倉数茂 「再魔術化するテクスト ──カルトとスピリチュアルの時代の文化批評」文学＋WEB版で連載中
@kurageru
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小説家。第一回ピュアフル文学賞、第一回文学しゃべるの会文学賞。日本SF作家クラブ、変格ミステリ作家クラブ会員。視聴覚文芸部。BFCファイター。マイクロノベリスト。『忘れられたその場所で、』。東海大学教員
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文学＋ウェブ版で連載をさせてもらうことになりました。カルトや陰謀論のような広い意味での宗教的なものについてフィクションの分析を交えて考えていくつもりです。＃宇佐見りん ＃チャールズ・テイラー ＃世俗化 ＃陰謀論 ＃依存症
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学生と話していると、今の若い人がどれほど禁欲的に他者の内面に踏み込むことを悪と感じ、忌避しているがわかって驚くことがある。恋人がいないというのもこういうスタンスと関わりがあるだろう。
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今の人見てると「ルッキズムよくない」という考えと「水準以上の美と身だしなみがないと死ぬし殺されても仕方なし」という感覚を両立させていて怖い。
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自分は小説家だから、桐島の保険証がどうなっていたかなんてことよりも、長年土木作業員として働きながら何を考えていたのか、周囲に人間関係はあったのか、自分のポスターを見ると何を感じたか、最後にどうして自分の名前を取り戻そうと思ったのかに興味がある。
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水原希子に日本人じゃないのに口を出すなと言っている人は、なんで同じことをケント・ギルバートに言わないの？
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ちょっとどう対したらいいのかわからないすごい文章。
統一２世（？）の手で、おぞましい教団の秘史が詳細に、そして文学的に記されている。
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付け加えておくと、他者を心理的に侵犯しないよう常に気を遣うというのは、優れた倫理的態度だと思う。ただ、それだけでは人間関係は進展しないとも感じてしまう。ここで内面に踏み込むというのは、相手の「本心」を知りたがるとか、相手の言葉に強く異を唱えるとかいったこと。
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『スキップとローファー』とか『違国日記』とか現代ではある種の漫画（少女漫画の系譜の青年漫画）は暴力にも性愛の力にも頼らず、いかに他者とコミュニケートし合意形成するかの教科書の役割を果たしているのだろうという思いと、こんなん読んで理解できるならすでにエリートだろうという思いが湧く。
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すげえ。インタビュアー泣かせだ。でもインタビューってどうしても「いい話」にまとめられがちなんで、ここまで振り切られると気持ちいい。あと遠野さんのフィギュア欲しい。
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「いのちの輝き」という万博テーマから言っても、ミャクミャクが戦闘やめろと主張するのは理にかなっているのでは。
【発見】ミャクミャク像に「FREE PALESTINE」の落書き 大阪市
万博推進局によると、落書きはミャクミャク像の口に黒い文字で書かれていた。落書きには紙を貼り、今後、補修方法を検討するという。担当者は「落書きも器物損壊にあたり、許されるものではない」と話した。
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なぜこう思ったかというと、授業である小説を読んでいて、恋人の「内面」を知ろうとするのは暴力ではないかという意見が出たから。なるほど、そう感じるのかと。恋人ともジェントルな距離を保ち続けるということかと。
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宗教２世当事者の本を数冊読んだけど、脱会したあともこれまで馴染んできた善悪二元論、単純な二分法から抜けられず、現実がグレーゾーンばかりであることに混乱し不安になるということは皆言っていた。
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これは本当にそう思う。そして、共産主義が設計主義であるゆえに「悪」が政府の強権に集約されて現れるのにたいして、複雑でアドホックなシステムのツギハギである資本主義では、「敵」の姿がはっきり見えない。だからいつでも「悪者」探しが行われ、煽動と炎上が常態になる。
資本主義が共産主義に比べて失敗していないように見えるのは、資本主義の失敗は、戦争、不況 (depression) 、テロリズム、病気、貧困等の多数の別名で呼ばれるからなの！
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自分はそういうスタンスにある種のリスペクトと愛おしさを感じるけど、でも孤独な道だよな。
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昨年映画『花束みたいな恋をした』が話題になり、ヒットしたのは、マイナーな趣味を介して男女が一切の暴力性と無縁に通じ合い、心と体がつながるという奇跡のような事態を描いていたからではないだろうか。性欲からも暴力性が浄化され趣味こそが愛を生む。サブカル者のユートピア。少なくとも前半は。
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バイデンすごいな。本当に第二のルーズベルトを目指しているようだ。「全市民に2年間、コミュニティー・カレッジでの無料学習機会提供（1090億ドル）
全国的な傷病・介護休暇事業に2250億ドル。この実施によってアメリカの同事業は他の先進国並みに」
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うふふ、殿方のお話って本当に勉強になりますわ、と微笑んだ後、かぱっと顎が外れて火炎放射するロボットを作ったらいいと思う。
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ここ数年、優生思想に基づく犯罪が目立つようになってきたのは、歪んだテクノクラート主義（物事は善悪ではなく合理性に基づいて判断するべきという考え）の蔓延の現れだと思う。それは社会を高みから自由に設計・操作できるというエリート主義の一変種だ。
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これまでの人生で「名付けの力」のようなものをはっきりと実感したのは1993年、当時勤めていた会社で上司が部下の女性のお尻を触るなどの事象が存在していたのだが、おそらく当時テレビによく出ていた田嶋陽子経由で「セクハラ」という言葉が浸透した途端、
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これは文学系の大学教員なら同意してもらえると思うけど、今の「本好き」を自認する高校生に、好きな作家や作品を尋ねると、「ちょっと覚えてません」という返事がそれなりの割合で返ってくる。読書もサブスク化しているというか。
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女子社員がその行為を明白な「社会悪」として糾弾するようになり、行為は消滅した。わずか3ヶ月程度で目の前で権力関係が書き換えられる場面など滅多に見られるものではない。数年後大学院で「社会構成主義」という概念を学んだが、あれのことかと深く納得した。あと、田嶋陽子は偉大。
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「認知能力が高い人ほど、また、高い教育水準の人ほど、むしろ人間の善良さを信じているという結果になっていました。さらに、ドイツ社会経済パネル調査のデータからは、斜に構えた人間観を持っていた16-18歳の男女は、数年後に受けた認知テストでの成績が低かったという結果」
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石丸の「論破系」スタイルが若者に受けるという意見はなるほどとは思うが、現実の若い世代はとてもお互いに「論破」しているようにみえないし、実際にやったら一気に嫌われると思う。普段人間関係に気を遣っているからこそ、ネット内の「論破」にスカッとするということなのか。
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「事件を起こした24歳の男は「仕事に失敗したくらいで」と言える社会を、一度も経験していないのである。仕事に失敗し、自分の目の前のレールから逸れてしまえばそれでおしまい。レールのスペアは存在しない。彼らが認識しているのはそんな社会なのである。」
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レッドブルの広告は「くたばれ、正論」の後に「、Will、月刊Hanada」と続ければ完璧だったと思う。
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最近つくづく思うのは、現代社会は言語機能優位者が得をするようにできているということ。かけっこが早いと威張れるのは小学生まで、ダンスが上手いと人気者になれるのは高校まで。それ以降はほぼ言語・記号操作の能力が評価に直結する。勉強もそうだが、それは一部でしかない。
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83歳が85歳に現金200万円て、どんだけ爺さん達の間だけで金が動き、物事が決まっていくのかJapan。高橋容疑者は78歳だし。
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今の若い人と話していると、ジェンダー多様性のようなリベラル的価値観は完全に身体化しているが、それが政治的言説となると異様に忌避するという不思議な現象があるなと思う。
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自分はオールドタイプの映画ファンなので、見たいのはスクリーンで流れている「時間」なのだ、そして今の映画のほとんどに「時間」はなくて、見せられるのは「事件」だけなんだと思ってしまうのだが、これは小説から描写が消えていくのと同じ問題。
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バッハ会長「犠牲を払わなければ」
コーツ委員「菅首相が中止を求めても大会は開催される」
パウンド委員「アルマゲドンが起きないかぎり大会は開催」
悪の組織っぽさが大抵のアニメを超えてきている。
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日本の韓国文学受容と真逆でおもしろい。「韓国の文学作品に目立つ、社会や政治に対する強い問題意識が苦手です。若者たちの間では“小確幸(ソファッケン)”という言葉が流行しています。」「若い日本人作家たちの『ヒーリング小説』と呼ばれるジャンルが人気を集めています。」
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堂の入った保守派ぶり。新スター誕生か。「差し迫る国難を見据えなければならない時代に、右か左か敵か味方かをインスタントに判断して両極端に分裂したがる安易な分断現象をこのまま放置していてよいとは私には到底思えない。れっきとした国家の脆弱性だろう。」
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まあ「文学」は権威を失い、マイナーカルチャーになることで色々背負っていたものを捨てて身軽になったんだよな。詩や短歌に再び脚光が当たっているのもそういうことだと思う。もともと文学はアートや漫画や映画と比べても、お金がかからず、一人でやれるという意味でも、小回りのきくジャンルだった。
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まったく同感。陰謀論が拡散するのは、ジャンクであり、記号的であり、整合性がないから。作家やクリエイターがジャンクに対して優れた物語を、というのは空を斬っている感がある。「優れた物語」というのは、複雑で解読に努力を要するからウイルスのように爆発的に広がったりはしないんです。
95年に村上春樹は地下鉄サリン事件で「ジャンクな物語」に打ち勝てなかった小説のあり方を嘆いたし、97年の神戸連続児童殺傷事件で村上龍は破壊だけしてあとに何も残らなかったと嘆いた。でも結局、われわれは「ジャンクな物語」をより一層ジャンクな形で消費し続けてる。その最も極端なのが陰謀論。
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努力して知名度を上げていくアイドルを「推す」という文化と、自己啓発には同根の部分があるのではないか、という話題が昨日ある会合で出たのだけど、結構重要な論点かと思う。自助努力を外注化しているという話題にもなったけど、自分はもう少し切実なものがあるような気がする。
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RT ライスさんの、『ラ・ラ・ランド』と『花束みたいな恋をした』の比較の話、興味深い。構造としては同じだが、アメリカでは過酷な競争と半端ない努力が前提になっているのに、日本ではぬるま湯のような憧れと挫折が描かれているところに特性があるということか。
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理屈の左翼、情けの右翼だと思ってきたけれど、SNS上にいる右翼から全然そういう温かみは感じないな。経済合理性を超えて、地元愛を支持できなくて何の右翼か。社稷って言葉知ってるか。
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最近80年代から90年代前半の邦画をよく見ているのだが、それ以降のように謎の美少女信仰や女子高生に対する思い入れがなくて良い。女子高生も男子高校生と同様の無軌道でケッタイで野蛮な生き物として出てくる。
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自分も下読みですごいと心底思った作品と出会ったことがある。延々と終わることのない海辺の光景。波や水平線や空の描写が抽象的な思弁と絡み合う。ストーリーも語り手もない。視点も判然としない。その時、「人間」が出てくることが「小説」の最低条件なのだと初めて気付かされた。
一回だけ下読みのバイトをやったときに、〈誰も書いたことのない小説〉と幾篇か出会った。それは芸術と呼べるものに違いなく、そして小説ではなかった。句読点を一度も見かけない長篇、マジなのか狙いなのか判断できないほど滑稽な展開。未踏の地に赴く作者の後を、読者が付いていけない作品群だった。
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村上春樹にしろ、しばらく前に話題になった『男はつらいよ』にしろ、当時の受容の文脈はきれいに忘れ去られ、勝手に現代の価値観で非難される（あるいは評価される）ものだとつくづく思う。
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偽装生活の中で、どんな本を読んでいたか、映画を見に行くことはあったのか、どんな音楽が好きだったか。
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>RT 「ロンドンではシェイクスピア、北京では李白が引用されて」いたのに日本では、という呟き。TOKYOではドラクエ序曲だったところに、日本の、より狭義には第二次安倍政権のクールジャパン戦略のセンスがあると思う。
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都民の９割以上は最初からそんなゲームに参加してないけど。
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すごいな、これ。「休業要請に応じた経営者らが国に損失補填（ほてん）を求める可能性もあり、首相周辺は「一晩で何百万円と稼ぐ銀座の高級クラブにまで補償はできない」と漏らした。」
自分が付き合ってきたホステスを基準に考えんじゃねーよ。
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これは本当にそうだと思う。若者が思い入れられる場所がない。早くに結婚して、ファミリーバンで休日にモールに行く以外の将来像を描けない。そういうのに馴染めない若者は外に出て行ってしまう。
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鈴木大介『ネット右翼になった父』読了。晩年ネトウヨ的言動をとるようになった父親を看取ることになった著者が、なぜ父がそのように変わっていったかを悲しみとともに振り返る内容なのだが、結論はむしろ「ネトウヨ」というラベリング自体の粗雑さに気がつくというもの。
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しかしこれからは時給９５０円のバイトに申し込むときに「犯罪に加担するお仕事じゃないですよね」と確認するリテラシーが求められるのか。恐ろしい時代だ。
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ロシア・プラウダのウェブ版をGoogle翻訳してみたら、西側ニュースサイトの鏡面像みたいになっていて震えた。逆さまの世界。
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おもしろい。「フィクションは表象ではなく、行為や出来事が現実の内側に畳み込まれることでフレームが発生し、再帰構造が生まれるような行為や出来事であると、ぼくは考える。」
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昭和軽薄体がおもしろかったのは、どうでもいいことを大真面目に論じていたからだと思う。東海林さだおなら立ち食いそばの具について延々と考察するとか。もちろんそれは「あえて」の馬鹿馬鹿しさだったので、今は誰もそれを馬鹿馬鹿しいと思ってないから。
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自分も韓国現代文学の翻訳が次々に出るようになってから読み始めた浅いファンなんですが、韓国の小説を読んでいて一貫して感じるのは、ある種の真面目さ、真剣さ、誠実さなんですよね。斜に構えずに、歴史や社会や個人と向き合う。それでいて仰々しくはならない。
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エンタメでは生々しい政治や社会問題を扱わないでほしい、なぜなら現実ですでに疲れ切っているので、余暇ぐらい絵空事のほんわかした世界で休ませてほしい、という人はいるし、その気持ちもわかる。ただその声に応えすぎて、現実を取り込んでなおかつ面白いという活力を失ってきたと思う。
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これはあるあるだけど、本を通して自分の悩みや人生を打ち明けたい、そして人と繋がりたいというニーズを掬い上げるのは読書会の大切な機能だろうと思う。
本屋カフェみたいなところで店員さんに誘われるまま読書会に参加したことがあるんだけど（ちょろい）、みんな本に書かれていることではなく、連想ゲーム的にそこから自分の趣味や生き方や人生観や理想のなにがしについてわちゃわちゃ語って終わってしまい、
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至言だな。「能力や価値といった観念は相手のことを十全に知ることを節約するための道具であり、それゆえ今日の資本主義社会のようなせわしない条件においてこそ重宝される」
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『精神分析の歩き方』（山崎 孝明）という本を読んでいたら、現代は「解釈」に敵対的な社会なのだという面白い指摘があった。引用すると「他者の体験を解釈することが二重の意味で許され」ない社会。「専門知に基づいたエビデンス」至上主義と「体験に基づいた当事者」の両方から解釈は拒否されると。
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パンクスと社会人の両立。とても面白かった。表現が「職業」として成り立つ可能性がどんどん下がっている現在、この人は先駆的だったと思う。「「自分の人生、最後に楽しかったかと思えるかどうか。『俺はパンクやっててよかったのか？』みたいなことになるでしょ。」
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昔は普通のサラリーマンの家にわりとあった教養財（百科事典とか文学全集とか毎日届く新聞とか）がなくなり、教養への圧力（大学生なら岩波新書読むよね、とか）も減少した一方、自己啓発界隈ではかえって「教養」が神話化さ��ているように見えなくもない。
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五輪に関連する電通・博報堂などの不正、誰かが言っていたけど、どれほどスキャンダルが起きても売り上げは下がらず、企業としての屋台骨はゆるぎもしないらしい。つまりこれらの企業はもはやPRが本業ではなく、各業界の有力者を繋ぎ、政財界のハブとして利権と情報を循環させることが仕事なのだろう。
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カルトの離れがたさというのは単なる「信仰」の問題ではなく、何十年も鋳型にはめられて、それ以外の環境に適応できなくなるという部分がある。ただでさえ、人間関係や経済面で孤立するのに。
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こういう地域社会で信頼される大人として生きるという人生が全くポジティブに語られなくなってしまったのが辛いところ。こういう人たちが草の根で保守的価値観を支えているのだという言い分もわかるにしても。
「努力が報われるなら、なぜ誰もが大谷翔平になれないのか」みたいな話がありますが、凡人なりに地道に努力すれば大抵は地元の草野球チームの顔くらいにはなれるもので、これは凡人にとっては割に重くて栄誉ある肩書だったりして、こうした努力せし凡人の一群によって地域社会とは支えられてるのです。
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ちょっとずれたことを言いますが、自分は大学の授業でよく学生に書評を書いてもらうんですよ。課題：好きな本を選んで、2000字の書評を書く、という風に。正確さ、要約力、調査能力、論理性、読者が知りたい事は何なのかを考えるマーケティング力などを訓練するのに書評ほどぴったりなものはないから。
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すげえな、間テクスト分析。ポップソングに対してもこんなふうに分析できるんだと知らなかった。優れた曲というのがこういうふうに作られているのかとわかってむちゃくちゃ面白い。原曲もよく練られてるが、それを読み解く批評もすごい。
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自分も音楽に関しては流れてくるものを楽しんでいるだけなので、あまり非難はできない。とはいえ、これはバルトの「作者の死」が真に大衆化したということだろう。作品は「環境」であって、特定個人の「表現」ではない。現代のサブカル資本主義の内部で生まれて育てばそうなるのは無理もない。
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葬式で何年も会ってない親戚や遠い知り合いが集まって故人についてエピソードを披露する。あれが弔いの本質ではないだろうか。死者を物語の繭で包み込むこと。
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信じられないこと
１）出版社の社長が自社で出した本の部数が少ないと作家を晒しあげる。
・ふつう編集者や営業は、一緒に作った本が売れなかった時「力が及びませんでした、残念です」というものだよ。もちろん同じことを作家は編集者たちに思っている。見城氏は作家ばかりでなく、自社の社員も
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中国で川端康成ブーム。「２０２１年に三島由紀夫が没後５０年を迎えた時も、やはり三島ブームが起こりました。しかし今回の川端ブームはその比ではありません。この差はかならずしも二人の作品の優劣といったようなことではなく、現在の中国の社会情勢に大きく関係している」
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自分なんかより遥かに詳しい人はごまんといると思うが、90年代までサブカルというのはアナキズム的で反政府、反権威がデフォルトだったのに、いつの間にか社会運動や体制批判を嗤うのが基調になってしまった。これをサブカルチャーの「宝島社的転回」と名付けたい（笑）
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ビリギャルの人、もう何を言っても叩かれる段階にきている。しかし、後続のツイートを読むと、「努力できるか」は実は周辺の環境が大きいと真っ当なことを言っている。そしてそれに、環境を家庭に限定するな、むしろ社会的階層的観点から考えろと（やはり真っ当な）批判がついている。
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メリトクラシーの弊害として、「頭の良さ」の物象化というのがあるよな、と。知的優秀さは特定の領域と結びついているのであって（例えば数学者が社会の仕組みに詳しいとは限らない）、抽象的普遍的「賢さ」というものはない。それが実体化されて、果ては話し方やルックスにまで反映されると思い込む
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日本でも、例えば１８以上の成人全てに二年間、好きな分野の大学や専門学校で学ぶ機会を保証したらどうだろう。資格取得を目指す人も、英会話を学ぶ人も、絵や音楽を勉強する人もいるだろう。二年間本気で勉強すればかなりのスキルが身につく。
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君が代を純粋なラブソングとして解釈できるということは、すべてのラブソングも天皇恋闕の歌として解釈可能なのではないか？
雨は夜更け過ぎに雪へとかわるだろう（→東京に稀な大雪が降った２２６事件当夜を思わせる）
サイレントナイト、ホーリーナイト（→青年将校たちの清らかな夜）
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もうマリオの話はいいと思うんだけど、自分が柳下毅一郎氏を立派だと思うのは、ご当地映画やら自主制作やらのほとんど誰も見ず、大抵の評論家も消化しきれない膨大なマイナー映画を見続けて、記録をとっているところ。
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やはり今度の事件は、民主主義への挑戦というのが的外れだとしても、カルトに人生を破壊された無敵の人の八つ当たり的暴走、というだけでも足りなくて、戦後政治の闇の水脈の露呈という観点は必要なのではないだろうか。
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社会は自由に設計でき、効率的に運営されなければいけないのだから無駄やバグはさっさと取り去ったほうがいい。問題はこういう考えが現実のエリートというより、一般人の間に広く支持されていることだ。
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90年代にはまだこういう「楽しいことだけして生きたい」と若者がしらふで言える呑気さがあったんだよな。そういう人たちが今の文化を支えている気がする。
90年代、ヴィレヴァン好きすぎて入り浸っていたんだけど、ある日、求人の紙が貼り出され、そこには
「仕事はキツくて給料は安いが楽しい仕事です！」
と書かれていた。
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考えてみれば今の人は就活、婚活、妊活、推し活、最後は終活と次々にいろんな○活をやらなければならないので大変だ。こうなったターニングポイントは「婚活」という言葉が登場したときだと思う。自分の世代だと、結婚は狙ってやるものではなく、恋人との関係の中でなんとなく決断するものだった。
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「日本肯定感」というのはさっき自分が作ったあまりセンスのない造語だが、確かに安倍ちゃんは、ファンにとっては耳元で優しく包み込むように「大丈夫、あなたは悪くない、悪いのは日本を肯定できない左翼、日本はまだ輝ける」と囁いてくれた人として映っていたと思う。
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クールジャパンとは、経済ではだいぶ取り残されてしまったけど日本のサブカルは世界を席巻していてSUGEE!という今ではだいぶ旬を過ぎた思い込みに基づいていて、80年代ごろへのノスタルジア（「日本を取り戻す」的な）や、40代50代支持層男性への目配せも混ざり込んでいる。
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気になることの一つが、この種のテクノクラート主義が男性のナルシズム的自己像と結びついているのかということ。冷徹かつ合理的なリーダーたる俺。最終的にはみんなを救う���。これは男性的自己自認（憧れ）の問題なのか。
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最初に売り飛ばされたEテレを追って総合は旅に出た。妹を知りませんか、賢くて子供に大人気の娘です。Eテレ恋しやほうやれほ。やがて大きな池のほとりに出た。水面を朝霧が覆っている。水底から聞こえるアルゴリズム体操の歌声に、Eテレを永遠に喪ったことを知って総合は膝をついた。＃マイクロノベル
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大学教員が経費でパソコン買うのはけしからん、と右寄りの人が噴き上がっているらしいので、このままでは教員はペンとそろばんで研究することになる。公募資格に要そろばん検定１級と書かれることになる。科学立国への道はかくも険しい。
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『シン・ウルトラマン』『シン・仮面ライダー』に共通すると思ったことがら。いわゆるセカイ系ということなのかもしれないが、どちらも社会関係から切り離された「目の前の人」への愛と、「人類全体」のことしか語っていなくて、すっぽり抜けたその中間の社会とか来歴とか自分の育った家族とかの領域を
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長谷川豊にしろ、落合・古市対談にしろ、そこにはタブーにも「合理的に」切り込む俺カッコイイ的な感覚があったと思う。そのような姿をスター的に崇める雰囲気があるからだと思う。
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カルトに持ってかれるのは真面目で信じやすい人という印象があるが、親が信者で幼年期から環境で育てば性格・能力に関わりなくその価値に染まる。社会の側で何らかの対応が必要。
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ジャニー喜田川の件、彼が異人（象徴的な意味で）であり、老人である、というのは、大きいと思う。アメリカからやってきた男（しかしアメリカから見ても彼はマージナルマンだ）が、野球を教えていた少年たちを気に入り、アメリカ流のショービジネスのノウハウで、少年たちの王国を作り上げる。
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『高慢と偏見』ももちろん「少女マンガみたい」だし。「『嵐が丘』を読んだとき「まるで少女マンガみたい」という若者が多いそうだ。鴻巣さんに言わせると逆で、日本の少女マンガが西洋文学のラブロマンスの影響を色濃く受けた結果になる。」
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そういうこともあると思うけど、むしろ一部のインテリがルッキズム批判を口にするのと、社会の全体的なルッキズムが同時に進行している感じがするのですよね。そしてインテリでさえ、太っていたり不潔だったり、だらしない醜い肉体を許容できない。しかし、肉体は本質的に醜さを内包しているものでは。
多分、SNSなどで「美しい」身体の表象が増えて、それに憧れるけど、自分はそうなれず、なろうとすると苦しく、自己嫌悪が高まる、というメカニズムだと思う（ルッキズムの内面化と、ルッキズム批判の両立）
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星野智幸は決まりきった言葉に人々が感染して、他者を排除するようになっていく不気味さをずっと書いてきた作家なので、驚くことはない。ありふれた町おこしが自警団に変質していく『呪文』など今こそ読まれるべき。
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「凪待ち」の何がすごいかというと、あれを見た後、プライベートの香取慎吾は絶対あの不機嫌でうつ気味のおっさんに違いないと信じてしまい、笑顔の慎吾を見るたび「お仕事、お疲れ」と思ってしまうことだな。
白石和彌監督作品 映画「凪待ち」が
毎日映画コンクール「TSUTAYAプレミアム映画ファン賞2019」受賞‼️
リアルなギャンブラーの姿を描いた良い映画でした。
香取慎吾さんの迫真の演技も胸に迫りました。
本当にめちゃくちゃうれしいです😊🍀㊗️
#凪待ち
#香取慎吾
#白石和彌監督
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「彼女たちに詳しく聞いていくと、多くは「父は戦争から帰って人格が変わり、ひどい酒飲みになって暴力を振るった」という話に行き着くんです。「むき出しの暴力性」とでも言えばいいのか。復員兵の家庭におけるDV・虐待は明らかに、その後の世代の家庭と質が違いました。」
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この本がおもしろいのは、「非モテ」を自認する男性が自分自身のささやかな「傷つき」を丹念に拾い上げているところ。これは「フェミ」によって傷つけられたとかいう大雑把な話ではなく、幼少期からの疎外感や自己否定を、遡ってゆっくりと編み直すプロセス。
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「知識が無いからこそ個性が生まれる」というのは基本的には子供っぽい議論だと思う。でも10代とかだと、そう言われると安心することはあるかもしれない。
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イメージも物語も言葉も、メディアを通してじゃぶじゃぶ水や空気のように供給される。YoutubeやTikTokなら基本無料。それを空気のように消費して生きる。それはそれで悪いことではないのだけど、自分が表現者の側に回りたいのならちとまずいと思う（勤め先はそういう志向の学生が多いので）。
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消費者にとっては空気でも、実際には誰かが汗水流して作っている。集団創作であれ、結局は個人の経験や思想や願望を素材に表現するしかない。とすれば、やはり一時期は傾倒する特定「作家」の内面に没入してみないと作品の成り立ちはわからない。
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授業で柄谷行人から直接聞いた言葉として、「君たちは、文学が大切だなんて思ってるだろうけど、人が文学なんて必要としないですむ世界の方がいいんですよ」というのがありましたね。
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昔、エホバの証人を脱会した知人（その時点では左派活動家になっていた）が、実は今でもこの宇宙に神はいないのだと思うとすごく不安になると言っていたのが印象的だった。
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「努力」と「ストーリー」というのが両者の共通点ではないか。「疑似恋愛」として始まった日本のアイドル文化は、徐々に「頑張る人」に自己同一化するという自己啓発的なものに変化していったのではないか。
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