世を忍ぶ仮の羊
@hituji_pecolate
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2024年4月11日に16歳高校2年生の次女を家庭内の事故で亡くしました。過去から現在までの備忘録。次女のタイムカプセルとして生きる。「いいね」は共感と応援。無言フォロー失礼いたします。勝手ながら死別アカ以外はブロックさせていただきます。人生ロスタイム。
此岸
Joined March 2014
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次女は斎場だか火葬場だかの都合で葬儀が4日後だった
最初は「そんなに待つの？」と思ったけれど、毎日会いに行けたからかえって良かった
最初はまだ人肌の感触があった次女がドライアイスでカチカチになっていくのが辛くはあったけど
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葬儀の時、お坊さんは
「何かの罰だとは思わないでください
能登の地震だって、罪を犯した方なんていませんでした」
と言ってくれた
その時はそうだなと思ったけど
今は
自分がどんな罪でこんな罰を受けているんだろう
そう思わずにいられない
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夫は仕事から帰ると
「みんなおる〜？」
と玄関で言うのが常だった
昨日も
「みんなおる〜？」
と聞こえたが
「次女がいない」
と言おうとして飲み込んだ
同じことを思ったようで
夫も二度は言わなかった
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努力は報われるとは限らない
娘たちのために「ちゃんとした」存在であろうと
踏ん張ってきたのに
その娘を失ってしまった
なんかもう
全てがどうでもいい
「明日世界が滅べばいい」と毎日思う
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私はこの世で一番悲しいのは、我が子を亡くすことだと思ってる
でも配偶者を亡くした人は連れ合いを亡くすことだと思うだろうし
親を亡くした人は大好きなパパやママを亡くすことだと思うだろう
皆それぞれ、似て非なる悲しみを抱えるんだろう
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次女よ
お母さん今、美容院にいます
あなたと一緒に行ってたところは
辛くて近寄れなくて
別のところです
いっそ剃髪してしまえば
あなたへの供養とお詫びになるかなと思うけど
そこまで踏み切れずにいます
お母さんは意気地なしです
本当にごめんね
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我が子を亡くしても
家事をしたり仕事に行ったり
変わらぬ日常を送らなければ
いけないのは
絶望なんだろうか
救いなんだろうか
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次女の友達が線香あげに来てくれた
友達目線の、おそらく本人は親に伏せていた（笑）話もたくさん聞けた
嬉しいし、ありがたかったけど
ここに次女も居て
「やめろ言うんじゃない！」
とかリアクションしてれば
もっと楽しかった
どうして次女がいないんだろう
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次女よ
今日は貴女が文豪たちみたいに「命日」を持ってから、四ヶ月の日でした
お母さんは泣きすぎて目がしょぼしょぼです
貴女がもう帰って来れないのは何となく分かって来ましたが
なぜこんな事になったのかは、微塵も分かりません
多分一生分からない
おやすみ、また明日
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泣いて
自分を責めて
ああでもないこうでもないと考えて
ぐるぐる回って
最後はいつも
「次女帰って来て」
に戻って来る
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「そんなこと故人は望んでないよ」
ってよく聞くフレーズ
望まれてるからやってるんじゃなくて
今はそうするしかできないんだって
そういう心境もあるんだって
理解して欲しい
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次の子を持てるほど若くはなく
「すぐに行ってあげるからね」
と言えるほど老いてもおらず
おそらく次女が生きたのと同じくらいの時間を
無為に過ごさなければならないのが恨めしい
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食材が減らない
洗濯物が減った
学校行事がない
生活全般気を配る相手がいない
時間が余って仕方ない
子が巣立った後なら余暇だけど
ただひたすらに虚無
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次女よ
今日も一日やり過ごしたよ
そういやさっき
「『お迎え』が本当に来ることがある」
って記事読んだよ
お母さんのその時には、あんたが迎えに来てね
一緒に行こうね
待ってるよ
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おはよう次女
今日で5ヶ月だ
「もう１日だって生きて行かれない」
を積み重ねて5ヶ月分だよ
長かったけど
まだまだ終わらないんだよね
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おやすみ次女
もしかしたら
まだあんたを諦めていないのは
母ちゃんだけかもしれない
でも母ちゃんだけは
あんたがいなくなるわけないと
往生際悪く思い続けるからね
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学生の頃からの友人たちに次女のことを伝えて
「なんでうちの子が」
と言ったら
友人の一人が
「わかるよ、うちも娘が自閉症って診断された時、同じこと思った」
いや分かってないだろ
あんたの娘生きてるじゃん
自閉症でも生きてるじゃん
同じじゃないよ
声に出さずに叫んだ
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ずっと、次女がどうすれば生き延びられたかを考えてる
あの日を回避できれば安泰だったのか
遅かれ早かれだったのか
もう結果は出てしまって、覆らないと分かっている
それでも考えるのを止められないんだ
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睡眠はいい
お金かけずに時間が潰せるし
寝過ぎなければ体にいい
悲しみを忘れていられる上に
運が良ければ次女の夢も見られる
最高だな
ずっと眠っていたいよ
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小学校でも中学でも高校でも
亡くなった子の話は
聞いた事が無かった
どうして、うちの子だけが
そう思ってしまうのを
止められない
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私の何がいけなかったのですか
次女に何が足りなかったのですか
それは命を奪われるほど重大な瑕疵だったのですか
どうしてうちの子だったのですか
誰か教えてください
誰か納得のいく答えをください
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「次女はもういないんだ」
自分に言い聞かせる
その度に
一緒に過ごした16年の思い出が
津波のように押し寄せて
立っていられなくなる
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まだ4ヶ月ちょっとなのに
泣きながらとは言え
一応それなりに食べて寝て
仕事にも行っている自分は
薄情なのかな
悲しみ方が足りないのかな
と思ってしまう
誰かと比べることは意味がないとは
分かっているけれども
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食べればご飯は美味しいし
布団で眠るのは気持ちいいし
嬉しかったり笑ったり
することもあるし
ねこは可愛いし
だけど胸に大穴があいているから
入れたそばから
すっぽ抜けて落ちていく
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「あとどれくらい生きられるんだろう」
と漠然と思っていたけど
「あとどれくらい生きなきゃいけないんだろう」
と思うようになった
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仏壇に位牌
居間に遺髪とへその緒
お墓に遺骨
そしてあの世
次女は一体どこにいるのだろう
どこにでもいて、どこにもいないのだろうか
生きていれば、いる場所はひとつなのに
ひとつだったのに
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4ヶ月半経って
明らかに初めの頃とは違ってきた
何となく「生活」できるようになってきた
カウンセリング受けたり
色々読んだりした
その成果なのかもしれないけれど
次女を忘れていくようで
猛烈な罪悪感と焦燥感に襲われる
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「四十九日過ぎると落ち着く」
「百箇日くらいの頃が一番しんどかった」
全然落ち着かない
なんなら百箇日過ぎたあたりでしんどさの質が変わっただけ
正直自分でも、こんなに長い間苦しいものだとは知りもしなかった
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口数が減ったと思う
外で家族の話をしなくなったし
いつ飛んでくるか分からない
流れ弾を警戒しなくちゃいけない
何なら身内に
背後から撃たれることもあるけどね
相手が誰であれ
喋らなければこれ以上傷付かない
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遺族というものは「早く元気にならなきゃ」と思いがちらしい
でも私は５年でも10年でも引きずる方がいい気がする
その方が愛が深い気がする
（※個人の感想です）
突き刺さる胸の痛みはしんどい
でも、それが無くなるのも恐ろしい
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どうして守れなかったのかなぁ
どうして助けられなかったのかなぁ
あの日からずっと
「お前は重大なミスを犯したから
この先の時間はその報いだ」
と言われているように思う
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次女が突然居なくなって四ヶ月
家にも心にも時間にも
ぽかっと大きな穴が空いたまま
あの日からずっと胸が痛い
呼吸が浅い
「どうしてこんなことに」
繰り返す繰り返す
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最初の頃は、グリーフケアのサイトとか本とかを読みまくった
段々胸がつかえてきて、Xで吐き出すようになった
そうするうち、Xで似たような喪失を呟く人たちの存在に気付いた
Xでは、「分かち合いの会」が常時開催されているんだな
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台所にやって来ては
「今日の、ご飯は、何ですかっ？」
と聞いてきた次女
今日は肉じゃがだよ
好きなだけご飯にぶっ掛けて
食べるといいよ
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うちの母は
悪意はないんだけど
びっくりするほど寄り添わない
昔っからそう
「次女ちゃんが
帰って来るわけじゃないから
頑張らないとね」
励ましているつもりなのだろうか
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故人の棺に近付きすぎて
ドライアイス中毒で亡くなる遺族が
いるから気を付けて
という注意喚起を見た
正直「その手があったか」と思った
だって考え得る限り
最も理想的な後追いじゃないか
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「故人にこだわることをやめ
故人の居ない生活に適応する」
グリーフワークの最終目標
‥らしいけど
それを目指していない場合は
どうしたらいい
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これが1ヶ月や2ヶ月で落ち着くのなら、休職して家でじっとしてるのもあり
だけど年単位必要と聞けば、何とかして「普通の生活」をするしかない
あくまでフリだけど
普通の生活のフリは、一日が長くて仕方がない
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あの事故が私の責任だというのなら
今すぐに罰してほしい
そうではないというのなら
もう少しだけこの痛みを軽くしてほしい
真っ暗闇でのたうち回るだけの日々
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「グリーフワークは、『大事な人がもう帰って来ないこと』を受け入れるところから始まるんです」
最初の関門が一番難しい気がします、と思わず言ったら
「‥実はそうなんですよね、だから、それなりの年月が必要なんです」
すぐ楽になるのも次女に申し訳ないから、むしろそれでいいと思った
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美味しいもの食べたいと思わない
楽しい事したいと思わない
おしゃれなんてしたくない
尼さんのように暮らすことで
罪悪感と折り合いをつけてる
それを知りもしないで
「次女ちゃんそんな事望んでないよ！」って
分かったように励まさないで
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食事する度に
「次女は食べられないのに」
と今でも思うし
「こんな物食べて何の意味が」
とも思う
多分一生、薄れこそすれ
この感情は続く
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子を亡くした夫婦は悲しみの現れ方が違って、それがすれ違いの原因になって離婚に至ることも多々
わかる
うちも私は泣き叫ぶ派、夫はじっと押し殺す派
慰め合えれば理想だけど、こういう時は自分の痛みで手一杯だからね
重傷を負った者が看病し合うのは無理ってことだ
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次女に会いたい
どうしてこんなことになった
なぜ次女が
寂しい
悲しい
苦しい
次女のところに行きたい
生きるのが辛い
家の中でさえ、声に出して言えない感情
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まだ次女が抱っこ紐に収まっていた頃
高齢のご婦人に声をかけられ
「この子はいい子よ〜龍神様が付いてる」
と謎の褒められ方をしたことがあった
龍神様のご加護があるんじゃなかったのか
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次女を連れ戻すことは不可能
後を追うことも許されない
私は時間のある限り、ここで過ごす選択肢しかないらしい
実質一択だ
人生の選択肢なんて
案外無いよね
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他所の人から見たら
「ドールハウスから誰かの人形がパッと消えた」
くらいの解像度なんだろう
当事者からしたら
ドールハウスの土台は粉々
そこから引き剥がされて居なくなった人形
残された人形たちは壊れて倒れて自力で立てない
そんな感じ
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16歳と7ヶ月
それだけしか生きてない子には
半年ってまあまあの時間だよね
半年もあれば
どれだけ成長しただろう
どれだけ得る物があっただろう
そばで見ていたかった
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何度目か分からない
「こうしたら次女を救えたんじゃないか」の波が来ていて
今とてもしんどい
もし完璧な解法が見つかったとしても
過去は覆らない
だから余計にしんどい
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昼食に次女の分小さい皿に取り分けて供える
どうしてこんなちょっぴりなんだ
どうして次女が食べてくれないんだ
毎回泣きたくなる
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「どうしてこんなことに」
「何かの間違い」
「信じない信じたくない」
「これは悪い夢」
四ヶ月くらいじゃまだまだこんなもの
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生協の共済
長女と次女の分をちょっとかけていた
次女を解約しないとなんだけど
やりたくなくてずっと放置してた
ついに控除証明書が来ちゃって
いよいよやらなきゃ、と鬱になってる
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カラーリングしてもらってる間
手持ち無沙汰でいたら
ボロボロ泣いてしまった
美容師さんたちがすごく困っていた
ごめんなさい
貴方たちは何も悪くないです
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母と話してて、「手元供養も考えたけどやめた」と言ったら
「良かった、骨を置いとくって、やっぱり気持ち悪いよ」
気持ち悪いのか
あんたの実の孫娘なんだけどな
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私の過失、不注意のせいだったとしても
神様とかそういう存在に愛されたからだったとしても
純粋に寿命だったからだとしても
理由なんか考えるまでもない
何であれ、次女はもうこの世にいない
一生会えない
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4ヶ月過ぎた頃から
のべつまくなし泣かなくなった
寝込まなくなったし
仕事も休まなくなってきた
悲しくなくなったんじゃない
感情に蓋をすることが
できるようになっただけ
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何でだったか忘れたけど
次女の髪をドライヤーで乾かしてやって
「次女の髪はキレイだねぇ」
と褒めてたのを思い出した
ずっとあの髪を見ていられると思っていたんだよ
幸せだったんだね、あの頃
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16年ってまぁまぁ長いけど
人の年齢だと思うとまだまだ子ども
足りないよね
全然足りなかったんじゃないかな
大人になった次女が見たかったよ
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月命日が近いので次女の墓参り
花と好物（今日はマック）を供えて
線香を焚いて
手を合わせてきた
そして帰宅後
仏壇に線香を立て拝む
次女はどっちにいるんだろうと
毎回思う
亡くなるってそういう事なんだよな
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職場で他の人とやり取りした後
自己嫌悪に襲われる
「何明るく返事してんだよ」
と自分で自分を責めたてる
ずっと鬱々としていたいのに
少しずつ「普通」に戻って行く
自分が信じられない
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姑の知り合いのお孫さんが
ほぼ引きこもりのニートで
家族が悩んでいると聞いた
健康で生きてるならいいじゃないか
何ならうちと代わって欲しいわ
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おはよう次女
あんたの髪の毛から
クローンって作れないかなと
考えたりしたよ
もっと未来だったら
そんな選択肢もあったのかな
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おやすみ次女
担任の先生が文化祭のパンフレットを送ってくれたよ
あんたのクラスは劇だってさ
あんたも何か役がもらえればよかったのにね
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おやすみ次女
あんたの姿が見えない生活に慣れて
当たり前になっていくんだろうか
どの道選択肢なんか無くて
そうなるしかないって
分かってるんだけど
それがたまらなく嫌なんだ
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「もっと自分の時間が欲しい」
「一人になってみたい」
こんな事ばかり考えていたから
バチが当たったのかな
でもそれなら私を罰してくれれば
良かったじゃないか
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その瞬間、さすがに悟った
次女をこのままにしておくのは、無理なんだ
中国やソ連のかつての指導者の遺体が保存されているのは知ってるけど、あれは特殊な加工がされている
次女の人格というか、心は既に失われた
次女の肉体もいずれ失うんだ
私は何度も次女を喪失した
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