「先月は旅行でハワイに行ってきたのよ」 うわー、いいなあ。羨ましいなあ。 そう素直に言えなかったのは、 患者さんが生活保護受給者だったからでした。 尿管結石による腰痛で、 大学病院に救急車で飛び込んできた中年女性の患者。 痛みは受診時にはおさまっており、 元気そうに話しています。 研修医が問診をしてくれている中で、 旅行の話が出てきました。 なんでも、先々月は国内旅行に、先月はハワイに行ってきたとのこと。 （へー、めっちゃリッチじゃん） と思いながらカルテを見ると、 生活保護を受給していました。 いや、もちろん、生活保護を受給していても旅行は自由なわけですし、 （場合によってケースワーカーに相談が必要） ほかの費用を切り詰めているのかもしれません。 ただ、 元気そうなのに生活保護もらって、 連続で旅行に行ってて、 救急車使って、 この救急外来の費用もタダなのか・・・ とどうしても思わずにはいられなかったのです。 もし、私と妻と子どもの3人家族が生活保護受給をする場合、 生活扶助と住宅扶助あわせて、 18-22万円程度もらえるんですよね。 一方でバイト代を抜いた大学病院のみからの給与では、 手取りで17万円前後です。 え？ 大学で週5外来・オペして、 生活保護よりも低い？ やっぱりこの国の制度はどこかイカれていると思わずにはいられません。