こんにちわ あむあずをしばらくお留守にしていたので、リハビリに1ヶ月ほどTwitterなど熟読して再履修を終え、ほぼ１年ぶりのアップになります。 書いてて思ったのはやっぱりわたしはあむあずが好きということ。 またあむあずでお世話になります。もしよかったらまた仲良くしてください。 今回のお話は書いているうちに３万文字を超えたのでいくつかに分けて投稿します。 シリーズ内に暴力的および性的な記述が...

良い季節に帰って来れたな。 空港から新宿行きのリムジンバスから見える十年ぶりの日本の風景は、桜色に染まっていた。 後部座席から、たこ焼きが食べたいの富士山が見たいのと賑やかな英語が聞こえてくる。 ─行くのは東京だって。 脳天気な会話にツッコミを入れる。後ろで騒いでいるのはアメリカ...

子供の頃からね、喫茶店で働くのが夢だったの。クリームソーダやパフェみたいなかわいいものを作って。常連さんとおしゃべりしたり 梓さんは目の前の白いクロスに並べた銀のスプーンを1本ずつ手に取り、その丸い鏡のようなヘラの部分を眺めては、わずかに残ったくもりを取っていた。 「じゃあ、その...

最終話になります。 もともと1つだった話を3つに分けたところ、最初の1話にしかR指定が入らないことに気づき、書き足していたのでちょっと時間がかかってしまいました。 私は書くのがとても遅いので、またしばらくは間が空いてしまうかと思いますが、引き続きあむあずで書いてゆこうと考えていますので、よろしくお願いします！

パステルブルーの小箱にパステルピンクのリボン風のシール。 キレイにラッピングされた小箱は僕の目の前を通り過ぎていった。 「いつもありがとうございます。これ、気持ちだけですけど」 「お、梓さん。毎度気い使ってもらってわりいな」 毎年恒例になっているらしいそんなやりとりを恨めしげに聞...

ネタバレにワンクッション。伏せ字や長文をツイートできるfusetter（ふせったー）

あの・・・なんでみなさん、そんなに書くのが早いのでしょう。誰か教えて・・・。 しかも、前・中とタイトルにつけてしまったにもかかわらず、後編で終われませんでした。 すみませんもう少しお付き合い願います。 誤字は発見次第すぐに摘発します。 この回はＲ－１８のタグどおりに入ってますので、ご注意ください。

今日の上司はなにか様子がおかしかった。 どことなく落ち着きがないというか、そわそわしているというか。 数ヶ月前、警察庁から出向としてやってきた降谷は、奇しくも再び風見の所属する班に配属された。つまりは直属の上司になった。 降谷とは数年前、ある大規模な合同捜査にて初めて面識を得た。...

「合コン、ですか？」 「ええ、再来週の金曜日」 でもその日は……。梓は壁にかかったカレンダーに目をやる。 「そう、ちょうどお盆休み初日なんですが。帰省とかご予定があるのでしたら……」 少し気まずそうに安室が続ける。盆休みで昼の客足が減るのにあわせてポアロも今週金曜日から４日間店を...

クツクツという小さな音が、木蓋の間から絶えず漏れ出している。ステンレス製の正方形のおでん鍋には、大根、ちくわ、玉子にがんもどき。皮付きのアボカドの鮮やかな緑が地味になりがちなおでん鍋を彩る。菜箸でおでんの具合を確かめていた梓は顔をあげて窓を眺めた。わずかに見える空は曇天。今日はこ...

2022/10/15追記 去年の作品ですが、実はこの作品に対して湯気さんからイラストをいただいていたのです。 当時はただただ嬉しくてひとり眺めては素晴らしい！などと呟いておりました、が、支部の小説に挿し絵機能がついたので湯気さんの許可を得て挿し絵として本文に挿入させていただくことが可能になりました。 湯気さんのイラスト、本当に素晴らしいので既読の方もぜひまたご確認いただけたらと思います。...

ああ暑い。やけに暑い。 どこまでも続く乾いた道。 ここはどこだ？僕はどこに行こうとしている？ 背中にかかる荷物のベルトが肩に食い込む。背中に載せられた荷物は一体何が入っているのか知らないがどれもとにかく重い。 白くハレーションを起こすほど強い日差しの中にいるにも関わらず、視野はひ...

良い季節に帰って来れたな。 空港から新宿行きのリムジンバスから見える十年ぶりの日本の風景は、桜色に染まっていた。 後部座席から、たこ焼きが食べたいの富士山が見たいのと賑やかな英語が聞こえてくる。 ─行くのは東京だって。 脳天気な会話にツッコミを入れる。後ろで騒いでいるのはアメリカ...

ああ暑い。やけに暑い。 どこまでも続く乾いた道。 ここはどこだ？僕はどこに行こうとしている？ 背中にかかる荷物のベルトが肩に食い込む。背中に載せられた荷物は一体何が入っているのか知らないがどれもとにかく重い。 白くハレーションを起こすほど強い日差しの中にいるにも関わらず、視野はひ...

降谷が初めてもらったバレンタインデーのチョコレートは、チョコレートという名の華やかなイメージを覆すような、生真面目な方法で作られた無骨な板チョコだった。 「このチョコレートはね」 彼女は小さく割ったそのひとかけらを口に含むと、まことに感心したというふうに、うなずきながらこう言った。 ...

コロナが無い世界線のハロウィン 「そこのゾンビのご一向から後ろの人は一旦停止。君だ君！そのボロぞーきんみたいな白衣着た君たち。そうこっち見たね。楽しい夜にしょっ引かれたくないよな。だったら指示に従う！」 よく通る声が群衆の頭の上を飛び交う。 その声の先をみあげた群衆がざわめいた。 ...

この世界は、記号であふれている。とは、誰が言った言葉だったか。 「若い」「女性」が通りを歩いてゆく。 「警察官」の「男」が立っている。 「会社員」は「スーツ」。 「小学生」は「ランドセル」を背負い、「老人」は「杖」をつく。 記号化して名前をつけるとすると物事は簡単になる。 例えば、...

彼女が僕を「外国人（風）」という記号で見ていた事が分かった。 「金髪」「青い眼」「褐色の肌」「バイト先の同僚の人」なんでもいいけど、とにかく彼女にとって僕はそういった記号の集合体でしかない。 道理でどんなにコナをかけてもなびかないわけだ。別にハニートラップを仕掛けようと思ったわけ...

やっと終わりました。書き始めたのは春だった・・・・。今、秋。 良かった。後編2で終われて。なんかこのまま3,4,5・・・と続きそうで怖かったです。 がんばって降谷さんカッコよくしてみたつもりなんですけど。カッコよくなったかな。 ほめられて伸びるおとななので、カッコよいと思ったら、そのように感想などいただけるとうれしいです。ただの欲しがりです。 後半軽めだけどR-18入ってるので一応タグ付けと...

バン。という音が聞こえたような気がした。それくらい突然に、辺りは一瞬で暗闇に落ち込んだ。「あれっ！？」 事務作業に集中していた梓は店内に自分しかいない気安さから声をあげる。 明かりはすべて消えていたがノートパソコンの画面の明かりがあるので周囲は多少見渡せた。 「ブレーカーおちたの...