杜口 Profile Banner
杜口 Profile
杜口

@snorkros1

Followers
5,363
Following
5,105
Media
826
Statuses
3,313

漫画ムーア/士郎 映画タルコフスキー/ヴィルヌーヴ ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』/『ドクター・フー』 小説ドストエフスキー/ラヴクラフト SFディック/イーガン ファンタジーゲイマン/プルマン 絵画ブレイク/セザンヌ 音楽キング・クリムゾン/マーラー アニメ押井/中村 ゲーム『スーパーメトロイド』/『ゼノギアス』

日本 東京都
Joined February 2014
Don't wanna be here? Send us removal request.
Explore trending content on Musk Viewer
Pinned Tweet
@snorkros1
杜口
7 months
現代イギリスのファンタジー作家をざっくりまとめると、強大なトールキンやルイスのキリスト教的な善悪二元論からいかに差別化するかという歴史として読める。 アメリカのル=グウィンが東洋という外部に見たように、イギリスの作家たちはキリスト教圏内部に二元論を超えた価値を見出そうとした。
1
96
427
@snorkros1
杜口
5 months
『serial experiments lain』は記憶が記録としてワイヤードに存在し続けるなら、肉体なんていらなくない?という話で、それを否定したラストから『TEXHNOLYZE テクノライズ』は始まる。 『lain』と同じ上田耕行、小中千昭、安倍吉俊の黄金タッグでほとんど続編みたいなもん。
2
221
976
@snorkros1
杜口
5 months
SFの全てがここにある。他には何もいらない。 そんな想いに駆られたのはグレッグ・イーガンの『ディアスポラ』が最初で最後だと思う。 人類がデジタル化した未来、残る肉体人に迫る滅亡の危機、無限の宇宙の探査に類を見ない異質な生命、そして壮大な宇宙論、その全てが数学に結実する究極のハードSF!
Tweet media one
5
90
445
@snorkros1
杜口
4 months
ドゥニ・ヴィルヌーヴの『デューン』は惑星の生態学=エコロジーと、ドラッグで覚醒して救世主となる意識革命、そうした原作当時の科学と神秘主義が融合した政治、思想を反映しつつその危険性まで描いている。 それは原作者が政治家の裏の顔を知るスピーチライターであった事を踏まえると正しい脚色。
1
104
435
@snorkros1
杜口
4 years
ホラー映画のシリーズものは数あれど、全て面白いのは『ファイナル・デスティネーション』シリーズだけ。 最善に導く神などいない、あるのは死だけ。この最善説の反対、最悪説は常に運命的に死を引き寄せる。 そこで運命から逃れるための道はただ一つ、死後の生(この場合文字通り)っていうのが面白い。
Tweet media one
Tweet media two
Tweet media three
Tweet media four
4
103
385
@snorkros1
杜口
2 months
トマス・ピンチョンの『重力の虹』は、第二次世界大戦真っ只中、偶然か否かセックスした地に次々とV2ロケットが落下する男スロースロップの謎と陰謀を巡るヨーロッパ遍歴の物語。 そのファルスとしてのロケットに対して、母なる大地として欧州電力網やグリッド。つまり電球カルテルの陰謀が描かれる。
Tweet media one
Tweet media two
1
53
381
@snorkros1
杜口
4 years
0
7
263
@snorkros1
杜口
4 months
田辺剛の漫画版『狂気の山脈にて』、これは大傑作。 SFホラー以前に秘境冒険小説でもあり、ワクワクと恐怖が一緒くたになった奇妙な感覚。 ラヴクラフトはオカルト的な想像力だけがもたらし得る驚異、宇宙の歴史を覆す超古代文明、SFで言えば『星を継ぐもの』などのような偽史的想像力に溢れている。
Tweet media one
Tweet media two
2
55
253
@snorkros1
杜口
28 days
エドワード・サイードが『文化と帝国主義』で、植民地文学の代表として挙げた『少年キム』。 その作者、ラドヤード・キップリングをハンナ・アーレントも帝国主義伝説の創作者と位置付ける。 それは子供たちを帝国主義への奉仕に誘い込んだ。まさにスパイ小説の巨匠ジョン・ル・カレを生み出した点で。
Tweet media one
Tweet media two
1
50
249
@snorkros1
杜口
6 months
スタニスワフ・レムの『ソラリス』は、ファーストコンタクトもののSFとしてほんと理想的な作品。 本作に登場する生命体は、作中でも再三にわたり批判される人間形態主義や人間中心主義が生み出した人間的で、コミュニケーション可能な異星人とは全く違う。 それは実験科学すら太刀打ちできない存在だ。
Tweet media one
1
44
216
@snorkros1
杜口
7 days
サルマン・ラシュディ『真夜中の子供たち』 インド独立の日と同時に生まれた子供たちは、不思議な能力を持っていた。 その子供の一人、サリームの数奇な運命が、インドの歴史と奇妙にも付合するマジックリアリズムの傑作。 ほんと20世紀後半に書かれた最高の小説の一つだと思うから読まれて欲しい。
Tweet media one
Tweet media two
1
25
211
@snorkros1
杜口
5 months
インターネットに夢が持てた時代の『serial experiments lain』に、資本主義の外部を求める気持ちは分からなくもない。 マーク・フィッシャーは資本主義の外部を「不気味なもの」に見出したが、Jホラーの理論的支柱の小中千昭の脚本と中村隆太郎の演出は、彼岸としてインターネットを不気味に描き出す
3
20
199
@snorkros1
杜口
4 months
マーク・フィッシャーが引用した「資本主義の終わりより、世界の終わりを想像するほうがたやすい」。 原典はその想像力の弱さこそを問題としている。 その打開策としてフィッシャーはいまだ実現していないもの「失われた未来」を提示した。物語としては歴史改変や偽史的なもの。想像の鍵はそこにある。
Tweet media one
Tweet media two
2
27
168
@snorkros1
杜口
7 months
友人が自殺したことでパラノイアな神学的議論に取り憑かれるフィリップ・K・ディックの『ヴァリス』は、『幼年期の終り』の未来の記憶のように、DNAに刻まれた人類の記憶が鍵を握る。 ピンチョンのように情報のエントロピー増大に着目した神秘主義的思想の総決算、というかちゃんぽんな神学SFの極北!
Tweet media one
4
31
161
@snorkros1
杜口
8 days
カート・ヴォネガット『スローターハウス5』 第二次世界大戦下、悲惨なドレスデン爆撃を経験したビリー・ピルグリムは、人生のあらゆる場面を行き来する力を得る。 そこでビリーはある達観した考えに至る。 それは過去、現在、未来を区別しない四次元に生きるトラルファマドール星人が教えてくれた事。
Tweet media one
3
28
162
@snorkros1
杜口
14 days
アンブローズ・ビアスの『アウルクリーク橋の出来事/豹の眼』は、メキシコに失踪して死んだビアスの最期をなぞるように、どの短編も死や失踪を題材とした短編集。 特に前者は、絞首刑に処された男の引き伸ばされた死までの時間を描いたもので、訳者によればある種の失踪、異世界転生ものでもある。
Tweet media one
Tweet media two
1
36
144
@snorkros1
杜口
1 month
ジル・ドゥルーズは『意味の論理学』「ミシェル・トゥルニエと他者なき世界」で、無人島に漂着した男『ロビンソン・クルーソー』を下敷きにした物語『フライデーあるいは太平洋の冥界』を例に、無人島において他者は存在しないと言う。 ロビンソンは他者こそが、世界に混乱をもたらすのだと発見する。
Tweet media one
Tweet media two
1
9
141
@snorkros1
杜口
3 months
黒沢清の『回路』観た。 あんまり代表作として挙げられる事無いけど『学校の階段』の「花子さん」や『CURE』、『カリスマ』で予兆としてだけ描かれた世界が崩壊する黙示録的イメージが、初めて全面に展開されたという意味で『散歩する侵略者』にも繋がる重要な作品だと思う。
1
18
130
@snorkros1
杜口
7 months
アーサー・C・クラークの『幼年期の終り』は実は?映像化されていて、異星人の宇宙船が飛来し平和的方法で戦争や飢餓を撲滅し人類を導き、やがて子供たちに変化が訪れるという大筋は基本的に同じ。 しかし、原作のキリスト教批判と神秘主義の擁護が強調されている。でもよく考えたらそれが作品の肝か。
Tweet media one
1
27
128
@snorkros1
杜口
4 months
マット・ラフ原作『ラヴクラフトカントリー』は、無神論者であったラヴクラフトのクトゥルフ神話に、大胆にも白人至上主義的な解釈を施した異端的なキリスト教(創世記)を取り入れる事で、キリスト教世界で黒人が受ける差別を大スケールの宇宙的恐怖として描いていて面白い。
1
38
126
@snorkros1
杜口
4 months
『ウォッチメン』で有名なアラン・ムーア版クトゥルフ神話、『ネオノミコン』。 ラヴクラフトの隠された性嫌悪を爆発させた、目を覆いたくなるようなおぞましい光景の数々、なのに読む手が止まらない。 クトゥルフ神話を根底から覆す時間論が知的好奇心を駆り立てる。 #あなたが一番怖ろしかった本
Tweet media one
Tweet media two
1
31
123
@snorkros1
杜口
4 months
誰にでもある幼少期の思い出が、残酷な出来事に豹変する。 ジャック・ケッチャムの『隣の家の少女』は、幼少期特有の残酷さの延長線上に、拷問、監禁といった目を背けたくなる暴力が描かれる。 それを大人が振り返るという構成が身近に感じさせ、読者は主人公とともに無力な目撃者に変えられてしまう。
Tweet media one
1
22
112
@snorkros1
杜口
4 months
フィリップ・ロス原作の『プロット・アゲインスト・アメリカ』、こんなリアルな歴史改変ものは初めて見た。 1940年、ドイツに友好的なリンドバーグが大統領に就任し、アメリカに反ユダヤ主義が広がる。 歴史改変を通じて、私たちの社会もナチズムに陥り得る事を教えてくれる。
1
34
109
@snorkros1
杜口
6 months
アーサー・C・クラークは『幼年期の終り』や『2001年宇宙の旅』といった神的存在との合一を描く神秘主義と、『楽園の泉』や『宇宙のランデヴー』といった科学的な作品に分けられる。 それを橋渡しするのが『海底牧場』や『イルカの島』といった生態学=エコロジーSF。ここに科学と神秘主義が両立する。
Tweet media one
1
24
106
@snorkros1
杜口
4 months
科学者に舞い込む依頼、罰で翼を失った鳥人の願いが都市を巻き込む騒動に発展する。 チャイナ・ミエヴィルの『ペルディード・ストリート・ステーション』はSFやファンタジーといった垣根を越えた科学と魔法が混在し、鳥人族や昆虫人といった魑魅魍魎が跋扈する都市をリアルに描く自由な想像力が凄い。
Tweet media one
Tweet media two
1
23
102
@snorkros1
杜口
2 years
これはアツい。共感しかない。 荘子it「もちろん、文化的にも音楽的にもちがうところはたくさんあるけど、ある意味ブラック・ミディも、当時のマーズ・ヴォルタのように時代に似つかわしくない、孤高のバンド音楽なんですよね。」
1
13
101
@snorkros1
杜口
3 months
『スタートレック:ヴォイジャー』「700年後の目撃者」これは傑作だわ。 突如、700年後に飛ばされたドクター、その未来の博物館では700年前、惑星連邦が使節を虐殺した歴史が記録されていた。自らの記憶と違う歴史を正すため、歴史の目撃者として証言する。 歴史修正と歴史について考えさせられる物語。
1
8
98
@snorkros1
杜口
6 months
『オルタード・カーボン』は、意識をデジタル化した人類が義体を乗り換えることで実質的な不死を手に入れ、富豪たちは快楽を貪り食うことに執着する。 そんな人類にあって子や血の繋がりは人間性を保証しまた縛り付ける。 主人公が殺された富豪の捜査を、仮釈放と引き換えに受ける傑作サイバーパンク。
Tweet media one
1
16
99
@snorkros1
杜口
4 months
本当に背筋が凍る体験を求めているなら、ダン・シモンズの『ザ・テラー』がおすすめ。 北西航路開拓のため、北極に挑む探検隊。 極寒の地で、食料の問題から壊血病、狂人に反乱、そして謎の怪物といったあらゆる恐怖が一斉に襲いかかる。 実話を基にした歴史改変ホラー。 #あなたが一番怖ろしかった本
Tweet media one
1
17
94
@snorkros1
杜口
6 months
地理的にほぼ同じ位置を占める都市国家べジェルとウル・コーマ、しかし二国間では会話や取引は疎か見ることすら許されず、破れば超国家的組織ブリーチによって厳罰に処される。 チャイナ・ミエヴィルの『都市と都市』は、フィリップ・K・ディック的な世界で、現実的な捜査が描かれるSFミステリ。
Tweet media one
1
26
95
@snorkros1
杜口
2 months
「七十五歳の誕生日。わたしは妻の墓参りをして、それから軍隊にはいった」 ジョン・スコルジーの『老人と宇宙』は新たな体に乗り換えて、宇宙の侵略戦争に身を捧げる男を描いた『アバター』みたいなポストヒューマン時代のミリタリーSF。 奇妙なロマンスに多種多様なエイリアンと娯楽性もバッチリ。
Tweet media one
Tweet media two
2
13
90
@snorkros1
杜口
1 month
ロバート・ゼメキス『キャスト・アウェイ』 荷物を時間通り宛先に「届ける」ことに執着する男が、航空事故による無人島生活を経て、宛先に「届かない」ことを知る。 それは帰ると誓った婚約者の元に帰っても、想いが届かないことに変わりはない。 そこで「誤配」に身を任せる十字路のラストが美しい。
Tweet media one
1
3
91
@snorkros1
杜口
10 days
ジョーゼフ・ヘラー『キャッチ=22』 第二次世界大戦の最中、アメリカ空軍の隊員ヨッサリアンは、責任出撃回数をこなして一刻も早く除隊したい。 ところが不条理にも責任出撃回数は増え続け、死の恐怖に隊員たちは狂っていく。 戦争の狂気をあざ笑うブラックユーモアに満ちたポストモダン文学の傑作!
Tweet media one
1
4
91
@snorkros1
杜口
5 months
計算によって予測された銀河帝国の崩壊と続く暗黒時代、それを短縮するために、男はファウンデーションを設立し、帝国の危機に立ち向かう。 アイザック・アシモフの『ファウンデーション』は、幼少期のイーロン・マスクの愛読書であり、彼が支持するウィリアム・マッカスキルの長期主義にも似ている。
Tweet media one
5
23
89
@snorkros1
杜口
5 months
アール・エ・メティエ駅! モチーフはジュール・ヴェルヌの『海底二万里』に出てくるノーチラス号。 デザインのフランソワ・スクイテンは代表作『闇の国々』より、SF好きには『スタニスワフ・レム・コレクション』の表紙と言った方が分かるかも。 スチームパンクを語る上で欠かせない存在だと思う。
Tweet media one
Tweet media two
Tweet media three
Tweet media four
@Office_GUIA
OfficeGUIA
5 months
1905年3月24日、🇫🇷小説家ジュール・ヴェルヌが亡くなりました。パリのメトロ11号線、アール・エ・メティエ駅のホームは、国立工芸院200周年を記念して改装されたもの。ジュール・ヴェルヌのSF小説の世界にインスパイアされたデザインといわれます。#今日は何の日 #フランスダイアリー
Tweet media one
1
64
234
1
27
90
@snorkros1
杜口
3 months
ヘンリー・ジェイムズの『ねじの回転』 解説にある近代の性的な規範が抑圧した欲望が、亡霊や子供を通して噴出するという解釈が面白い。それは近代に生まれた無垢な子供という概念をも揺らがす禁忌。 近代に対する自己批判によって生まれたモダニズム文学、その先駆的作品と呼ばれる訳がわかった。
Tweet media one
2
8
88
@snorkros1
杜口
21 days
鬼頭莫宏『ぼくらの』 子供たちが文字通り世界の命運を賭けた戦いに身を投じる。 死ぬことを運命付けられた子供たちは、神風特攻隊のようにして、ロボットに乗って命を落としていく。 その無意味なデス・ゲームにそれぞれが意味を見出す姿に胸を打たれるも、儚さ、無常さに日本的な危うさをも感じる。
Tweet media one
2
10
87
@snorkros1
杜口
6 months
グレッグ・イーガンの『順列都市』で展開される驚くべき宇宙論は、SFの想像力の限界を無限大に広げる。 コンピュータの計算過程をバラバラに分解しても、仮想現実の人間に影響は無い。そこで宇宙に広がる無限の数列から人間はその都度、自らの数列を選び取って生きているという塵理論を生み出す。
Tweet media one
Tweet media two
1
24
88
@snorkros1
杜口
6 months
『トータル・リコール』は映画史的に重要な作品で、本来、交わらないヒッチコック的な巻き込まれ型サスペンスとホークス的な職業的アクションが両立している。 サスペンスは事件に巻き込まれ自らの職務と無関係の探偵的行動を止むを得ず行うが、アクションは職務を遂行する様を描くので両立できない。
2
11
83
@snorkros1
杜口
6 months
タルコフスキーの『惑星ソラリス』は、原作の死んだ妻が亡霊のように現れる点に着目して、それを家族にまで拡大したSF映画。 ノスタルジーには不気味さが付き纏うと言うマーク・フィッシャーの議論を想起させるホラー映画でもある。 これが海に関わるというのもまた必然で、
1
20
83
@snorkros1
杜口
7 months
テッド・チャンの『あなたの人生の物語』で描かれる過去、現在、未来を同時に知覚する時間感覚は、「意識の流れ」や言語学という小説ならではの方法で表現されるが、アラン・ムーアが描く時間感覚もまた岡崎乾二郎の言うような複数のコマ=複数の時間が一望できるコミックならではの表現なのだと思う。
Tweet media one
Tweet media two
1
21
83
@snorkros1
杜口
1 month
1951年に書かれたウィリアム・ゴールディングの『蝿の王』は、文明から隔絶された無人島で、社会を築こうとする子供たちの物語。 やがて彼らは野蛮人に回帰するようにして部族を自称し、外敵、獣を中心に団結し、話し合いで物事を決める主人公は孤立する。 しかし選挙からして熱狂に飲み込まれていた。
Tweet media one
Tweet media two
2
10
82
@snorkros1
杜口
6 months
宇宙を開拓するSFと海洋冒険は切っても切れない関係にある。 SF版ホーンブロワーとして企画された『スタートレック』は、海軍的な指揮系統のみならず、正義と法の物語としても似ている。 例えば「タロス星の幻怪人」でスポックは、正義の為ならば船長にすら反し、軍法会議にかけられる事も厭わない。
1
24
82
@snorkros1
杜口
6 months
ヘルツォークとノーランは実物で撮ることに異常にこだわる点で似てるんだよな。 カメラが揺れ、構図が定まらず、決定的ショットを撮れない、撮らない事で生み出されるリアリティという点でも同じ。 意外と気が合うのかもしれない。
@Tori_Corleone
コルレ尾根
6 months
ヘルツォークのインタビューを読む。ヘルツォークはクリスチャン・ベールと仕事をしたことがあり、渋々ではあったが『ダークナイト』を観に行ったそうだ。内容には全く期待していなかったが、暗い予兆に満ちた物語に驚愕したという。その後ノーランに会った時「今年最も重要な作品だ」と→
Tweet media one
2
72
339
0
15
81
@snorkros1
杜口
4 months
19世紀当時、実在した人々の行動を隈なく調べ上げ、その有り得た日常を描く徹底したリアリズムが、やがて切り裂きジャックの女性の力を抑圧する儀式的殺人が、20世紀の惨劇を準備したという驚くべき宇宙論に達する。 眩暈を覚える程に衒学的なアラン・ムーアの『フロム・ヘル』は寝不足必至の面白さ。
Tweet media one
Tweet media two
2
20
79
@snorkros1
杜口
29 days
ハンナ・アーレントは『全体主義の起源』で、ジョセフ・コンラッドが『闇の奥』で描く帝国主義者は、従来の冒険者と違い、社会から飛び出したのではなく、吐き捨てられたのだと言う。 クルツのモデル、カール・ペータースが自ら言うように低い身分にうんざりして、支配民族の一員になろうとしたのだ。
Tweet media one
Tweet media two
1
12
78
@snorkros1
杜口
3 months
トマス・ハリスの『羊たちの沈黙』 あらゆる形の女性差別に立ち向かい、連続殺人犯を追うクラリス、信頼する上司クロフォードも家族の問題に手一杯、頼りに出来るのはメンターと言えるレクター博士と同級生。 しかしこのフェミニズム的物語は女性に変貌(変態)する事を願う男性の排除が可能にしている。
Tweet media one
Tweet media two
Tweet media three
Tweet media four
1
2
75
@snorkros1
杜口
5 months
現代文学がスケール小さくなりがちというのはしょうがない。多様性や情報のエントロピー増大はピンチョンやディックのように陰謀論的に世界を把握するか、細部を捨てた短編作家ボルヘス、それに影響を受けたマジックリアリズムや村上春樹から始まるセカイ系のように曖昧に世界を捉える他ないのだろう。
1
13
77
@snorkros1
杜口
4 months
パンデミックで文明が崩壊したアメリカ、数少ない生存者は夢の地を目指す。 スティーヴン・キングの『ザ・スタンド』は、ポスト・アポカリプスとかジャンル・フィクションとしてより、個性的なキャラクターが織りなす人間ドラマとして面白い。 キングがベストセラー作家たる所以もそこにあると思った。
Tweet media one
1
6
75
@snorkros1
杜口
1 month
西田亮介が言うように、暗殺未遂といった歴史的事件がすぐさま象徴的な写真として、これほど早く世界に広まった事はおそらく初めてだが、今年公開されるアレックス・ガーランドの『シビル・ウォー』は、まさに現代の暴力とメディアについての映画で、予言的なシーンもある。
1
18
77
@snorkros1
杜口
1 month
『ライ麦畑でつかまえて』のホールデンは、同時期に書かれた『オン・ザ・ロード』や『重力の虹』と同様に、社会から逃走したいと願うも上手くいかない。 それは彼らと対照的にある種の性的不能である事、またJ・D・サリンジャー自身、生まれつき睾丸が一つな事に悩んでいたのと無関係ではないだろう。
Tweet media one
Tweet media two
2
9
76
@snorkros1
杜口
5 months
デヴィッド・ケイジ「わたしにとっては、共感こそが人間の定義のひとつです」 『デトロイト ビカム ヒューマン』はサイバーパンクといっても生殖といった進化ではなく、ディック的なアンドロイドへの感情移入が、社会の変革に繋がるリチャード・ローティ的な哲学が描かれる。
1
10
77
@snorkros1
杜口
7 months
ある朝目覚めると、そこは仮想現実であった。 男は現実の自分のコピーで、その実験台となって時間、空間的にバラバラに自らを計算し、意識に変化が無いと気づく。 そのことで驚くべき宇宙論、塵理論を展開。広大な宇宙に発進する。 ポスト・サイバーパンクの最高傑作! グレッグ・イーガン『順列都市』
Tweet media one
Tweet media two
1
12
77
@snorkros1
杜口
4 months
フランク・ハーバートの『デューン 砂丘の子供たち』は、ドゥルーズとガタリの『千のプラトー』で、砂歩きが引用されている。 それだけでなく宗教を戦争機械に変える預言者の存在や、映画ではholy warとぼかされた戦争機械の原動力としての聖戦(ジハード)は、まさにデューンがテーマとしていた事だ。
Tweet media one
Tweet media two
1
7
75
@snorkros1
杜口
7 months
またJ・K・ローリングは『ハリー・ポッター』で魔術がキリスト教圏と並行して存在する世界を書き、フィリップ・プルマンは『ライラの冒険』でキリスト教的世界観を内部から破壊し、ニール・ゲイマンは多神教的世界観の『アメリカン・ゴッズ』でキリスト教を相対化したファンタジーを生み出した。
1
27
73
@snorkros1
杜口
3 months
「90年代の「バイオ・ホラー」は、人間もまた情報かもしれず、情報もまた生命かもしれないという感覚は「恐怖・不安」と結びついていた」 確かに鈴木光司のリング・シリーズや、95年の瀬名秀明『パラサイト・イヴ』、96年の『バイオハザード』とどれもその恐怖を扱った作品。
1
10
72
@snorkros1
杜口
3 months
エルリックを主人公とする壮大なサーガを締めくくるマイケル・ムアコックの『ストームブリンガー』。 遂に混沌の神々と法の神々の戦いは終わりを迎える。この新人類が支配する未来に、彼とその種族の居場所は無い。 漫画版『風の谷のナウシカ』のような「運命」に対し、彼はどのような決断を下すのか。
Tweet media one
Tweet media two
1
8
71
@snorkros1
杜口
4 months
当時、『砂の惑星』を英雄譚と勘違いした読者から、『砂漠の救世主』や『砂丘の子供たち』が批判された事を思えばこれぐらい脚色する必要があったのだろう。 でも『ゲーム・オブ・スローンズ』といった善悪の曖昧な群像劇が広く受け入れられた今なら、権謀術数の渦巻くSF宮廷陰謀劇としてウケるはず。
0
19
72
@snorkros1
杜口
6 months
ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』や『ブレードランナー』は、人間とアンドロイドの違いは基本的には感情の有無にあった。 それが『ブレードランナー2049』ではアンドロイドが生殖可能かどうかという話に変わった。 この人間性の変化はサイバーパンクに限らずSF全体に存在すると思う。
Tweet media one
1
15
73
@snorkros1
杜口
26 days
ハンナ・アーレントによれば、アラビアのロレンスは彼自身言うようにアラブの運動に関心はなく、その歴史の永遠の流れに魅了されたに過ぎない。 「正しい方向に突き進む」という誇りは、歴史の出来事の速度を速めるだけ。 だからこそ彼は故郷でもバイクに乗って凄まじいスピードで突っ走る他なかった。
Tweet media one
Tweet media two
Tweet media three
1
6
72
@snorkros1
杜口
5 months
何故『ゲーム・オブ・スローンズ』が原作ファンを超えて社会現象にまでなったかは色々言われているが、やっぱり『ハリー・ポッター』や『指輪物語』、またその映画化によるファンタジーのブームが生み出した読者や視聴者が、成長して大人になったタイミングに合っていたのが良かったのだと思う。
2
9
68
@snorkros1
杜口
6 months
スティーヴン・バクスターによるH.G.ウェルズの『タイム・マシン』正統続編『タイム・シップ』。 取り残された彼女を救うため、再び未来に向かった主人公は、人類の行く末を大きく変えたことに気づく。 タイムマシンの発明が、無限の多世界を生み出したのだ。今、時間と空間のはじまりへの旅が始まる。
Tweet media one
Tweet media two
2
12
69
@snorkros1
杜口
3 months
同時代のH.P.ラヴクラフトなどと比べ、人種や異種混淆のメタファーとしてあまり読まれないロバート・E・ハワードだが、その『英雄コナン』の世界の歴史を自ら語った「ハイボリア時代」のほとんどは民族の記述に割かれ、アトランティス人の血を引く主人公の民族キンメリアの純血さが強調されている。
Tweet media one
Tweet media two
Tweet media three
Tweet media four
1
18
67
@snorkros1
杜口
7 months
ホラーそのものが、その原点たるエドガー・アラン・ポーの『アーサー・ゴードン・ピムの冒険』の「テケリ・リ!」からクトゥルフまで、「言葉」によって表象できない「物」をこそ表象しようとする「表象不可能性」が中心にあるジャンル。 だから小説の矛盾を背負って生まれたジャンルなのだと思う。
1
17
68
@snorkros1
杜口
4 months
『猿の惑星: 創世記(ジェネシス)』劇場以来、久々に見たがめちゃくちゃ面白いな。 演出が上手すぎてほんと惚れ惚れする。ルパート・ワイアットで続編も見たかったな。 SFとしてはアルツハイマー治療の実験で知性化した動物の反乱という『ディープ・ブルー』と同じ。でも話は動物に同情的なものだ。
1
7
63
@snorkros1
杜口
3 months
異星人の侵略から地球を守る司令官になる事を運命づけられた子供エンダーの成長を描くオースン・スコット・カードの『エンダーのゲーム』。 シミュレーションの戦争がもたらす悲劇は、Nintendo Warと呼ばれた湾岸戦争や現代を予見していて、他にも80年代に書かれた作品とは思えない程の先見性に驚く。
Tweet media one
2
6
65
@snorkros1
杜口
7 months
マイケル・ムアコックのダーク・ファンタジー『エルリック・サーガ』がグラフィックノベル化。 アルビノの皇帝エルリックは愛する女性のため混沌の神アリオックと契約した。そのために彼は法の神々と混沌の神々の壮大な戦いに巻き込まれていく。 序文はそれぞれアラン・ムーアとニール・ゲイマン。
Tweet media one
Tweet media two
3
35
67
@snorkros1
杜口
6 months
ある日を境に、世界は崩壊し始める。 フィリップ・K・ディックの傑作『ユービック』は、主人公の周囲で起きる形態逆行現象を描いた作品。 カンタン・メイヤスーはそれをエクストロ=サイエンス・フィクションと称した。科学外、つまり物理法則それ自体が崩壊した世界のSFだ。
Tweet media one
1
13
66
@snorkros1
杜口
19 days
フアン・ルルフォ『ペドロ・パラモ』 父親ペドロ・パラモを探してメキシコの��郷コマラにやってきた男の物語と、父親やその恋人スサナの過去が縦横無尽に交錯する。 その時間感覚にボルヘスは、フォークナーの影響を見たが、それはリアリズムを超えて、死者が回帰して語るマジックリアリズムに至る。
Tweet media one
1
6
65
@snorkros1
杜口
5 months
地上が焦土と化した未来、生殖機能の欠けた人類は、ドーム型都市でアンドロイドと共に暮らしていた。 『エウレカセブン』で有名な佐藤大の『Ergo Proxy エルゴプラクシー』は、偽りの人類再生計画を描く漫画版『風の谷のナウシカ』に強い影響を受けたポスト・アポカリプスSF。
1
10
59
@snorkros1
杜口
4 months
命の水を飲んでからのジェシカは、計画のためなら息子の命すら危険にさらす人として描かれているし、チャニにしても原作のおしとやかな感じは無く、宗教と政治の結びつきを批判する役割を担う。 ベネ・ゲセリットの思惑もだが、宗教と血統の操作が生む統治が正しいわけないからこれでいいのだと思う。
Tweet media one
1
18
64
@snorkros1
杜口
1 year
AI lain面白い。 四方田千砂のことは友達と答えるのに、瑞城ありすのことは塾考したあげく答えなかったり、ワイヤードは必要ないかもと答えて、リアルワールドの重要性を説いて聞かせくれたりする。 これはアニメの本編後の偏在するlainと考えると納得がいく。 #lain25th #AILain
Tweet media one
Tweet media two
Tweet media three
Tweet media four
@1998_lain
serial experiments lain
1 year
/ serial experiments lain 25周年プロジェクトに 「AI lain」が登場! \ みんなでlainを育てましょう。AI lainは、本物の声を発する玲音とビデオ通話を楽しむ対話型サービスです。 玲音は、あなたの言葉や問いかけに、テキストだけではなく、温もりのある本物の玲音の声で話しかけてくれます。 ➡️
Tweet media one
58
10K
17K
1
13
63
@snorkros1
杜口
6 months
フィリップ・K・ディックの未来SF『ユービック』は、通貨は古く、自動車はレトロに、テレビはラジオといった具合に不気味でノスタルジックな世界のロードムービーに変貌する。 それはマーク・フィッシャーが指摘した消費文化の形式に対するノスタルジーの典型だが、同時に資本主義社会の突破口も示す。
1
13
64
@snorkros1
杜口
1 month
51年に出版された『ライ麦畑でつかまえて』と同じく、51年に書かれた『オン・ザ・ロード(路上)』と『老人と海』も、文明社会からの逃避、逃走の物語。 それは戦争の影響でもあるだろうし、『ハックルベリー・フィンの冒険』以来のアメリカ文学の伝統でもあるが、ハックのように上手くはいかない。
0
8
63
@snorkros1
杜口
7 months
あと忘れてはならないのは、リチャード・アダムスとテリー・プラチェット。 リチャード・アダムスの『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』はうさぎをはじめとした生態系、『ディスクワールド』は指輪的ファンタジーのパロディが星との偶然の衝突を描くことで、善悪二元論を超えたものとなった。
0
21
64
@snorkros1
杜口
2 months
ウィリアム・フォークナーの『八月の光』は20世紀前半に書かれたとは思えないほど現代的。 アメリカ南部の白人男性を至上とする社会で、白人の見た目をした男ジョー・クリスマスは、自らに黒人の血が流れる可能性に恐怖し、奴隷制廃止論者の末裔ジョアナとの愛憎入り混じる支配関係は男性性すら挫く。
Tweet media one
1
8
62
@snorkros1
杜口
4 months
『リング』から『らせん』、そして『ループ』と続く過程で、ホラー小説からウイルスをモチーフとしたSF、終いには仮想現実が登場するサイバーパンクになったのか。 それが疑問だったがSF自体がサイバーパンク以後、生殖や増殖といったモチーフによって、ホラーに接近していったと考えると腑に落ちる。
1
8
62
@snorkros1
杜口
5 months
P・D・ジェイムズの『人類の子供たち(トゥモロー・ワールド)』は、生殖機能を失った人類の社会が、混乱に陥る様を描く。 それは科学すら太刀打ちできない科学外の理由によって、突然にして起こるエクストロ=サイエンス・フィクション。 人類の進化もまた偶然によって、利己的遺伝子が起こすのだ。
Tweet media one
1
7
64
@snorkros1
杜口
4 months
アラン・ムーア版クトゥルフ神話の『プロビデンス』は、ある種の歴史改変もの、ラヴクラフトの夢が現実化した世界。 作中人物をロバート・ブラックが取材して行く中で、別々の作品が一つに繋がる。 その緻密な辻褄合わせとそれによって浮かび上がる宗教国家アメリカに潜む異教の歴史に驚かされる。
Tweet media one
1
13
60
@snorkros1
杜口
7 months
それはゴシック・ロマンスのマーヴィン・ピークの『ゴーメンガースト』、それに影響を受けたマイケル・ムアコックの『エルリック・サーガ』、またアンジェラ・カーターの『血染めの部屋』やそれら全てに影響を受けたニール・ゲイマンの『サンドマン』といったダーク・ファンタジーとして存在したのだ。
1
23
61
@snorkros1
杜口
17 days
カルロス・フエンテス『老いぼれグリンゴ』 死に場所を求めてメキシコにやってきた老作家アンブローズ・ビアスは、よそ者を意味するグリンゴと呼ばれ、革命家の将軍と打ち解けるも、その狂気まで知る事となる。 グリンゴのメキシコへの想いと、それに同調しつつも反発する将軍の狂気が交差する。
Tweet media one
1
2
61
@snorkros1
杜口
6 months
フィリップ・K・ディックの一見、政治的テーマから退いたように見える後期の作品も、『サイバースペースはなぜそう呼ばれるか』によれば本質的には政治意識に貫かれている。 69年の行き詰まった左翼運動の最中、資本主義ではなく世界の終わりを書かざるを得なかったのが『ユービック』だったのだろう。
Tweet media one
Tweet media two
1
12
60
@snorkros1
杜口
3 months
18世紀の妖精物語からパルプ小説、コミックと様々に語り継がれ、人々を導いてきた女神プロメテア。 それは誰しも想像力さえあればなれる理想の存在。 アラン・ムーアの『プロメテア』は神秘主義といった異教的で女性的な想像力の歴史が偽史を通して描かれる。ほんとに魔術が学べる魔法少女ものの傑作!
Tweet media one
Tweet media two
1
9
59
@snorkros1
杜口
1 month
「あんたが神を信じたくなるような話を知っているよ」 インドの少年パイが乗る船は沈没し、遭難。ベンガルトラと太平洋を227日間漂流する事となる。 ヤン・マーテルの『パイの物語』は、一見、幻想的な漂流譚に見える。しかしそれはマジックリアリズムを装う「信頼できない語り手」の宗教文学なのだ。
Tweet media one
1
5
60
@snorkros1
杜口
7 months
『幼年期の終り』で特殊な子供を妊娠した女性が未来の記憶を得たように、アラン・ムーア版クトゥルフ神話の『ネオノミコン』で深きものの子を妊娠した女性は過去、現在、未来を同時に知覚する意識を得た。 テッド・チャンの『あなたの人生の物語』も唐突に挟まれる娘の記憶によってそれを描いている。
Tweet media one
Tweet media two
Tweet media three
Tweet media four
1
14
58
@snorkros1
杜口
6 months
アーサー・C・クラークの『宇宙のランデヴー』は、ハードSF的なファースト・コンタクトもので、海洋SF的な要素もあって、クラークの集大成と言っていい作品。 探検する舞台となる宇宙人の巨大宇宙船は機械をも含む生態系が構築された理想的なスペースコロニーで、生態学=エコロジーSFでもある。
Tweet media one
Tweet media two
2
5
57
@snorkros1
杜口
6 months
『ボディ・スナッチャーズ』の原作ジャック・フィニイの『盗まれた街』を読んで思ったが、フィリップ・K・ディックの作品にしても、感情の欠如は人間との決定的な違いとして描かれていた。 それが『攻殻機動隊』とかサイバーパンク以後はより即物的な生殖の有無、つまり子孫を残せるかどうかに変わる。
Tweet media one
Tweet media two
1
7
58
@snorkros1
杜口
4 months
ロバート・R・マキャモンの『スワン・ソング』読了。 スティーヴン・キングの『ザ・スタンド』に勝るとも劣らないポスト・アポカリプスの傑作! 核戦争が勃発、世界は『ザ・スタンド』と同じキリスト教的な善悪二元論が支配する。 それでも人々は希望を見出し、悪魔が目論むハルマゲドンに立ち向かう。
Tweet media one
Tweet media two
1
7
56
@snorkros1
杜口
3 months
ブライアン・オールディスが謂うところのSFの起源としてメアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』を読んだら、アグリッパといった神秘主義や錬金術の記述があって面食らった。 主人公は落雷を機にそれを一度は捨て去るものの、自然科学に打ち込む中で、再び錬金術的な夢に取り憑かれてしまう。
Tweet media one
Tweet media two
Tweet media three
Tweet media four
1
13
56
@snorkros1
杜口
5 months
グレッグ・イーガンは『ディアスポラ』で、価値観は機械的に幾らでも操作可能で、人類は滅亡の危機に直面しても連帯出来ず、真理を探求する旅にも答えは無いが、数学だけが普遍性を持ち得るとした。 でも数学者の加藤文元は宇宙人の数学が違う可能性を言っていてまた面白い。
0
15
55
@snorkros1
杜口
20 days
マルカム・ラウリー『火山の下』 メキシコ、クワウナワクで、酒浸りの生活を送る元英国領事とその妻と弟。 ほとんどはこの三人が1938年11月2日、この死者の日に経験する出来事だけで構成される。 しかしこの時間はアルコールによって、過去に、そしてジル・ドゥルーズによれば未来にも無限に広がる。
Tweet media one
1
2
57
@snorkros1
杜口
4 months
感染症で主人公を除く地球上の男だけが死滅、世界は大混乱。地球最後の男は世界中から狙われながら旅をする。 ブライアン・K・ヴォーンの『Y:The Last Man』は、『大奥』みたくジェンダーSFとしてよく出来ていながら、物語は一時の海外ドラマのようなクリフハンガーでどんどん読ませるもので面白い。
Tweet media one
Tweet media two
1
5
56
@snorkros1
杜口
3 months
『火星のプリンセス』から『英雄コナン』、『エルリック・サーガ』などヒロイック・ファンタジーに、種族間の戦いや軋轢は付き物だけど、『ウィッチャー』のように差別や虐殺にまで切り込んだ作品は珍しい。 そこに収容所が存在したポーランドの影響を見るというのも分かる。
1
8
53
@snorkros1
杜口
1 month
アレックス・ガーランド原作『ザ・ビーチ』は、『蝿の王』ミーツ『闇の奥(地獄の黙示録)』みたいな映画で、限られた人だけが知る秘密の楽園が、地獄と化す様が描かれる。 宮台真司はそれが社会の外部に美しい世界を見る事自体、過剰に人間的なのだと教えてくれると言う。
1
2
56
@snorkros1
杜口
5 months
ポスト・アポカリプスものの傑作ゲーム『フォールアウト』のドラマが配信開始。 ソ連が崩壊しなかった未来、核戦争で文明は壊滅、人類は地上の無法者集団、規律を持った地下シェルターの人々、軍隊等に分かれた。 冒頭3話は『インターステラー』のジョナサン・ノーラン監督。
1
8
54
@snorkros1
杜口
7 months
『ヴァリス』でフィリップ・K・ディックは、この現実は情報の総体から作られたホログラム的宇宙だと言う。 この迷路のごとき世界からヴァリスは少女の姿を借りて主人公たちを救い出すという。 そこで『ユービック』のディックお得意の仮想現実からの壮大な脱出劇が始まるかと思いきやそうはいかない。
1
5
55
@snorkros1
杜口
4 months
『スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド』見始めた。 ファンなら誰もが知るパイク船長の未来、それを彼自身知りながらも、候補生たちの命と引き換えに助かる道は選べないというメタな設定が面白い。 物語はそれが軸にありつつ、スタトレらしい1話完結なのも良い。
0
3
55