022年）
参加登録（無料）
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「入試がない」ことがフランスの教育の美点とされることもあるが、大学に人があふれ、教室も教員も足りずに新入生は早々にドロップアウトしていくことになるので、単なる選抜の先送りともいえる。私が教えていたころ（10年前）はこの傾向が顕著だったが、最近は少しましになったのだろうか。
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博論900ページ超えの人間にとっては非常にありがたい意見。印刷が終わったその日に撮った写真が出てきた。執筆していた期間は何かにとりつかれていたとしか思えない。飼い猫の生霊か何かか。
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ネグリ死去。ボルドーで講演したときには野次る聴衆と対話し始め、その人が歌い出すと一緒に歌って沈静化させ、なにごともなかったかのように話し続ける、という格の違いを見せつけられた。講演後に『帝国』フランス語版にサインしてもらった。
アントニオ・ネグリ氏が亡くなったとのこと。90歳でした。心よりご冥福をお祈りいたします。弊社では氏の単著、『戦略の工場』『野生のアノマリー』『さらば、“近代民主主義”』『ネグリ生政治的自伝』『マルクスを超えるマルクス』の5点を刊行しております。【続く】
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拙著『バカロレアの哲学 「思考の型」で自ら考え、書く』(日本実業出版社)、おかげさまで好調な滑り出しです！
以下より内容の一部をお読みいただけます。
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「自分なりの定義を考え、高校の哲学などで学んだ関連知識を列挙しながら、その問いが何をテーマにしているのかを分析したうえで自分の論をまとめる」
ここも重要なポイントを外している。「自分なりの定義」や「自分の論」が授業で学んだ哲学的な根拠に基づいていないと評価されない。
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「幸福は理性の問題か？」
Le bonheur est-il affaire de raison ?
類題としては2011年にアンティル諸島で出題された「幸福は偶然の問題か？」がある。
幸福、理性、欲望、自由といったテーマを踏まえて議論することが要求される。
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入試改革の時「バカロレアみたいに記述式を導入すれば思考力を測れる！」みたいな主張をする委員に私の元ボスが私の論文をもとに反論したので、自分のあずかり知らぬところで某省のブラックリストに載っている気がする。その後元ボスは筋を通して文科省から出禁になった。
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明日になると「哲学を学ぶフランスの高校生はすごい！日本もバカロレアを導入すべきだ！」という人が出没すると思いますが、そういう人は何も知らないか、知ってて騙そうとしているかのどちらかです。「さすが国際バカロレア！」と言ってる人は何ひとつ合っていないので放置でいいと思われます。
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1回目は議論の流れを追えるように、2回目はその中から重要なポイントを拾いつつ、3回目はそのポイントについて分析しつつ、批判しつつ、だったような。指導教授自身はいきなり3回目にすっ飛んでしまう人だけれども。
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武田裕紀、三宅岳史、村松正隆編『フランス語で読む哲学22選』(朝日出版社)、私もフーコー『言葉と物』の項を執筆させていただきました。数百字で『言葉と物』のあらすじ紹介してます。
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日本で最初に常勤で働いた職場がなくなってしまう。執行部の独断でセンターが「無駄」と決めつけられ、廃止が既定路線として進められた。オンライン授業実施の八面六臂の活躍や、学内サービスにとどまらない先進的な活動を続けてきたセンター廃止は明白な失策だと思う。
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本日でボルドー第三大学で博士号を取得してからちょうど8年が経ちました。
博論は900ページ、審査員は6人、試問は5時間半、試問の報告書は39ページ（審査委員長執筆、普通は数ページ）とすべて大盛りでした。
話している最中の高揚感は今でもはっきりと思い出すことができます。
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こんな書き方に習熟しても大学で役に立たないどころか「お気持ち」レポートを量産して害ばかりだろうに。これを信じて勉強する高校生が一番かわいそうだ。朝日新聞もなんでこんなの肯定的に取り上げるのか。
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京大OCW閉鎖に対して当然ながら学内外からの抗議の声が相当あったようで方針転換。やはり執行部はまったくわかってないで潰そうとしていたということか。
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「レヴィ=ストロース『野生の思考』（1962年）の一節を説明せよ。」
レヴィ=ストロースはもしかして初の出題かもしれない。
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大学生のフランス語が怪しいといえばこういう記事も。
コピーした資料を配るから悪い、という主張がさすがフランス。教師の言うことを一言一句ノートに取るのが普通の授業風景なのにはものすごく驚いた記憶がある。
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バカロレア哲学試験の論文なら個人の経験とか書いた時点で大減点である。個人の考えを書くのもダメ。論理の自律的な発展として答案を書くべし。この理念はすばらしい。だが問題は受験生のほとんどがそういう風には書けてないということだ。でも曲りなりにも汎用性のある議論の型を学べるのは大きい。
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「平和を望むこととは正義を望むことか？」
Vouloir la paix, est-ce vouloir la justice ?
類題はそれほど多くない。強いて言えば1996年の「平和は不正義と折り合いをつけることができるか？」ぐらいか。そもそも平和という用語が出ることは稀。平和の定義がどれだけしっかりできるかが鍵か。
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他動詞が導入されたあたりで、ミニーは「私は朝ビールを飲みます。それからウイスキーを飲みます。お酒を飲みます。ごはんを食べません。それから寝ます」というダメ人間になり、そのキャラクターは6年間変わらず、教科書に出てくる他の登場人物もミニーの酒好きに振り回されることになった。
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カンギレムのHegel en Franceの抄訳が出ていたとは！解題もよい。
カンギレム「 フランスにおけるヘーゲル」〔抄訳〕・一九四七年のヘーゲル〔解題〕丸山真幸訳・解題『津田塾大学紀要』第51 号（2019 年）169–196 頁
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大学入試の小論文対策をざっと見たけれど、結構「神」と似たようなことを言っていて暗澹とする。元ネタはアメリカのエッセイライティングかなあ。アメリカのあれも60年代の高等教育の拡大期に生まれた「誰でも書けるエッセイの書き方」なんだがそれをさらに劣化させてどうする。
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「ぼくたちの哲学教室」見てきました。対立と暴力が色濃く残る北アイルランドのカトリック系男子小学校を舞台に、暴力の連鎖を断ち切るために、校長が哲学の授業を通じて問いを立てること、常識に挑戦することの意義を伝えようとする。
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【お知らせ】
9月25日（土）19:00より、佐藤嘉幸・立木康介編『ミシェル・フーコー『コレージュ・ド・フランス講義』を読む』（水声社）の合評会を開催します
コメンテーターは小泉義之氏、慎改康之氏です
以下のリンクより参加登録できます
多数のご参加お待ちしております
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技術バカロレア（フランス本土）
1．法律に従わないことは常に不公正であるか？
2．知ることとは何も信じないことか？
3．技術はわれわれを自然から解放するか？
4．フロイト「詩人と空想すること」（1907年）の一節を説明せよ。
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こういう教育がされていても実際に合格点を取れる受験者は3割以下なので、訓練は実を結んでないとも言えるのでは。
「哲学ができるフランス人」という表象を今更無批判に再生産する意味はあるのかと思います。
フランスの一般バカロレア（大学入学資格）の試験では哲学の科目があり、受験者は質問に対して4時間かけて自分の考えを文章にすることが求められる。その質問は「文化は我々をより人間的にするのか？ 」「真理を捨て去ることは可能か？」という難解なもの。高校生ですでにこういう訓練を受ける。
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普通バカロレア（アフリカ）
1．誰もが芸術家でありえるか？
2．人間は自然に責任を負っているか？
3．決定的な真理は存在するか？
4．ハンナ・アーレント「政治における嘘」（1972年）の一節を説明せよ。
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普通バカロレア（北アメリカ）
1．科学的真理は決定的であるか？
2．自然は不公正か？
3．芸術は専門家だけのものか？
4．シモーヌ・ヴェイユ『労働と人生についての省察』（1942年）の一節を説明せよ。
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バカロレア哲学試験の解法については、拙著『バカロレア幸福論』（星海社新書）と細尾、夏目、大場編『フランスのバカロレアにみる 論述型大学入試に向けた思考力・表現力の育成 』（ミネルヴァ書房）の第6章で書いてますので、ご参照ください。
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宣伝です。
フランスの入試制度として有名なバカロレアの中でも特徴的な哲学試験について書いた本『バカロレア幸福論』(星海社新書)好評発売中です。
以下のページで試し読みもできます。
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私はフランスに関する2章（バカロレア改革、エリート教育）とコラム（エリート選抜の裏側）を書いています。
・フランスの「大学入試」ってどんなもの？
・なぜフランスの大学の留年率は高いのか？
・勉強できる高校生はどこに行くの？
といった疑問に答える内容になっています。
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『ふらんす』12月号、バカロレア特集では、バカロレアの歴史、試験の内容や評価、哲学試験、受験体験記、フランス語学習へのヒント、バカロレア改革、もっと知りたい人のためのガイドなど、「まるわかり」の名にふさわしい盛りだくさんの内容を扱っています！ぜひご覧ください！
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佐藤嘉幸さんによる『フーコー研究』と『ミシェル・フーコー『コレージュ・ド・フランス講義』を読む 』の紹介です。
わずか1500字ほどであの2冊を並べて紹介するというのはそれ自体が芸ではないかと思いますので、ぜひお読みください。
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石井洋二郎編『リベラルアーツと自然科学』(水声社)、見本が到着しました!
錚々たる執筆陣に加えていただいただけでなく、拙著『バカロレアの哲学』にも複数の論者が言及してくださっています!
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普通バカロレア（アンティル・ギュイヤンヌ）
1．自然はわれわれに義務を課すか？
2．芸術家は真理を述べることができるか？
3．過去を知ることは、未来に備えることか？
4．シモーヌ・ヴェイユ『自由と社会的抑圧』（1934年）の一節を説明せよ。
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その一方でグランゼコール入学を目指す人々はバカロレア取得後2年間の苛烈な準備期間を経て入試にたどり着くので、日本の「受験戦争」と比べるのならこちらを見ないとまったく不当な比較になってしまう。
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シャルル・ペパン著、永田千奈訳『フランスの高校生が学んでいる哲学の教科書』(草思社)近日刊行です。私は解説を執筆させていただきました。フランスの高校の哲学教育で生徒は何を学ぶのか、その概要がコンパクトにまとめられています。
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2022年のバカロレア哲学試験の問題
1. 芸術的実践は世界を変容するか？
2. 何が正しいかを決めるのは国家の責任(権利)なのか？
3. 以下のテクストを説明せよ。クルノー『われわれの認識の基礎と哲学的批判の特徴についての試論』(1851年)からの抜粋。
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『思想』2020年10月号に拙稿「想像的なものから美的なものへ――ミシェル・フーコーにおけるフィクション」が掲載されました。
本年1月のセミナーでの発表を元にしたもので、もう一人の発表者フィリップ・サボ氏（リール大学、フーコーセンター所長）の論考も掲載されています。
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英語民間試験や記述式問題の導入の破綻の原因を扱っている元ボスの論考も、こうした経緯を考えると非常に示唆に富んでいる。面白いのでぜひ。
大塚雄作「共通試験の課題と今後への期待 : 英語民間試験導入施策の頓挫を中心に」『名古屋高等教育研究』20, p. 153-194
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この記事が典型の「フランス人は～、日本人は～」論法の問題は、フランスの理念だけを持ち出して、日本の現状を批判しているが、フランスにおける理念と実際の乖離にはまったくあるいはほとんど触れないところ。理念だけならすばらしいのは当たり前ではないかと。
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義務教育でドロップアウトした人とか、大人になってフランスで暮らし始めた移民や難民の人たちはそもそも哲学教育にアクセスさえできないわけで、哲学教育を手放しで賞賛することはそうした人々を不可視のものにする一種の暴力でもある。自戒を込めて。ただし哲学教育に学ぶことは大いにあるのも事実
こういう教育がされていても実際に合格点を取れる受験者は3割以下なので、訓練は実を結んでないとも言えるのでは。
「哲学ができるフランス人」という表象を今更無批判に再生産する意味はあるのかと思います。
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2024年技術バカロレア試験哲学科目の問題
1．自然は人間に敵対しているか？
2．芸術家はその仕事の主人か？
3．プラトン『法律』第9巻（紀元前4世紀）の一節を説明せよ。
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つまり、「フランスは入試がなくて素晴らしい」「バカロレアは哲学の試験があってすごい」と発言する人たちの主張はまったく信頼のおけないものだということです。
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拙論Webにて公開されてました！
『マルクス=レーニン主義手帖』について日本語で読める最新の研究です！（需要があるかは知らない）
J-STAGE Articles - 『分析手帖』と『マルクス＝レーニン主義手帖』
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フランスのバカロレア試験の採点は高校教員が行う。哲学教員に聞いたところ、100枚程度を採点するらしい。手当は1枚5ユーロ。かつては1か月時間があったが現在は10日ほどで採点完了しなければならない。1枚の答案の2人で採点し、評価がかけ離れている場合には協議して「大体は足して2で割る」とのこと
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ということを書いたのが、『変動する大学入試』（大修館書店）の第6章「フランスの「受験戦争」――グランゼコール準備学級におけるエリート選抜」です。コラムではグランゼコールに入る別ルートの存在について書いてます。
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ついにここまで。2000年代にボルドーで教えていた時も経費削減のために授業期間が年26週から24週に減らされたり、銀行振込の費用がなくて給料が小切手で手渡しになったりしたが、まだ余裕があった時代だったのかもしれない。
在学生4万人以上のパリ第12大学が破産寸前、と言う記事。
暖房が効かず寒いため一部の授業を遠隔に移行、人件費が高いため一部の語学の授業はアプリで代替、財政立て直しには最低3年間は人事凍結が必要。
原因は、国による予算不足、大学間競争の過熱、トップによる短期ビジョンと記事は主張。
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一年間、大学の留学制度を利用してウィーンに滞在します。
ウィーン大学に受け入れていただきましたが、状況が許せばフランスに調査等で行ければとも思っています。
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グランゼコール準備学級を扱った拙稿はまさにそういうテーマです。バカロレアすごいという前に読んでほしい。
「フランスの「受験戦争」―グランゼコール準備学級におけるエリート選抜」伊藤実歩子編『変動する大学入試―資格か選抜か ヨーロッパと日本』（大修館書店）
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フーコーのDES論文（だいたい修士論文）のヘーゲル論La constitution d’un transcendantal historique dans la Phénoménologie de l’esprit de HegelがついにVrinより刊行。編者はヘーゲル学者のクリストフ・ブートン。
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グランゼコール組は別世界の人々で、プレパから大学へ来た組でさえ段違いのレベルだった
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フランスの高校哲学教育新プログラムの著者リスト（2020年9月～）。
赤字が今回新たにリストに入った著者。
黄色のハイライトが女性の著者。
近現代が分厚くなる一方、インド、中国、ユダヤ思想にも目配り。
ただしすべてを学習するわけではなく、この中から1，2名の著作を学ぶことになっている。
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『フーコー研究』(岩波書店)見本が届きました。
実際見てみると重い！ごつい！
中も2段組でびっしりですが、そうでなければ1000ページ超えていたんではないでしょうか。
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完璧でも理想的でもないフランスの哲学教育ですが、それはそれとしてわれわれが学べる部分は大いにある、というのが私のスタンスです。ただし日本の教育にフランスのような哲学教育を！という意見には賛成できません。教員もいないのに強行すれば換骨奪胎された道徳教育に堕してしまうでしょう。
今年も「日本の高校生には絶対無理！フランスの高校生すごい！」というコメントがあるのですが、一年間哲学を必修科目として受けて準備万端のはずのフランスの高校生も7割以上の受験者は合格点に達しない試験です。理念は立派ですがみんなそれほどできていないのがフランスの哲学教育です。
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入試改革の混乱に乗じて「フランスのバカロレアはすごい！」という意見が出ているけれど、崇高な理念とグダグダな運用をよくみてほしい。だからこそバカロレアも改革の途上だし、しかも改革が妥協の産物でよくわからないことになっている。研究対象としては興味深いが崇拝の対象としては頼りない。
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合評会を機に、というわけではないですが、筑摩書房さんには品切れになっているフーコーのコレージュ・ド・フランス講義と思考集成の復刊をぜひお願いしたいです。今の時代に気軽に読めないのはあまりにももったいない。
【お知らせ】
9月25日（土）19:00より、佐藤嘉幸・立木康介編『ミシェル・フーコー『コレージュ・ド・フランス講義』を読む』（水声社）の合評会を開催します
コメンテーターは小泉義之氏、慎改康之氏です
以下のリンクより参加登録できます
多数のご参加お待ちしております
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