omoimadou
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浮世離れした夫が2020年末 #進展型小細胞肺癌 になり #がん家族 として苦悩しました。同じ境遇の方と共感できたら幸いです。 直言居士(ﾁｮｸｹﾞﾝｺｼﾞ)と毒舌の間と自覚する私が日々感じた事をぼやきたい&情報が少ない #小細胞肺癌 #転移性脳腫瘍 のリアルを知りたい伝えたいと始めました。2022.8.21 #死別
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私はきっと、
患者家族として表に出してはいけない気持ちを発信している。
誰かを不快にさせてるかもしれない。
けど、同じような悩みや気持ちを抱えている人が１人でもいると今の私は思いたい。
#肺癌
#肺がん
#小細胞肺がん
#小細胞肺癌
#癌患者家族
#がん患者家族
11
6
567
亡くなる前日の夕方
心拍数130
血圧も計れず
苦しそうな呼吸になった
そして24時間後
呼吸が楽な音に変わり
夫を見ると
閉じたままだった目が
パッチリと開き私を見てた
すぐに近づき
静かに声をかけると
安心したのか目を閉じ
ニコッと微笑み息を引き取った
この人を看取れてよかった
本気で思った
29
95
6K
亡くなる２週間程前
食事も水分も摂れなくなり
医師から"終末期"という言葉が
初めて出た
ついにその時がきたのかと
ショックだった
そんな時
この一文と出会った
人は
"食べないから死ぬ"のではなく
"死ぬのだからもう食べない"
冷静になれた
自然にまかせて静かに見送るのも
愛情なのだと思えた
20
374
5K
私の趣味は"夫"
そう言い続けて２０年
本日19時丁度
大好きな夫が息を引き取りました
最後までカッコいい去り方
最後まで魅力的な人でした
顔も穏やかで美しい
ちょっとだけ突然だったけど
何となく今日の気もしていたり
これからまだまだしばらく
２人の時間を楽しみます
2022年8月21日
19時
47
42
3K
１週間後の日曜
夫の体とお別れした
今にも起きそうな夫の顔
何度も触れてチューをした
当日はお経なしのお別れ会
友人も服装は自由に
いつも会うみたいに
笑いと涙ありの私達"らしい"
お別れができた
出棺時
ほっぺにキスマークをつけ
ありがとうお疲れ様の挨拶をした
別れ方は生きる源にもなる
9
21
2K
最期まで私を
女性として扱ってくれた夫
ドアを開けてくれ
荷物を持ってくれる
歳を重ねた私でも
｢可愛いから大丈夫｣ と
いつも言ってくれた
夫が65歳になるまで毎日
格好いいと思わせてくれ
可愛いとも感じさせてくれた
そして
毎日早く会いたいと思っていた
夫の｢早く帰っておいで｣が
今恋しい
7
13
598
夫は女性に
手をあげる人ではない
しかし
#転移性脳腫瘍 が進行し
オムツを変える度に
私に平手打ちや足蹴りを
するようになった
耐えれず号泣しながら
交換している私は
夫にとって敵なのか
素人介護が
気にくわないのか
看護師にも
私のやり方が悪いと
言われるのだろう
拒否の強い介護は
辛い
15
1
583
終末期だからこそ
きちんと死に向き合い
夫がどんな逝き方を
望んでいるか必死で考えた
きっと夫は
痩せ細り骨と皮になるのは
望んでない
そして
過剰な水分補給で
腹水や胸水で苦しむのも望まない
だから私は
"点滴をしない"選択をした
夫が穏やかに最期を迎えること
それが何よりも大事だったから
7
10
414
終末期
旅立つタイミングは
本人が選んでいると
私は本気で思う
残された者にとって
タイミングが悪くても
本人にはきっと理由がある
数年前
生きている祖母に
最後に会ったのは私だった
老人ホーム
後ろ髪を引かれながら
祖母の部屋を出た５分後
独りで逝った
あれは
祖母の優しさだと今でも思う
14
8
388
毎年の2月14日
当日に手作りして
"好きです"と伝え夫に渡してた
去年の今日
最後になるかもしれないと
大切に過ごした
だから
いつもなら言わない
"今年はお返事ほしいな"も伝えた
そして3月14日
夫の手作りのお返しには
"stay with me"と
チョコペンで書かれていた
最初で最後の
最高のラブレター
9
4
377
"大好きだよ"と夫に囁く度に
私は涙が溢れる
痰が絡み呼吸苦でも
懸命に呼吸してくれる
今の在宅医療は心配がない
助けを求めれば
各プロが駆けつけてくれる
#がん家族 1人で不安な事は
やってくれる
｢家に居たい｣その夫の願いは
今の時代だからできた
人生はタイミング
卒業も本人のタイミング
2
3
354
夫とのデートや旅行が入ると
毎回安いワンピースを買い
ワクワクして準備した
ただただ夫に
"可愛い"と言われたくて
夫はよく
"なぜ日本男性は
彼女を見せたがらないのかな"
"俺はいい女でしょって
見せびらかしたいけどね"
と言った
だから最後のお別れの時
目一杯おめかしした
褒めてもらいたくて
5
2
346
ついに
夫の携帯電話の契約を
解約した
1年3ヶ月
持ち主を亡くしたスマホ
私が毎日持ち歩いた
"もう十分に別れを惜しんだでしょ"
と自分に言い聞かせ
ついに決行した
夫はLINEをしない
だからいつもメール連絡
夫の思い入れのあるメアド
夫が長年使った電話番号
無駄が嫌いな夫
きっと褒めてくれる
7
2
326
｢平穏死｣という言葉を知った
燃えつきた炎が
スーっと消えてく様な終わり
良かれと思って
最期まで点滴をすると
胸水や腹水が溜まり苦しく
溺れたような状態になるという
私も心配から点滴を考えた
医師は丁寧に説明してくれた
延命治療を希望しない夫
平穏死は"らしく"生きる事
なのかもしれない
2
11
308
出会い時
既におじさんだった夫
若い私が惹かれた理由
·運転が上手い
·日本やUSAの昭和話が楽しい
·英語が美しい
·想像以上の経験談が面白い
·同世代にない包容力
·可愛い所がある
そしておじさんについても学んだ
·女性の笑顔に飢えてる
·大人だけど大人じゃない
·弱音を我慢してる
夫に会いたい…
2
2
290
私は夫と違い
趣味も特技もない
そんな私の唯一自慢は
夫との"大恋愛"くらい
笑われるだろうけど
"千年に1度の恋"だと思った
思い返せす程
不思議な巡り合わせ
あの時
全てのタイミングが
合致したのだろう
人生は常にタイミング
誕生日も命日も
生きた時代も
千年後
私は夫と同じ時をまた生きたい
12
4
280
2022年8月21日19時
夫が笑顔で世を去った
この1年も一緒に居た20年も
あっという間
フォークソング世代で
声が素敵な夫
元嫁の前ではギターを奏でたけど
私の前では1度も弾かなかった
何故？と聞くと
"ジンクス"
と笑いながら答えた夫
その願いが叶い
最期まで一緒に居られた
今もお慕いしています
6
2
276
いってらっしゃいのキス
お帰りなさいのキス
私にあわせて
約20年やってくれていたとしたら
そんな優しい男は
天然記念物並に
日本に居ないと思う
何でだろう
昼休み目を瞑っていたら
亡くなる直前の夫の微笑みが
浮かんできた
｢俺もう逝くね｣と
言わんばかりの笑顔
最期まで格好良すぎるんだよ
1
1
273
#肺癌 が判明してから亡くなる迄
何が1番悲しかったか
もちろん
命の灯火が消えた時は物凄く悲しい
だけど
人は誰でも遅かれ早かれ別れはくる
だからそれは仕方がない
やはり #癌家族 として
脳転移の症状が出始めてからが
辛く悲しかった
全てを司る脳の病は恐ろしい
早く良い治療を見つけてほしい
2
2
256
#転移性脳腫瘍 再発時
大好きな夫が
私達の事を
私の事
忘れてしまい
いつか私を認識できなくなるのではと
不安で不安でたまらなかった
1つづつ喪失していく日々
だけど夫は
最期まで私を忘れず
頭を撫でてくれた
癌は喪失が多い
けれど
失った事よりも
最期まで失わずにいられた事に
幸せを感じたい
4
1
253
周りから見たら
夫を亡くした可哀想な妻
なのかもしれない
だけど当の本人は
夫と"人生最大の恋"をし
その自負心で
幸せに満ち溢れてる
きっとこの先も
死別の苦しみは消えない
だけどその寂しさに
幸せな日々を隠されたくない
存在しない事実より
存在した幸せな日々に目を向け
生きる支えにしたい
3
4
225
皆が応援してくれてる
皆の優しさが伝わる
だけど
50回近く平手打ちで
顎や耳が痛くなる程叩かれ
せっかく履かせたオムツを
脱がれる
その繰り返し
さすがに私も手と口が出る
良くないのは分かってる
けど
そうしないと自分を守れない
昨夜は1時間ごとに
シーツを濡らした
今夜はもう何もしない
6
0
226
夫は1年前
遺影写真とは言わず
自撮りしてくれてた
とても可愛い笑顔で…
その夫らしい笑顔の写真に
何人涙しただろう
印刷したら
たまたま実寸になった夫の顔写真
顔を近づけて目を合わせたり
話をしたり安心する
気持ち悪いと言われてもいい
これだけで
悲しみの中でも
幸せを感じられるのだから
3
1
225
毎日
呼吸ができる事
声がでる事
口から食べられる事
箸が使える事
疼痛がわかる事
目が見える事
考えられる事
表情を変えられる事
階段を上がれる事
リモコンが使える事
靴を履く事
立ち上がる事
お風呂に入れる事
言葉を発せる事
排泄を自分でできる事
#がん患者家族 を経験した私が
日々感じる幸せ
3
14
221
すごく歳の離れた夫
世間的にはおじさん
だけど私の眼には
20年ずっと可愛い幼い子の様に
夫が映ってた
なんて可愛い顔なんだろう
毎日そう思いキスをした
もちろん最期の日も
時に夫の母が私に憑依してる?
なんて考えたりしたけど
そうでなく私が恋をしてたから
遺影の今も
可愛いくてしょうがない
6
0
214
私は夫と死別した
だけど
悲愴感が漂う女には
なりたくない
疲れやつれ
身なりを気にせず
暗く笑わない女
そんな死別者にはなりたくない
悲しみを
どこかに置いたり
紛らせて忘れるつもりはない
ただ
こんなに良い女と一緒に居て
こんな良い女を置いて逝ったのかと
言われれば
夫が喜ぶ気がするから
10
4
212
麻薬を薬局に返した
夫は本当に頑張ってくれた
夫は人生で初めて
私に"一目惚れ"してくれた
夫は私の笑顔が大好きで
私が笑ってると
夫も嬉しそうに笑顔になった
だから癌になる前から決めてた
最後は笑顔で見送ろうと
私の笑顔を目に焼き付けてほしいと
願いは叶い
最後に笑顔で感謝を伝えられた
2
0
211
約2年の闘病を思い返した
すると夫は１度も
自分が居なくなったらという話を
私にしなかった
けれど友人には話をしていた
きっと夫は
大好きな夫を亡くした私が
どうなってしまうか
分かっていたからだろう
夫は友人に自分が亡き後
私の事が心配だと話していた
言わないという優しさ
夫の愛を感じた
2
1
206
延命措置を希望せず
自宅での最期を選択した私達
常識だよと言われてしまえば
それまでだけど
#がん家族 として伝えたい
呼吸が止まり
亡くなっていることが明白な場合
混乱して救急車を呼んでしまうと
警察が介入する
そして故人との時間が削られる
安らかな最期を迎えたい
その願いを叶えるため
2
14
204
夫の写真をみると思い出す
出会った約20年前から
"俺は長生きじゃない"と
夫は言い続けた
だから私は
"夫の死を1番悲しんでいい人で
いたい"とずっと思い続けた
長く一緒に過ごせば
良い事も嫌な事もある
夫が望む看病も
できてなかったと思う
けど
夫は人生最後の女に
私を選んでくれた
嬉しかった
5
7
206
いくら時間が経とうが
誰かなんと言おうが
夫は私の人生で最高の男
私が最初で最後の
全力で恋した男
今も恋している男
世の男性を見れば見るほど
夫の良さが際立つ
あの優しさ
あのスマートさ
あの笑顔
あの包容力
そして
あの可愛さと大人の色気
私の心は今も隙間なく
夫への気持ちで埋まってる
3
1
200
夫は本日
６５歳の誕生日を
"奇跡的に"迎えられた
病が発覚してから1年8ヶ月
この気持ちや感動は
#がん家族 や #がん患者 なら
きっと伝わる
歩くのがとても遅くなった
食べるのがとても遅くなった
痛みで動けない時もある
けど
２人で節目を祝えた
今日を最高の日にしたい
今その想いを形にしてる
13
0
196
ここ２週間
やることはあるが手につかず
夫の体や手を触りながら
TVをみて過ごしてる
今は #転移性脳腫瘍 の症状が主
体幹の痛みは麻薬で抑えられてる
だから
もがき苦しむような事はない
けれど
脳からの指令が無くなれば
体が動かなくなり
呼吸や心臓も突然止まる
夫は懸命に生きてる
私も生きる
2
0
193
#転移性脳腫瘍 が再発し
症状が出始めた去年の4月
脳が混乱しやすくなった夫
入院に耐えられず
治療日に退院した
退院を決めた日
初めて担当医と2人で話をし
あと2.3ヶ月の命と言われた
夫は最後まで知らなかった
私は誰にも言いたくなかった
それが功をなしたのか
3ヶ月後旅行にいけた
最高だった
3
0
178
"お盆には亡くなった人が
セミで帰ってくるんだよ"
出会った頃に夫が教えてくれた
だから毎年
4Fの我が家のベランダにとまる
蝉の声を聴きながら
"今年もきてくれたね"
と2人で話していた
去年までは
夫の父母を2人で待ち
今年からは夫も加わる
虫は大嫌い
だけど
お盆のセミは心待ちにしている
3
0
169
同棲や事実婚の場合は特に
警察が介入すると難しい
後悔して欲しくない
あの日
看護師に連絡をした私は
玄関の鍵を開け
まだ温かい夫の身体にくっつき
介護ベッドで添い寝した
そしてそのまま
看護師の到着を待った
あの貴重な時間をもてたのは
在宅での看取りを選択したから
在宅医療は素晴らしい
3
1
163
夫と出会った頃
よく遊んでいた共通の友人
10年以上疎遠だったけど
やっと夫の事を伝えられた
すると彼が
"キミ達は俺の知る中で
唯一の本物の愛だよ
あの人は幸せ者だよ
最期まで良い意味でズルいな…"
と言ってくれた
素直に嬉しかった
夫の事をよく知る人からの言葉
"添い遂げる"
その意味は深い
1
4
160
長いのか短いのか
1年9ヶ月の闘病期間
癌が発覚してすぐ
甘やかし"過ぎない"と心に決めた
だから喧嘩はした
#がん家族 だって先の見えない
不安で心をすり減らしてる
そう思ってた
けどステージ4の #がん患者 は
想像を絶する恐怖や痛み辛い治療に
日々耐えてる
甘えてたのは
私だったかもしれない
3
3
159
ステージ４の夫は
#肺がん 確定後から
傷病手当を頂き休職してる
我が家は裕福ではない
ローンはないけど余裕もない
手当はあと半年で終了
でも仕事復帰の予定はない
それでいいと思う
幸い今年
年の離れた夫は少額だが
年金受給できる年齢に入る
残りは私が稼げばいい
癌とお金は
人生を左右する
9
1
156
世の中には夫や妻の文句を
日々言う人がいる
自身で判断して今があるのに
愚かな人だなと思う
そんな夫や妻に限って
"亡くしてから大切と気づいた"
などと言う
愛そうとしなかったのに
愛してもらおうとも
しなかったのに
その人達には
病になる前から愛してきた
私達の悲しみの深さは
わからない
2
10
154
｢今度お茶しない？｣
私達しかいない
上下すれ違うエスカレーター
下っていく私に
"満面の笑み"で登ってきた夫が
初めてデートに誘ってくれた
歳の離れた私を
勇気を出して誘った夫
照れ隠しだろう
夫は登りきるまで話続けた
あの日は鮮明に覚えている
私達はあれから始まった
大切な"甘い"想い出
5
0
145
夫が大好きなんです
出会った時から今でもずっと
そんな私は幼い頃から
車酔いをする
観光バスはもってのほか
父の運転なんて
発車してなくても酔う
だけど夫の運転は
"いろは坂"でも酔わない
夫が以前
"元妻とは違い
私とは信頼関係がある"
と言った
きっと酔わないのは
私も心から信頼してたから
1
2
141
TVドラマとは全く違う
癌告知を聞いた帰り道
突然癌と言われた夫の気持ちを
差し置いて私は
"夫が癌になった事"に対し
１度だけ夫の前で号泣した
その時 私は
｢早く元気になってね…｣
と涙ながら伝えるのがやっとだった
すると夫は
｢大丈夫大丈夫｣
と微笑み運転しながら
優しく膝を叩いてくれた
4
0
141
無条件でギュッとしていい人
自然にハグができる人
気持ちが溢れたらくっつける人
心が弱った時
無言で抱き締めてくれる人
私にはそういう夫がいた
もちろん毎日夫が恋しい
だけど
そんな人を20年
心から愛し一緒に居られた事は
誇りでしかない
きっと
誰でも経験できる事ではない
私は幸せ者です
5
3
137
私が悩み凹んでいた時
｢忘れないでよ
俺は世界を敵に回しても味方だよ」
そんな事をサラっと
真剣に言ってくれる夫だった
こんなにも安心ができて
こんなにも愛情深い夫は
私の隣に今は居ない
口先だけでない
"愛情"を教えてくれた夫
そして何度も
優しいハグで癒してくれた夫
今とても恋しい…
6
0
133
夫はたまに｢笑い話｣と
メールくれたのを思い出した
介護ベッドの使用は1週間だけ
あの日は暑くタンクトップだった私
背もたれをリクライニングし
夫の枕を整えていると
目の前にきた私の胸を
夫が静かに指で突ついた
笑う私を見て
それまで表情が乏しかった夫が
少しにやけた
そんな夫が愛おしい
2
1
131
なぜ夫への気持ちや思い出を
投稿し続けるのか
もしかしたら
夫を亡くし時が止まった人と
思われてるかもしれない
けれど綴る理由は
私が生きている限り
夫を"2度も"死なせたくないから
この世に生きた
この世で１番イイ男
その夫という人が生きた証を
１番近くにいた私が語り継ぎ
偲び続けたいから
3
2
130
夫の心臓の鼓動
20年間よく聞いた
"心臓です"と言わんばかりの
しっかりとした音
中学生の頃
不整脈と言われた夫の心臓
長年よく動き生かしてくれ
感謝しかない
隙あらば夫の腕に絡みつき
胸に耳をあてていた20年間
心拍の子守唄を聴きながら
うたた寝する私は
まるで安心しきった
赤子のようだった
1
0
128
｢元気で明るいから
死別していたなんて思わなかった｣
そして続く
｢あなたは強いね｣
違和感を覚える
死別者に対しての"強い"
強いから笑顔なのか
強いから仕事しているのか
いくら時間が経とうが
深い悲しみは癒えない
遺された人は生きるしかない
だから
人前では笑う
悲しみを誤魔化す為に
5
2
128
私達は通院中に
訪問看護と訪問診療を導入した
全ては
その時パニックになりたくないから
通院中でかかりつけ医がいれば
その病院に連絡
主治医が確認にきてくれる
訪問看護や訪問診療を導入していれば
その医師が診断書を書いてくれる
両者とも警察の介入はなく
自宅での安らかな看取りができる
1
4
125
夫の看病の為に取得した
1ヶ月強の休み
結果
半分は夫の為に
半分は私の為の休みになった
深い悲しみが消えない
#がん家族
仕事復帰に悩む
焦りたくない
けど
夫と一緒にいた時間より
私の休みが長いのも納得いかない
外の世界への恐怖
突然長期休業した罪悪感
不安は大きい
人生は常にタイミング
4
1
127
ある医師の呟き
[いつからか癌って
克服しなきゃいけないもの
闘って勝たなきゃいけないものに
なってしまった
受け入れる事こそが大事だと思う]
ステージ４の夫は
恐らく受け入れようとしてる
"完治"よりも
"がんと共に生きる"
諦めではない
悪化させず
小さくなれば最高
そうやって自分らしく
0
6
124
夫の命に限りがあると知った時
夫はどんな最期を希望してるか
それだけを考えた
思うように動けず言葉も発せず
苦痛を伴う処置や
恥ずかしい思いもする
自由がきかなくても
感情がなくなるわけではない
もし私が病だったら
綺麗なままの私を目に焼き付け
私は夫の前から去り
1人闘病したかもしれない
5
0
126
｢3月11日が
悲しい日だけにならないように｣
その夫の一言で2013年3月11日
10年の節目に2人で挙式をした
当日の朝
夫は仲良くなったホテルマンに
｢秘密の話 知りたい？
今日オレ結婚式するんだ！｣と
私の居ない所で話していた
離婚経験がある夫
私との式を楽しみにしてくれた
それが嬉しかった
4
0
122
日が経つにつれ
喪失感が増していく
気付けば夜になってる日々
そんな中
夫のお別れ会をした会場に
用があり行った
すると不思議だった
嫌な気分ではなく
私の中でそこは
沢山の友人が集まり
悲しんでくれた
良い場所になってた
会場の雰囲気なのか
別れ方だったのか
私の選択は間違えではなかった
1
0
120
私の誕生日は
夫と初デートし初キスをした日
今日初めて
独りの誕生日を迎えた
もし
生き返る以外の願いが
誕生日に１つ叶うと言われたら
私はズルくこう願うだろう
"毎年"の誕生日
夫に名前を呼んでもらい
ギュッとしてほしい
私が今 生きていられるのは
確実にTwitterと友のおかげ
感謝しかない
7
1
116
"最期まで私が俺が介護する"
それは #がん患者 の意志も
考えた上なのか
恋して一緒になった相手
汚物のついたオムツを替えさせ
汚れた会陰部を洗われる
愛する人を睡眠不足にし
仕事と介護で板挟み
病になる前と同じ
相手の全てを知る必要はない
外部の手を借りて
尊重しあうのも大切だと私は思う
3
0
119
私は"夫の大ファン"
夫の匂い 肌質 毛質
可愛い顔が大好き
私の待受画面は20年来
4歳の夫が屈託のない笑顔で写る
昭和のモノクロ写真
そんな私を見て夫は
"目も鼻も悪いんだから～"と
照れ臭そうにいつも笑った
そんな夫ファンの私でも
骨より大事な物がある
それは夫の髪と髭
生きた証が今は宝物
4
0
116
夫の手続きで
公的機関があってはならない
重大なミスをした
つい先日 小さな幸せに
有頂天になってた私は
数日後の｢間違えました｣の一言で
奈落の底へ落とされた
"全ての事に意味がある"
その信念で生きてきた私でも
まだその意味が見いだせない
夫との別れ以来の衝撃は
日々号泣する程
耐え難い
2
0
118
2023年は正直
ただただ必死に毎日を生きた
だから振り返っても
何をして過ごしてきたか
あまり記憶にない
だけど確実に
私の力となっていたのは
皆さんのフォローや励ましや共感の♡
感謝してもしきれない
来年は今年よりも
皆さんの気持ちが
少しでも軽くなる年になるよう
遠くから願っております
2
0
116
癌が発覚してから
#がん患者 も #がん家族 も
闘病生活や医療費
患者と家族の距離感を悩み
心身ともに疲弊する
時に口論になり相手を傷つけ
罪悪感に襲われる
私が抱く感情は
家族として間違えているのか
癌になってから8ヶ月間
悩み続け壊れそうになった
勇気を出してTwitterを始め
今助けられてる
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出会った頃
歳の離れた夫が
私への気持ちをこう表現した
好きでも大好きでも
愛してるという言葉でもなく
"愛おしい" と言った
そして今
私の夫への気持ちは
寂しいでも悲しいでもなく
"恋しい" という事に気付いた
思い出は思い出し方で
暗くも明るくも色が変化する
私にはどんな思い出も明るい
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今 #肺がん 発覚時と同等の
ショックをうけてる
恐れていた事の1つが
起こるかもしれない
それは
夫が癌になっていなくても
将来それだけは避けたいと
ずっと願ってた事
まだわからない
けどそうなれば
生活は一変し深い悲しみと
苦しみの日々だろう
仕事はどうする
生活はどうする
私はどうする…
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私が変なのかもしれない
#がん家族 として苦悩した日々の
気持ちは忘れたくない
何処にいても心配で不安だった日々
自分の健康なんて二の次
毎晩寝るのも緊張していた日々
今までの人生で1番
精神的に耐え 踏ん張れた
そして愛する人を支える幸せも
感じられた日々
今は解放されたけど
忘れたくない
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"死別して１年半も経つのに
まだ通常に戻れないの？"
と言わんばかりの
反応をする人が実際にいる
もしかしたら
自分が期待するような
返答じゃなかったから
そう感じただけかもしれない
きっと
"時間が解決する"という言葉は
失恋への慰めなんだろう
夫婦の #死別 は
経験者でないと伝わりづらい
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#がん患者 の夫を毎日心配し
無我夢中だった1年9ヶ月
今振り返ると
物凄い緊張の日々だったと気付く
もっと緊張の日々が続けば
夫と長く居られたのかもしれない
けれど互いにとって
それが良い事とは限らない
死別者になった今
気を張って人と接する日々
だから
暫くは自分を甘やかしても
いいと思う
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時間や日数を減らして
勤務してる私に先輩が
もう夫に集中したらどうかと
言った
介護休業後
戻る場所がない推測話や
在宅の仕事に転職したらとも
仕事中に
医療機関と連絡してたのが
気になってたんだろう
最近
素っ気ない態度や返事だった
言ってる事はわかる
優しさなのもわかる
でも悲しかった
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お陰様であれから叩かれてない
���はり理由はあった
中でも最大の理由は麻薬による
長期の便秘だった
食事を摂ってた頃からの便秘
腹痛が強く涙する日もあった
言葉が発せない夫
その痛みが限界に達し
あの行動になった
浣腸で解決したが
食べてない今も心配
辛い思いをさせた
やはり夫は悪くない
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今日は
私が一生をかけて愛した夫の
誕生日
亡くなった場合
誕生祝いに違和感があると
言う人もいる
だけど私は
"生きた証"でもある誕生日を
一生祝い続ける
そして同時に
こんなにも愛おしい夫を
この世に産み出し
私と出会わせてくれた義父母にも
感謝し続ける
おめでとう
あれから2歳近づいたよ
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遺す人に
思い出を残すのが優しさ
だとしたら
治療費がかさむからと
好きだった旅行には行かないと
強い口調でずっと言っていた夫
亡くなる１ヶ月前
旅に誘うと何の躊躇もなく
行こうと言ってくれた
あれは私への優しさだったのかも
しれない
こんなにも
大きな愛 優しい愛
夫はずっとくれていた
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アメリカ人から
｢ネイティブ？｣と聞かれる位
流暢な英語を話した夫
英語が癒しだった
そんな夫が
たいして料理が得意じゃない私の
フレンチトーストを
毎回絶賛してくれた
"アメリカで
色々と食べてきたけど１番旨い" と
だから最初のお供えは
フレンチトーストにした
夫にお疲れ様を伝えたくて
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久々の涙
夫の横で窒息しそうな位
タオルで顔をおさえた
肺癌に多い #転移性脳腫瘍
緩やかな進行ではあるけど
出来てた事が
少しづつ出来なくなるのは
やはり見てて寂しい
それと同時に
将来単身となった自身が
そうなったらと
不安の波にのまれそうになる
体幹の進行とは違う恐怖が
脳転移にはある
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2022年8月21日19時
微笑む夫が旅立った
居ない事には慣れてきたけど
寂しさや恋しさは年々深まる
亡くなる数ヵ月前
毎朝の先祖仏壇のお茶と線香を
｢そろそろ止めていいんじゃない｣
夫が言った
その言葉の"深さ"を瞬時に理解し
とぼけて返事をした
今も続けている
愛しい夫にはマンデリンを淹れて
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｢煙草ありがとう｣
ある日
夫がそう言った
闘病中
夫は隠れて煙草を吸ってた
現場を押さえた時は喧嘩もした
夫は悪い事と分かってた
だけど
｢俺はそんなに強くない｣
そう弱音と恐怖を話した時
黙認すると決めた
亡くなる4ヶ月前の
その"ありがとう"には
様々意味合いと
互いの覚悟が含まれていた
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幼い頃に聞いた
"人は最後まで聴覚が残る"
という話
夫を側で看て
食事をするのも体力がいる事
座り続けるのも体力がいる事
更には
瞼を開けている事にも
凄く力が必要な事を知った
終末期
ずっと目を閉じている大切な人
耳はずっときっと聴こえている
そして気持ちを感じてくれている
私はそう思う
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事情があって
夫なし子なし親なし独りっ子
身内に頼りたくない人
入院や就職
契約や緊急連絡
身元保証サービスは
年齢制限があるし
頼める人がいなくなる
もし
同じ悩みを抱えた
信頼できる人達で
コミュニティ作ったら
助け合えるかもしれない
思いつきで
鼻で笑われるかもしれないけど
切実な問題
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もし５分だけ
夫に会えるとしたら
何を話すか考えた
きっといつものように
自然と抱き合い
そのまま夫の今の気持ちと
あの時の気持ちを聞くだろう
もし１日
夫と居られるとしたら
何をするか考えた
私はきっと
夫がやりたい事や再会を優先し
全力でサポートをする
だけど今の私には
５分の方がいい
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もうかなりの期間
夫の声を聞いていない
今朝はどうしても
夫の声が聞きたくて
音声が残ってるかわからない
昔のスマートフォンを
早朝から探した
すると複数ある内の1つに
夫の短い伝言メッセージが
残ってた
無いと思っていた夫の音声
その何でもない内容
夫のいつもの声
涙しながら何度も聞いた
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理想を言えば
私は夫に看取ってほしかった
でも現実は
私が夫を看取る側でよかったと
心から思う
死別者には様々なタイプがいる
故人の話をしたくない人と
私の様に夫の思い出話を
沢山したい人
夫の話ができる事
それは私にとって
癒しにも励みにもなる
夫が存在した事
みんなに忘れてほしくない
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料理を1人分を作る才能は
まだない
先に帰宅した日は
休む間もなく食事の仕度をし
１時間後に帰る夫を待った
夫を待ちきれず
窓から外をみてワクワクしたり
階段で響く足音を聞き
先に玄関を開けてみたり
笑顔で｢おかえり｣と迎えると
疲れている夫も
嬉しそうに笑ってくれた
あの笑顔
最高の笑顔
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私達は裕福ではなく
治療費もギリギリだった
今は独りになり
変わらずゆとりはないけど
それなりに生活はできてる
ふと思う
もし夫が大金を残してたら
私はきっと
悲しみから抜け出せず
引きこもっただろう
働かなければ
生活ができないという今の状況
それは死別した私に
必要だったのかもしれない
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思わずキスをしたくなる気持ち
思わず抱きしめたくなる気持ち
溢れる想いが抑えられない心
そう思える人に私は出会えた
何年何十年も変わらず
触れたい
近くで感じていたい
と思える相手
きっと
簡単に出会えるものではない
ただの"言葉"ではない"愛"を
知ることができた私の人生
それだけで万々歳
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｢治らないと分かっていたら
好きにさせれば…｣
という一節
"治る"と願い
体のため好物や行動を制限し
我慢をさせる終末期
"治らない"と気付き
影響は考えず好物を食し
自由にさせる終末期
どちらも愛するが故
違うのは
"主"となるものだけ
#がん家族 は
"守る強さ"と"見守る強さ"の
狭間で悩む
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出勤時間が変わり
窮屈な電車に乗る事になった
なぜ
友人でも同僚でもなく
知人でもない赤の他人と
こんなに密着しなければ
いけないのかと
私に触れていいのは女性と
2年間も満員電車で
私を全身で包み込み
守ってくれた夫だけ
｢俺に掴まりな｣
といつも支えてくれた夫
昨日の事の様に思い出せる
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"最悪を想定して最善を尽くす"
#がん患者家族 を経験し
今まで以上に自分が
この思考なのだと実感した
"取り越し苦労"
と言う人もいるだろう
けれど
絶対的に違うのは
ネガティブではなく
その為に今
何ができるか考えている事
だから私はマスクをする
だから死についても考える
後悔しないように
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実は"遺族年金"で
年金事務所と1年間モメていた
全てはこの電話から始まった
｢関わった皆が計算間違えました｣
｢年額80万円多い額の年金証書を
送付しました｣
再調査をする過程では
｢あと半年生きていれば…｣
と言われ
私は生きる気力をなくした
この人為的ミス
#厚生労働省 に知ってほしい
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担当医に不満が無い人は
数％しかいないと思う
癌を扱う医師
患者に感情移入したら
正確な判断が
できなくなるのだろう
淡々と話し
目も合わさない医師
聞くまで教えてくれない
だから医師の変更を考えた
けど誰でも同じだからと
夫は変えなかった
患者は医師と心を通い合い
信頼したいと願ってる
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夫と離れ
独り暮らしを始めて
もう10ヶ月
あれから何十回 考えても
私が夫を看とる側で
良かったとしか思えない
もし逆で夫を残してたら
夫が自暴自棄になるのが
容易に想像できた
終末期の夫が
私を心配してたか
私なら大丈夫と
安心してたかは不明
いづれにせよ
今の私の頭を撫でて
誉めてほしい
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｢親が亡くなれば過去を
配偶者が亡くなれば現在を
子供が亡くなる時は未来を失う
と表現される程
死別は人生における大きな出来事
即座に必ず乗り越えられる
万能な方法はないという
関係性や死因
過ごした年数や思いなどが
それぞれ違うから」
何処へ行っても夫が浮かぶ
今も夫と共に生きている
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夫と出会う前から
8.5cmヒールのパンプスが好き
フラットの靴だと
バランスが崩れ筋肉痛になる
雨の日も雪の日も台風の日も
パンプスで出掛ける私を見て夫は
"そういうとこカッコ良いよね～"
といつも笑って言ってた
夫が褒め続けてくれたパンプス姿
もし履けなくなったら
私は生き甲斐を１つ無くす
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"去年の今頃の夫は…"が
そろそろできなくなる
8月には1年経ち2周目に入る
終末期
時間が限られてる事を
お互い分かっている中
冗談を言ったり
笑ったりしても良いと思った
だから
訪看さんが来た時は談笑した
穏やかな時間だった
残された時間を
良い時間にしたい
だから
悲しい顔はしたくなかった
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私はあれから
生活できてるようで
生活できてない
生きてるようで
生きてない日々を送ってる
死別した喪失感は拭えない
けど悲観はしていない
だからこそ
自分を俯瞰してみるようにしてる
配偶者と死別の場合
悲嘆からの回復は
1-2年かかるといわれてる
今の私はまだ半年
休日はぐったりなのも正常
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母は何も言わない
けど
死別した私を心配している
唐突に
｢今、幸せ?｣と母に聞いてみた
｢過去から抜け出せた今は幸せよ｣
母は言った
だから私も正直に伝えた
｢私も今、幸せ｣
すると母は驚きながらも
｢過去の幸せがあるから幸せなんだね｣
と沁々言ってくれた
そんな話ができた今日
私は幸せ
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"終わりよければ全てよし"
話せなくても
動けなくても
最期の最後に視線を送り
私と目を合わせてから
静かに目を閉じ
笑顔で息を引き取った夫
傷つき悩んだ若い頃の夫
"あなたは大器晩成だから大丈夫"
母親はそう言って勇気づけた
その言葉は人生の支えとなり
夫は最期
笑顔でこの世を去っていった
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久しぶりに夫の写真を
長い時間みてた
以前のように悲しみではなく
ただただ
"なんて可愛いおじさんなの"
としか思わなかった
生意気な顔も
スカした顔も
何気ない表情の写真も
全て愛おしく笑顔になった
最期まで
格好いい男だった夫
失敗した時は自分で
"だっせー"とはにかんだ
その姿が懐かしい
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"俺アメリカカブれだからさ"
出会った頃に夫はよく言ってた
確かにGパンにTシャツを
INする人だった
そんな夫はいつも
車に乗る時や建物に入る時
必ずドアを開けてくれた
その優しさは #転移性脳腫瘍 で
運転を控えるようにと
言われるまで"ずっと"続いた
私を大切にしてくれていた夫
感謝しかない
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共感はきっと得られないだろう
もし夫と歳を重ねられたとしても
同じ未来だったかもしれない
そう考えると
現実では経験できなかった老後を
少し早めに疑似体験できたように
思えた
すごく愛してる人を看とること
それは最大の愛情だと私は思う
誰でも平等に命は終わる
命の長さで幸せは決まらない
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思い入れが無い
倉庫に何十年も入れっぱなしの
夫の荷物を処分した
業者を待つ間
分厚いアルバムに気付き
急いで写真を抜いた
夫が見るのも嫌で放置した
元妻との写真
私は何にも感じない
その時代があったから
あの時の夫になり
その人と終わったから
私と居た
過去があるから今がある
それでいい
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｢元気にしてた?ご主人も?｣
と久々に会ったお客に
優しく聞かれた
夫が闘病中なのは知らない
だから｢2人共元気です｣
と動揺しながら返事した
すると
｢幸せそうな顔してるモン｣
と良い意味で返された
辛い事はある
けど確かに私は幸せ
そして
ちゃんと隠して接客できてる
自分を誉めてあげたい
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