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憚譚之傍見
@tintin_onlooker
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憚譚之傍見(たんたんのぼうけん) 創作を呟いています。上の画像は「Blue hands 27」さんからお借りしました。
Joined October 2020
迷惑でなければ、と妙な条件付きで差し出された指輪をあたしは受け取り、彼と結婚した。それ以降も彼からのあらゆる請願に「迷惑でなければ」の条件が付されたから、あたしは徐々に増長していったのだろう。迷惑でなければ別れて下さいと言われた時、迷惑ではないが悲しかった。 #140字小説
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ウサギ科ノウサギ属のユキウサギが「ヒトになりたい。」と念じたら本当にヒトになったのですって。それで雪を固めて作られた雪うさぎの私も顰に倣い「ヒトになりたい。」と念じてみたら結果は御覧の通りです。どうぞ宜しく。 新参のマネキン人形が、先輩に当たる私にそう自己紹介をする。#140字小説
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私の涙はあなたに引き際を知らす透明な道しるべか #六畳一間の詩 #短歌 #tanka #詩
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午(ひる)は家人が外出前に作り置いてくれた赤黒く染めた酸味の強い果実を蝟集する白い粒で包んだ上に黒い紙状の物を巻いた奴を喰った。それと貝の遺骸を沈めた茶色の濁り水を温めて飲んだ。何れも旨かった。(小学二年生の高橋君の2月9日の日記より) #140字小説 #マイクロノベル
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真珠色のタフタの、プリンセスラインのドレスの背中側の、腰から下に虹の七色、否、数えてみれば九色九本の、美麗なリボンが垂れている。 「そのリボンは?」と訊かれて新婦は「私の尻尾。」と答えた。 九尾の狐の嫁入りの、その日は天気雨だった。 #140字小説 #マイクロノベル #詩
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唐突に雪が降り出す 気紛れに君がスノードームを振るから #深夜の二時間作詩 #短歌 #tanka #詩
【2/8 286回目】 今回のお題は 「粉雪」 です。 ふんわりと舞い落ちる雪。触れればすぐに消えてしまう儚さ。あなたにとって「粉雪」はどんな情景や想いを運んできますか?思いのままに表現してみてください。 22時から24時の2時間で作り、タグを付け、各自投稿してください。 #深夜の二時間作詩
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妹が過失により醤油を小皿の外に零しテーブルクロスに染みを作る。僕は「醤油取って。」と言い妹から醤油差しを受け取ると故意に微量をクロスに垂らす。姉さんも、父さんも母さんも同じ行為を踏襲する。<家族はみな平等>のモットーの具現化を果たし、僕たち家族はお刺身を食べ始める。 #140字小説 #詩
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邪な目で見ないでと言う彼女を出来る範囲の澄んだ瞳で見ると邪念渦巻くどす黒い内面が見えたから早々に別れて帰宅しリビングで一息ついていると水槽の金魚が澄んだ瞳で僕を見ている。金魚の網膜上の僕は恐らく腐敗した肉塊のようだろう。外でカラスがアーッ!と絶望したみたいに啼く。 #140字小説 #詩
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月下美人が咲いたか否か見て来てほしいと僕は<夜を往く子>に頼んだ。走り去って随分経つが<夜を往く子>は戻らない。その子の後を追う道筋に月下美人が咲いていた。そばにいる人が「さっきまでこの花はここに無かった。」と言う。<夜を往く子>を捜すのも忘れ僕は月下美人に見入る。 #140字小説 #詩
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