田旗 浩一
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映像作家、映像ディレクターにもかかわらずラジオファン。90年代にはレコード・カヴァー研究家、ジョン・コッシュ研究者（）。「Tokyo Pictures」（1987）「Art on the Rock」（全26話）「澁澤龍彦 眼の宇宙」。旧作日本映画を中心に映活中。
東京
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「明治チェルシーの唄」安井かずみ作詞、小林亜星作曲のCMソングを初代シモンズからガロ、ペドロ&カプリシャス、南沙織、サーカス、八神純子、あみん、大貫妙子、アグネス・チャンetcが歌う爽やかなコンピレーション。
なかでは、シーナがちょっと異例だけど悪くはない。ほら、チェルシー🎶
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ずっと欲しかったサントリー、伝説のPR誌「洋酒天国」の昭和38年、59号を入手。
目玉は澁澤龍彦と加賀まりこの対談「まりことおじさま」。このとき澁澤は35歳でサド裁判の真っ最中。加賀は19歳、映画デビューから1年後。もうすでに、小悪魔・加賀まりこの「おじさまキラー」の腕が充分発揮されている。
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江波杏子さんは、あまり知られていないかもしれないが、芸能界きっての文学通で、よき澁澤文学ファンでもあった。
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青山真治『EUREKA』テアトル新宿。完全ノックアウト。シネスコでなければならない。217分でなければならない。その上、演出は何かに憑かれている。今更ながら一秒のムダもない青山真治の最高傑作。後半の中古バスの旅では泣きっぱなし。壁を叩く交流。宮崎あおいのEUREKA！と言葉の重さを噛み締める。
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シネマヴェーラで『さらば夏の光』上映後の岡田茉莉子さんと蓮實重彦さんのトーク。まず「芸者小夏」の話から始める蓮實先生、掴みは最高。充実したトーク。最後に全員を代表して、花束贈呈。その隙に、岡田茉莉子さんのほっぺにチュー💋さすがハスミン！
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これも昭和七年、1月の朝日新聞の明治チョコレートの広告。出演はなんとバスター・キートン。外国人俳優が登場する初広告かも？
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岡本喜八『斬る』新文芸坐。再見。仲代達矢からあのギラギラした目力を葬り去っただけでも大功績なのに、主役クラスから脇役クラスまで、そいつが映っている間は、そいつが主役と男たちはみんな皆光り輝いている喜八グルーヴ。音楽のような演出と編集、綿密な撮影、佐藤勝の劇伴、どれをとっても最高。
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あまり画質のことは言いたくないのだけど、映画界4Kブーム。それはそれで嬉しいが、せっかくの4K映画も、4Kがかからない劇場ばかりの上映。きのう観た4K映画も2K上映で、ぼんやりした甘い画質になっていて、がっかりした。
お願いだから、4K映画は4Kがかかる映画館でかけるようにしてほしい。
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鈴木清順『陽炎座』新文芸坐。自分が仕事として初めて関わった映画。45年ぶり。日活時代だったら撮影所で済ましただろう場面を全てロケセットで撮影している凄まじさ。特に子ども歌舞伎から大楠道代の人形振り、陽炎座崩壊、あの酸漿場面まで一気に畳み掛ける清順一流のスペクタクル。久しぶりに感服。
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中島貞夫監督がお亡くなりになった。
不謹慎かもしれないが、監督のセックスドキュメントシリーズ4本のポスターを掲載します。
全部、2019年のラピュタ阿佐ヶ谷の特集「驚異のドキュメント 中島貞夫ニッポンをえぐる！1968-1973」開催時に撮影されたものです。
ご冥福をお祈りいたします。
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山本暎一『哀しみのベラドンナ』NFAJ。七年前ヴェーラで観て以来。NFAJ所蔵の35mmプリントで観ると、まさに眼から鱗。虫プロのアニメラマ『千夜一夜物語』『クレオパトラ』の三作の中でもっとも傑作ではないだろうか。ともかく深井国の絵から喚起される力が本当にすばらしい。最強のフェミニズム映画！
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スピルバーグ『ウエスト・サイド・ストーリー』TOHOシネマズ。満足！リメイクは、元の映画をリスペクトしながら、本質をどう守り、表現や意匠をどう崩し破るかだと思うのですが、その意味では大正解。それにプラスしもうスピルバーグとしか言いようのないフレアにハレーションの光の演出の大盤振舞い！
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新文芸坐で黒沢清『蛇の道』『蜘蛛の瞳』。ヴェーラの黒沢特集で見逃していた黒沢×哀川翔二本を大スクリーンで観る幸せと恐怖。
『蛇の道』（傑作）廃工場を哀川と香川の二重の復讐の血の海に変える不穏の連続。
『蜘蛛の瞳』唐突な繋ぎとダンカンの台詞回しが北野映画のよう。大杉漣の長回しが最高！
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ぴあフィルムフェスティバルの＜アルノー・デプレシャン監督
『女囚701号 さそり』を語る＞ですが、チラシには書いてありませんが、デプレシャン監督とともに、梶芽衣子さんもゲストなんです！
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ラピュタ阿佐ヶ谷の唯一の不満は、上映終了とともに、すぐに客電をつけること。あと3秒か5秒真っ暗にしていてほしい。ところがこのところ、ゆっくり客電をつける映画に出くわす。映写室を覗いたら、女性の映写技師だった。
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名画座ファンにとって7月9日土曜日がとんでもないことになっているらしい。シネマヴェーラでは蓮實重彦講演つき『香り高きケンタッキー』のチケットが朝10時から発売。しかも、その日ヴェーラは「郷鍈治特集」初日で中原昌也さんと岡崎二朗氏のトークもある。その上、国立映画アーカイブでは11時15分→
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日活スターの再会から一週間。またまた清水まゆみさんのインスタ！
右からノート（香月美奈子）小ルリ（伊藤るり子）ちゃん、私（清水まゆみ）、礼子ちゃん（笹森礼子）、チイコ（松原智恵子）♡先日全部誰かわかった5人。大学のサークルに二人ミチ子がいた。一人は大ミチ一人は小ミチ。大ルリ小ルリ。
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恩地日出夫『めぐりあい』シネマヴェーラ。工員黒沢年雄と店員酒井和���子のうぶな恋愛を彩るような風景はどこにも存在しない。あるのは雑多な駅の構内、人混みの海水浴場、それぞれの貧しい家庭の抑圧。なのに武満徹作曲、荒木一郎作詞歌の主題歌が流れただけで宝石のように輝く青春映画に変わる傑作。
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シネマヴェーラの常連さんに必ず鼻出しマスクのおじさんが数人いて、ところがこのところ、ちゃんと鼻までマスクをしている。あれ？と思ったら、劇場スタッフが「マスクは鼻までお願いします」と注意を喚起しているのだった。ヴェーラ立派です。
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きのうレオス・カラックスが打ち合わせをしていたキノハウス1階のこのカフェは、かつてカフェテオという、カラックスの愛犬からとった名前のカフェでした。
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恩地日出夫『めぐりあい』
川崎工業地帯の朝。荒木一郎が歌う主題歌からキュンと胸が掴まれる。ダンプでの酒井和��子と黒沢年男の海水浴デートから、雨の中、勾配のある荷台から転がり落ちて、はじめてのくちづけを交わす場面でさらに胸が締めつけられる。すべてが、さりげなく瑞々しい傑作。
R.I.P.
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伴睦人『杳子』PFF。77年に科学技術館で公開されて以来、幻の映画と思われていた古井由吉原作、山口小夜子と石原初音の精神を病んだ姉妹の物語がリストアされて甦った。この時すでにトップモデルだった小夜子は、その後この映画について語ることもなかった。思うこと幾星霜。長生きはしてみるもんだ。
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須川栄三『君も出世ができる』NFAJ。12年ぶり。🎉ニュープリント！小3のとき、父親と湯沢東宝で封切りで観て大感激。それ以来この映画が頭から離れなくなった。黛敏郞×谷川俊太郎の最高の歌とダンス。衣裳デザイナー柳生悦子の最高の仕事。もう惚れ惚れ。エンドマークとともに場内大拍手。なんて幸せ！
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岡本喜八『大誘拐 RAINBOW KIDS』国立映画アーカイブ。再見。30代から婆優一筋、北林谷栄。このクソババアが映画に活気を与える。三人の若者が紀州の大富豪谷栄を誘拐する。「なに身代金5千万⁈ふざけるんじゃない！百億円取れよ」本人が誘拐団のボスになる。この反骨精神とユーモアが喜八と反響する！
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阪本順治『冬薔薇ふゆそうび』新宿ピカデリー。暴力よりタチが悪いものがある。嘘をつく事、約束を破ること。デザイナーの才能などある筈はない空っぽの主人公にはその程度の能力しかない。女は訴えればいいが、親はこの息子を信じるしかない。そこが切なく憐れ。素直にいい映画だったと言えない傑作。
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シネマヴェーラで黒木和雄『とべない沈黙』中平康『月曜日のユカ』間に加賀まりこトークショウ。歯に衣着せぬ加賀さんの話が愉快・痛快。撮影中も呑んだくれて寝てしまう中平康に代わって、斎藤耕一がほとんど演出したという話。加賀に夢中だった川端康成をおじいちゃん呼ばわり。さすがジジイキラー。
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「中原昌也への白紙委任状」
なんとポール・ニューマンの監督第一作でジョアン・ウッドワード主演『レーチェル レーチェル』が入っている！
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グレタ・ガーウィグ『バービー』TOHOシネマズ。唐突にバービーに突きつけらる死の概念。バービーワールドに出来た裂け目の修正に現実世界へ旅に出る定番バービーはマーゴット・ロビーにしかできない。完璧。ハイヒールかビルケンシュトックかを選択する物語でもある。バービー誕生の冒頭から場内大受け
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いやー久しぶりに旧作日本映画で驚いた！全国の佐分利信ファン、桑野通子ファン必見です。島津保次郎監督『兄とその妹』（1939年）今月12日に国立映画アーカイブで、もう一回上映があります。みなさん、ぜひ！
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山中貞雄『河内山宗俊』神保町シアター。4Kデジタル修復版。これまで何度も観ているのに改めて深く感動した。これまで観ていたのは何だったのか。耳をそばだてなくても、すんなり台詞が入ってくる。白飛びしていた長十郎や原節子の表情が手に取るようにわかる。物語のディテールがわかるとは、この事！
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五所平之助『愛情の系譜』神保町シアター。再見。夫と妻、父と娘の確執、愛憎を険しく美しく描かせたら天下一品の五所演出の凄腕を堪能。ドロドロでいながらピュア。クラゲ男、三橋達也に殺意を抱く岡田茉莉子の眼にピンスポが当たった演出も凄いが、高峰三枝子のずるい女実業家も見事。改めて大傑作！
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5月からのラピュタ阿佐ヶ谷・モーニングショー／昭和の銀幕に輝くヒロイン 浜美枝。なんとこれまで褪色したプリントしかなかった『砂の香り』がニュープリント上映❣️
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ド・ブロカ『リオの男』新宿武蔵野館。久しく劇場公開のなかった待望の上映。誘拐されたドルレアックをリオまで追いかけるベルモンドの最高の共演！秘宝を巡り舞台はリオからブラジリア、アマゾンまで転々と連なるアクションと洒落のめした場面の連続に酔う。すばらしいベルモンドの誕生日プレゼント！
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ラピュタ阿佐ヶ谷、次回特集「ORGASM的 偏愛ロマンポルノ」チラシ出来。
澤田幸弘『襲え！』も楽しみですが、エンちゃん的には、藤井克彦『レスビアンの女王 続・桐かおる』がオススメだそうです。傑作『オーガズム真理子』はニュープリント！小沼勝『輪舞』などとにかく観てない映画ばかりで期待大。
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とにかく映画の宣伝費がないので、タダでいろんな媒体に映画や監督のことを出さなければならなかった。自分が仕掛けたなかでは、いちばん成功した清順監督と山口小夜子さんのアンアンの対談。自分のブログに載せたこの写真はその後SNSで本当によく流布した。
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新文芸坐「追悼 鈴木清順 清順美学・その胎動期から開花まで」作品とスケジュール出てました。
「日曜恐怖シリーズ 穴の牙」が入っています。
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塩田明彦『麻希のいる世界』武蔵野館。細部を確認したくて一週間ぶりの再見。由希は麻希と出逢うため三度踵を返し三度振り向く。内部が見えない海辺の小屋は秘密の場所として『害虫』『風に濡れた女』と類似。小屋の鍵、ロッカーの鍵、自転車の鍵がこれほど重要なモチーフだったとは。究極の純愛映画。
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思いつくまま傑作バス映画十選。
清水宏『有りがたうさん』『明日は日本晴れ』
青山真治『EUREKA』
鈴木清順『8時間の恐怖』
杉江敏男『三十六人の乗客』
中島貞夫『狂った野獣』
ブニュエル『昇天峠』
イーストウッド『ガントレット』
本多猪四郎『こだまは呼んでいる』
五所平之助『雲がちぎれる時』
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『恋愛ズバリ講座』新文芸坐。上映後、近くの席から「くだらねえ」と呟く声あり。あなた新東宝映画を観る資格なし。天知茂、小畑絹子、池内淳子、三原葉子ら新東宝のスターたちが集まり、石井輝男らの実力派が演出したオムニバス艶笑譚がつまらない訳がない。渡辺宙明、八木正生の音楽も垢抜けて最高！
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これが、読んだときは、まさに眼から鱗の「勝手にしやがれ」川内康範=作説です。すばらしい検証。
「勝手にしやがれ」が明日から新文芸坐で上映されるので久しぶりに再投稿。「勝手にしやがれ」というタイトルは秦早穂子が名付けたと思っている人が多いと思うが、あれは当人が勝手に言っているだけで、川内康範が映画公開前年に週刊誌に連載した小説タイトルを配給会社が使用許可を買い取ったもの
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今井正『米』NFAJ。これまで観ていなかった事を大いに恥じた。霞ヶ浦、魚農村。自衛隊戻りの木村功と江原真二郎の女漁りと金稼ぎの話から急転直下、望月優子と中村雅子親子の生活苦の話に。美しく撮られた自然のロケーションに追い詰められた人々。更に芥川也寸志の音楽がハリウッドメロドラマの極致！
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何年か前、「なんの代表作もなく女優業七十七年」とおっしゃっていた。
豊田四郎の『小島の春』で「おばちゃん、さいなら」の名台詞で私たちを泣かせた名子役・中村メイコ。
上田としこが漫画にするほど人気だった「中村メイコちゃん」。
合掌。
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大島渚『天草四郎時貞』国立映画アーカイブ。大島渚が東映城に乗り込み創った失敗作というのが定説らしいが、いや立派な渚映画でした。そりゃ悲劇のヒーロー和製ジャンヌ・ダルクを目指した橋蔵には不満でしょう。けれど、橋蔵や大友柳太朗、丘さとみがあの暗いディスカッション映画にいるだけで興奮。
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映画『真田風雲録』から3年後の66年TBSで大型時代劇『戦国太平記 真田幸村』がつくられます。面白いドラマでした。今度は錦之助が真田幸村。佐助を松山英太郎、霧隠才蔵を演じた日下武史が最高でした。脚本は松山善三が途中で降板、早坂暁に交代。演出は渡辺美佐子の夫・大山勝美。残念ながら現存せず
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シネマヴェーラ「安藤昇特集」キノハウス前の駐車場や開場を待つ列にも、そちら方面の方たちがずらり。携帯で連絡取りながら「だいぶ並んでますね、一般の方が」。一般の方…。
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シネマヴェーラ香川京子特集で堀川弘通『翼は心につけて』志村敏夫『姫君と浪人』島耕二『上海帰りのリル』
ロビーでトークショーを終えたばかりの香川さんを見かける。お若い！なんと言っても溝口、小津、黒澤の映画に出ていて唯一まだご健在・現役の俳優さん。人間国宝にしてもいいくらいだと思う。
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片桐夕子さんの訃報。
片桐夕子さん主演の映画では『不良少女 野良猫の性春』がいちばん好きでした。
二枚目の写真は2015年4月、中川梨絵さんの店・来会楽にて。左から中川梨絵さん、片桐夕子さん、白鳥あかねさん。
私『嗚呼‼︎花の応援団 役者やのォー』にエキストラで出たこともあります。
合掌。
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シネマヴェーラに映画を観に来たら、キノハウスの前にレオス・カラックスさんがいたので『アネット』のチラシにサインしていただきました！
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久世光彦『夢一族 ザ・らいばる』神保町シアター。TBSドラマで育った自分にとって久世光彦という名前は後光がさしている。久世がある事情からTBSを辞め森繁の後推しで撮った映画。主演は森繁と郷ひろみ。久世組の常連が色とりどり応援出演している。テレビと映画はこんなに違うのか。複雑な気持ちに。
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大林宣彦『廃市』国立映画アーカイブ。大林映画のなかで、その翳りにおいていちばん好きな映画。入江たか子、入江若葉親子の共演映画。帰りのエレベーターで若葉さんとごいっしょに。ラピュタ以来5年ぶり。きょうは入江たか子さんのご誕生日で、思わず懐かしくなって、ご覧にいらっしゃったとのこと。
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佐向大『夜を走る』ユーロスペース。とんでもない災難に巻き込まれてしまったものだとボヤきながら、後は喰い入るようにどう転ぶかわからない画面を凝視めるしかない。郊外の鉄屑工場に降りかかる笑うしかない厄災。こんなにネタばれを怖れる日本映画は滅多にない。手の内を全部晒さないラストも見事。
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中村登『二十一歳の父』神保町シアター。この陰翳、繊細な描写。私の好きな中村登とはこの映画。山本圭一家（父山形勲、兄高橋幸治、嫁岩崎加根子、盲目の妻倍賞千恵子）の細やかで冷徹な家族描写に鳥肌が立つ。成島東一郎の撮影、浦岡敬一の編集、武満徹の音楽、全て最高！マイ中村登ベスト5に入る。
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池広一夫『片足のエース』アテネフランセ。池広監督に現代劇でこんな傑作があったとは。小児麻痺の高校球児を演じる高田直久が素晴し過ぎて見入ってしまう。しごき監督の井川比佐志も素晴らしい。感傷的にならずにアクション映画として感動させるのは大映スタッフの力。日野皓正の乾いた音楽の貢献大。
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プロデューサー、映画監督の荒戸源次郎が亡くなって、この11月で5年になります。2017年ユリイカに書いた「荒戸源次郎と鈴木清順と私の3年間」《荒戸さんと鈴木さんのこと》に加筆、新たに写真を加えブログにアップしました。よろしかったら。
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恩地日出夫『女体』シネマヴェーラ。以前ラピュタで観たときはスター女優団令子がここまでやるのかと面食らったが、南原宏治を「あの時」互いに愛してしまった団令子と楠侑子の物語として感動。上映前に恩地夫人星埜恵子さんが舞台挨拶。本来なら最終上映日の今夜、恩地監督のトークがあったとのこと。
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角川シネマ有楽町にアルトマン『ロング・グッドバイ』を観に来たので、またもや今年閉館の有楽町ビルヂングを訪れる。本当に名残惜しい、美しい曲線を描くステンの階段とタイルの壁面。ここともロング・グッドバイ。
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二村真弘『マミー』イメージフォーラム。失礼な言い方だが想像以上の面白さ。事件から25年。現場の住民はタブー視、捜査や裁判に関与した人間は口を閉ざす。科学的再検証から、映画を大きく駆動するのは夫・林健治の雄弁に語る言葉の威力。健在の内は風化させない。若い頃の彼女、轟夕起子に似ている。
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「誰だよ、こんなYMOみたいな奴を連れてきたのは！」と裕也さんは若松孝二監督に怒った。若松組から暗幕を借りたお礼に『水のないプール』のエキストラにオレが出た時の話。「なんだシネマ・プラセットの若い衆か」と裕也さんは許してくれた。あれから、もう38年も経った。偉大なロケンローラー俳優。
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森一生『不知火檢校』ラピュタ。ン十年ぶり。ピカレスク映画はこうでなくちゃ！小さな時から悪ガキで、強盗、強姦、殺人、悪事の限りを尽くし検校にのし上がる勝新。中村玉緒、近藤美恵子も悲壮と裏切りの艶を添える。クールな演出も最高。最後まで色と欲を抱えたまま悪の華として散る勝新、天晴れ！
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ヴェーラで『春秋一刀流』山中貞雄の再来と言われた丸根賛太郎のデビュー作。丸根の監督最終作が「鉄人28号」だったとしても、それはそれで監督人生というもの。
『人魚昇天』グラマー女優泉京子を得て、松竹の新東宝化は進む。5社の中で最下位になった松竹。下を見れば新東宝しかいない苦しい事情。
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通常上映にモーニングショー、レイトショーにオールナイトと細かいプログラムでバラエティに富みすぎて、ついつい看過してしまう新文芸坐の特集。
5月はなんと黒沢清特集で『蛇の道』と『蜘蛛の瞳』！
京マチ子特集part 2も！
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ラピュタ阿佐ヶ谷の次の特集は「音楽とともにあれ！ 心弾むミュージカルから伝記映画まで～昭和の音楽映画つめあわせ」。これ、すごく楽しみ！監督特集や俳優特集もいいのですが、いかにもラピュタらしいおもちゃの詰め合わせ感覚のヴァラエティに富んだ特集。
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野村芳太郎『事件』神保町シアター。同じ法廷劇の『疑惑』より断然好き。大竹しのぶと同棲して妊娠までさせた永島敏行は姉の松坂慶子を刺殺する。なぜ？空白にインクが滲んでいくような描き方が良い。松坂のヒモ渡瀬恒彦の軽さ、なんと言っても裁判長佐分利信の存在感。最後は大竹しのぶが見事に攫う。
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今井正『砂糖菓子が壊れるとき』NFAJ。若尾文子主演作ワーストワン。というか完全なミスキャスト。意図だろうが衣裳も最低。彼女の着ていたスパンコールを散りばめたピンクのネグリジェって。様々な男遍歴も深掘りなしのほぼダイジェスト。民って何ですの？それは罠と読むんだよ。橋田脚本も酷すぎる。
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ブレッソン『ブローニュの森の貴婦人たち』恵比寿ガーデンシネマ。ブレッソンがあのブレッソンになる前。コクトオ監修の台詞がまるで宝石のように鏤められ滑らかなカメラが世界でいちばん美しく怖い恋愛映画を奏でる。目を澄ませて耳を尖らせて観るしかない。年末を飾るに相応しいこんなに豪華な映画。
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ラピュタ阿佐ヶ谷のモーニングで『骨までしゃぶる』を観ていたら、スクリーンに影をつくる頭髪の高い女性の姿。「おばさん、見えないよ！」と観客が怒鳴りつけたら、その女性が桜町弘子だったというのも、名画座ファンには有名な話です。
小林信彦が『七人の侍』のリバイバル上映を観ていたら、後ろの老人が「冷房が効きすぎる」などと言いながら、ずっとガサガサしているので、いい加減にしろと振り向いたら、志村喬だったエピソードと双璧の名画座いい話。
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これまで4つの映画・映像制作会社に勤め、そのうち3つの会社が在籍中に倒産しました。最後の倒産から現在、そして開催中の五所平之助特集のことをブログにアップしました。
「65歳の五所平之助 そして人生はつづく」駄文で恐縮ですが、よろしかったら。
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そんなにたくさん有名俳優を自分の仕事に使ったことはない。渡瀬恒彦さんはクライアントの依頼。団時朗さんはニュースキャスター役でプロデューサーが勝手に頼んだ。こんな地味な仕事に団さん出てくれるんですかと驚いた。台詞は全部覚えてくれて撮影はスムーズに終わった。永遠のハンサムガイ。合掌。
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ルビッチ『街角 桃色の店』シネマヴェーラ。最高のクリスマス映画。ルビッチの最もロマンティックなラブ・コメディかも。J・スチュアートが勤めるブダペストの革製品店の適当さがもうすばらしい。文通相手M・サラヴァンとのラストは判っていても泣く。クリスマスイヴの雪が世界でいちばん美しい映画。
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今朝の清水まゆみさんのInstagram、最高の集合写真。
中平康『若くて悪くて凄いこいつら』の日活撮影所でのオフショット。
和田浩治、和泉雅子、浜田光夫、山内賢、高橋英樹、吉永小百合、清水まゆみ。
浜田光夫と吉永小百合はこの映画には出演してませんが撮影所で居合わせいただけで撮れてしまう！
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渋谷実『気違い部落』NFAJ。十年ぶり。森繁の軽妙な前口上、シニカルなナレーション。おとうもおかんも、これ以上の配役は望めないだろう充実の俳優陣による喜劇部分と伊藤雄之助・淡島千景夫婦を中心とした村八分の悲劇部分がミスマッチに近い絶妙なアンサンブルでうねり続ける。技巧派渋谷実の才気！
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塩田明彦『麻希のいる世界』ユーロスペース。由希は評判の悪い麻希のことがバイトでも何でも同化するほど好きで仕方がない。海辺の小屋からその気持ちを吐露しながら駆け出す光景は微笑ましいが、背骨がボキっと折れるようなこの折り返しからが凄い。体に電流が走り言葉を失うかのよう。ただただ泣く。
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村川透『白い指の戯れ』ラピュタ阿佐ヶ谷。すばらしい題名。久々の再見。主人公たちが囁く猥歌。改めて姫田撮影、神代脚本で神代辰巳的世界が濃厚な映画だと思った。全般ダルな展開だけど荒木一郎登場でそれが輝き出す魔法。スリのレクチャーはマジックのごとき必殺。私的荒木一郎映画ベスト5に入る。
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中村登『斑女』神保町シアター。東京タワーの映画。真珠の首飾りの映画。岡田茉莉子と佐々木功が駆け落ちして東京にやって来る。それに絡む画家山村聰、芳村真理！杉浦直樹、倍賞千恵子。絶妙な男と女の駆け引きゲーム。冒頭と最後の見事な呼応。ペギー葉山の主題歌、洒落た武満徹の音楽も最高。傑作！
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シネマヴェーラで『逆光線』『真田風雲録』『女子寮祭』。『風雲録』上映後に渡辺美佐子さんのトークショー。現在でも元気バリバリの現役感と存在感！映画の黄金期とテレビ創成期を女優として生きたことが大きな糧になっているとのこと。贅沢にも『女子寮祭』スチルとグラフNHKにサインを頂きました！
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中原俊『櫻の園』NFAJ。チェーホフの「櫻の園」を準備する女子高の演劇部員たち。部員の喫煙事件から中止になる可能性が。自分もその一員なったつもりで事の顛末を見守るしかない。やがてそれが集団劇から中島ひろ子と白島靖代の二人の感情劇にフォーカスされていく模様があまりに素晴らしく涙腺決壊。
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