セメント系建設3Dプリンターの開発を手掛けるPolyuse（ポリウス、東京・港）は、建築確認を受けた建物を、同社のプリンターで「印刷」したことを明らかにした。3Dプリンターでの造形を前提に確認済み証の交付を受けた建築物は国内初とみられる。

　日本では、大手建設会社が自社での活用を念頭に置いて個別に開発を進めてきた建設3Dプリンター。世界を見渡せば、設立から間もないスタートアップ企業が主役となって急速に事業化を進めている。

私たちはいつまで危険な場所に住み続けるのか 自然災害が突き付けるニッポンの超難問

　近い将来、3Dプリンターでつくった住宅が日本中に立ち並ぶようになるかもしれない――。こうしたニュースをテレビや新聞などが頻繁に取り上げるようになってきた。しかし、その実現可能性は今のところかなり低い。建築物の材料などに関するルールが変わらない限り、夢物語に終わるのはほぼ間違いないだろう。

1日に発生した地震の影響で、金沢21世紀美術館では展示室内の天井が落下するなどの被害が確認されています。

建設DX2 データドリブンな建設産業に生まれ変わる

　鹿島と清水建設、竹中工務店を幹事とする建設会社16社は2021年9月22日、建設ロボット・IoT （モノのインターネット）分野の研究開発を共同で実施する「建設RXコンソーシアム」を同日付で設立したと発表した。

　スタートアップ企業との協業によって人手不足などの課題解決や生産性向上を目指す動きが、地方の有力ゼネコンにも広がりつつある。加和太建設は2022年7月20日、地方ゼネコンとスタートアップをマッチングするオンラインコミュニティー「ON-SITE X」を立ち上げた。

　建設現場の一部業務を引き受ける「支援室」の立ち上げが増えている。現場の技術者でなくてもできる仕事をいかに切り出すかが重要だ。他人に任せることに抵抗感を持つベテラン技術者もおり、各社が知恵を絞る。

　新卒採用に注力しているがうまくいかない──。技術者不足を抱える建設会社の多くが採用に悩みを抱えている。それでも方法次第では新人社員を継続して獲得できる。地方や大手の好事例を紹介する。

　様々な業界がロボットの可能性を探る中、建設現場は倉庫、医療などに次いで成功が期待される分野となっている。ドイツの調査会社であるStatista（スタティスタ）の予測によると、世界の建設ロボット市場は2020年の7170万ドルから大幅に拡大し、30年には2億4240万ドル規模に成長するという。近年、米国でも、スタートアップ企業を中心に建設ロボットの開発が加速しているのが分かる。

　国民的アイドルのももいろクローバーZが、京都大学大学院の藤井聡教授とインフラを学ぶ番組「ももいろインフラーZ」が「土木広報大賞」を受賞した。番組を通して彼女らが学んだインフラの魅力とは。

清水建設が7日発表した2023年4〜9月期の連結決算は、営業利益が前年同期比99%減の1億6500万円だった。大型の建築工事が完了し売上高は1割増えたが、完成間際の工事案件で職人を追加投入したことで労務費などが膨らみ、利益を圧迫した。午後1時の決算発表を受けて清水建設株は売られ、終値は前日比8%安だった。売上高は13%増の9368億円、経常利益は64%減の51億円だった。完成工事原価が804

　竹中工務店が建築設計業務のデジタルトランスフォーメーション（DX）を大きく前進させる。設計情報の一括管理や設計作業の自動化、作成したBIM（ビルディング・インフォメーション・モデリング）モデルの自動品質チェック機能などをパッケージ化した自社開発の「設計BIMツール」の全貌を、日経クロステックの取材に初めて明らかにした。

　「ユニクロでBIM（ビルディング・インフォメーション・モデリング）マネジャーを募集しているぞ」。2023年3月初旬、SNS（交流サイト）上で、こんな話題が一部の建築関係者をざわつかせた。正確を期すると、募集をかけたのはユニクロやGU（ジーユー）を展開するファーストリテイリング（以下、ファストリ）だ。

　空調設備工事大手の高砂熱学工業が、データドリブンに設計や施工管理などの業務を進める基盤を整え、運用を開始した。建設テック企業のArentと共同で、BIM（ビルディング・インフォメーション・モデリング）データを活用して業務プロセス全体を効率化するプラットフォーム「PLANETS」を開発したと2024年3月22日に発表した。労働時間を削減して生産性を向上させたり、顧客価値を高めたりするのが狙いだ。

　大手ゼネコンの建設現場で重大なトラブルが相次いでいる。鉄骨の精度不良の隠蔽、ず��んな工程管理がもたらした工期延長、資材落下による工事中の死亡事故──。かつて世界がうらやむ品質を誇った日本の建設会社に、何が起こっているのか。取材を進めると、技術力の低下や工期順守のプレッシャーに苦しむ現場の姿が浮かび上がってきた。

　クリエーティブな領域まで活用の幅を広げるAI（人工知能）が、建築デザインにも進出してきた。建設テック系スタートアップ企業のmign（マイン、東京・文京）は2023年2月8日、画像生成AIを組み込んだ「studiffuse（スタディフューズ）」の提供を開始した。テキスト情報や画像を基に自動で画像を生成する。建築設計者が提案するイメージパースなどの作成に活用すれば、試設計にかける手間と時間の短...

　建設業で2024年度から残業の上限規制が適用されるのを控え、派遣会社が現場に送る技術者の数が急増している。派遣人材の大半は建設業の仕事の未経験者だ。建設需要が高まった東京五輪前を超え、過去最高の派遣数となる会社が複数出てきた。

【NHK】建設業界の深刻な人手不足に対応するため、現場で働く人の賃上げや働き方改革を促すことを盛り込んだ改正建設業法などが7日の参…

　夏は涼しく、冬は冷え込む北海道新冠町にある美術館が、3Dプリンターで宿泊施設を建設した。小さな寝室棟の壁には目を引く文様を施し、断熱材も仕込んでいる。

近い将来、3Dプリンター住宅が日本中に立ち並ぶようになるかもしれない――。こうしたニュースをテレビや新聞などが頻繁に取り上げるようになってきた。しかし、その実現可能性は今のところかなり低い。建築物の材料などに関するルールが変わらない限り、夢物語に終わるのはほぼ間違いないだろう。急速な進化を遂げつつある建設3Dプリンターは、ノズルを水平移動させながら特殊なモルタルを連続して吐出し、数センチメート

12月18日、渋谷駅構内の通路にインパクトがある“工事現場”の広告が出現。掲載したのは、1942年創立の機械メーカー「マックス株式会社」だという。マックスが建設業界に変革をもたらした「鉄筋結束機」について話を聞いた

大成建設は9日、中堅ゼネコンのピーエス三菱を買収すると発表した。TOB（株式公開買い付け）を通じて、議決権ベースで最大50.20%の株式を取得し、連結子会社化する。取得額は最大で240億円規模。建設業界は残業規制が適用される「2024年問題」もあり人手不足が深刻化している。人手不足の解消を目的としたM&A（合併・買収）が動き始めた。買い付け価格は1株あたり1010円。8日終値（785円

建設機械レンタル大手の太陽建機レンタル（静岡市）は機材の注文をオンラインで受け付けるシステムの試験導入を一部の現場から始めた。静岡県発の建設関連企業とスタートアップをマッチングする仕組みを通じて、採用を決めた。数年内に国内の各支店へ導入し、業務の効率化から残業時間の短縮や人手不足の緩和などを見込むデジタルトランスフォーメーション（DX）へとつなげる。太陽建機レンタルのオンライン受注システムは、

大手ゼネコンの受注のけん引役が、オフィスから工場へシフトしている。過去10年以上、オフィス受注が工場受注を上回っていたが、2023年3月期に逆転。半導体製造業などで工場の国内回帰が進んでいることが背景にある。一般的にノウハウが必要な半導体などの工場はオフィスに比べ好採算とされ、ゼネコンの業績改善が見込まれる。上場する大手ゼネコン4社（鹿島、大林組、大成建設、清水建設）の23年3月期の建築受注額

　国内では建設ロボットの開発が活発だが、現場への適用や普及には停滞感も漂う。そんな中、活躍の場を海外に広げた建設ロボットがある。日本の職人との協働を目的に開発された建設ロボットは注目の的だ。

　超高層ビルの制振構造に革命をもたらす新システムが登場した。清水建設は2022年9月22日、制振装置の台数を大幅に削減しながら、地震時の揺れを半分以下に抑えるシステム「BILMUS（ビルマス）」を、25年に竣工予定の超高層ビル「芝浦プロジェクト」S棟に初導入すると発表した。

伊藤忠商事は10日、持ち分法適用会社で住宅資材大手の大建工業に対し、TOB（株式公開買い付け）を実施すると発表した。最大497億円を投じ、完全子会社にする。国内の住宅建築市場が縮小するなか、意思決定を迅速化してグループの相乗効果を高める。伊藤忠は現在、大建工業の株式の36%強を保有している。大建工業株の買い付け価格は1株3000円で、9日の終値に28%の上乗せ幅（プレミアム）をつける。公開買い

　床暖房を備えた新築住宅を巡り、建て主が設計者と施工者、下請けの専門工事会社を訴えた。床暖房の立ち上がりが遅く、暖かくもないという。設計者は業務報酬の2倍を超える額の損害賠償を命じられた。

大成建設は設計データをもとに建設時に出る二酸化炭素（CO2）の量を自動算出するシステムを開発した。設計や使用する建機を見直しやすくして、排出量抑制につなげる。竹中工務店は製造時に出るCO2量が少ないコンクリートの使用量を増やす。発注主からCO2抑制への要求が増えることが予想されるなか対応を急ぐ。大成建設は開発したシステムを年間30件程度の案件に導入する。建材や設備の数や量を自動で数え上げてデー

　BIM（ビルディング・インフォメーション・モデリング）データを相互利用するに当たって課題になっているのが、モデリングルールの標準化だ。大林組は自社のルールを一般公開し、課題解決へ一石を投じた。

　能登半島を襲った地震の影響で、各地で土砂崩れや道路陥没が相次いだ。寸断された道路の応急復旧を精力的に担っているのが地元の建設会社だ。地震発生の翌日から復旧支援に携わる石川県建設業協会の真柄卓司常任理事（真柄建設社長）に、県内の建設会社による作業状況などを聞いた。

2025年国際博覧会（大阪・関西万博）の会場予定地、大阪市の夢洲（ゆめしま）は風が吹くと砂ぼこりが舞い、スーツも黒の革靴も真っ白になる。「まだ工事の始まらない更地が多く、道路も舗装されていないから」と運営主体、日本国際博覧会協会（万博協会）の担当者は工事の遅れにため息をつく。「海外パビリオンの時期がタイトだ」。8月31日、大阪府庁の会議室で知事の吉村洋文が居並ぶ建設業界団体のトップら約40人を

　設現場の生産性向上などを目的に、ゼネコンが研究開発投資を増やし続けている。売上高上位企業の研究開発費は、10年足らずで倍増した。ただし、まだまだ目に見える成果が上がっているとは言いがたい。

　木造住宅を中心に、甚大な建物被害をもたらした令和6年能登半島地震。石川県を代表する歴史的建造物にもダメージを与えた。2024年1月7日、取材班が向かったのは能登半島の北西に位置する石川県輪島市門前町。07年に発生したマグニチュード（M）6.9の能登半島地震でも大きな被害を受けたエリアだ。

2024年春に適用される時間外労働の上限規制をにらみ、建設大手で受注を絞り込む動きが強まっている。大林組や清水建設は受注で週休2日が確保できる工事を原則とする方針だ。現状では新たな規制に2割が対応できていない。一部のダム工事では週休2日への見直しで工期が3年延びた例もある。労働時間の縮小で今後は工期の長期化は避けられない。大林組は今後、週休2日で現場を運営できる工事の受注を基本に発注者と交渉す

建設コンサルタント大手のパシフィックコンサルタンツ（東京・千代田）は7日、海外で開発コンサルティングを手掛けるパデコ（東京・港）を連結子会社化すると発表した。買収金額は数十億円とみられる。海外の営業網を広げ、都市やインフラの開発案件を増やす。23年11月27日に株式譲渡契約を結んだ。12月下旬にパデコの株式の74.1

　長時間の残業は労働者の心身をむしばみ、最悪の場合には命をも奪う。過労死の中でも、精神障害の労災認定数は上昇傾向だ。厳しい工期に加え、建設業の慣習や上司の無理解などが過労死の要因となっている。

　JR東日本は2024年7月1日、不動産事業を手掛ける新会社「JR東日本不動産」を設立する。駅周辺以外のエリアをターゲットとして土地を取得し、これまでJR東日本グループが得意としてきたオフィスや商業施設、ホテルなどにとどまらず、マンションや物流施設といった様々な不動産の開発・売却に力を入れる。

　施工管理システムなどを手掛けるリバスタ（東京・江東）が、条件を満たした建設技能者に電子マネーと交換できるポイントを付与するアプリ「ビルダーズポイント」を開発した。建設技能者の功労にインセンティブを付与することで現場の活性化を図り、担い手不足の解消を目指す。2024年6月より運用を始めた。

大和ハウス工業は6月に社内起業制度を導入し、300億円の投資枠を設定する。5万人のグループ全社員から新ビジネスの候補を募り、社員間で事業性など起業の可否を審査する。明確な投資枠を設けることで、社員の起業への意識を高めるのが狙いだ。住宅や物流施設など主に既存事業に関連した有望なビジネスモデルをいち早く見つけ出す。6月の制度導入に合わせて社員からビジネス案を募集する。年間200〜500件ほどの提案

　既存建築物のBIM（ビルディング・インフォメーション・モデリング）モデルを、点群データなどを基に作成し、維持・修繕に役立てる取り組みが徐々に始まっている。課題はモデル作成に要する手間をどこまで削減できるかだ。

　大成建設は2023年3月16日、札幌市中央区で同社が施工している高さ約116mの超高層ビル「（仮称）札幌北1西5計画」の現場で、鉄骨建て方とスラブ厚の精度不良があったと発表した。鉄骨精度の計測値を偽って工事監理者に報告していたことも明らかにした。地上部などを撤去して再構築するため、竣工は2年超遅れる見通し。同社の経営への悪影響は計り知れない。

ゼネコン大手が長年続けてきた業務環境を刷新する。大成建設は人手に頼っていた施工管理技術者の情報収集をデジタル管理に切り替える。シフト勤務を徹底し、4月に始まる残業時間の上限規制に対応する。連載企画「ゼネコン変われるか」は最終章となる。持続可能な産業につくり直すゼネコン各社の動きを追う。24年4月に建設業でこれまで猶予されていた残業時間の上限規制が適用される。労使間で特別条項付きの協定を結んだ場

第7次中期経営計画の中で、持続的な成長モデル構築に向けた基盤としてDXを位置付ける

　特殊なモルタルを積層させて、住宅や橋のような構造物を造形する建設3Dプリンター。日本におけるトップランナーが、スタートアップ企業のPolyuse（ポリウス、東京・港）だ。創業者で代表取締役CEO（最高経営責任者）を務める岩本卓也氏は、建設3Dプリンターが当たり前のように使われる未来を目指している。

　2025年施行の改正建築基準法、改正建築物省エネ法は、建築確認の審査機関にとっても負担が大きい。国土交通省はDX（デジタルトランスフォーメーション）、新資格創設などにより、審査体制強化を図るとする。

　なじみの薄い「建設ディレクター」という民間資格が、にわかに注目を集めている。働き方改革関連法による時間外労働の上限規制が来年4月から建設業にも適用され、労働環境の抜本的な見直しを迫られることが、その…